駆け足で読むシリーズ

第3章 三重線の履歴と弾性〜駆け足で読む『表面張力の物理学』〜

気相・液相・固相の接するところでは、その性質によって接触角が決まる 固体が一様であれば、接触角も一面に一様だが、固体は一様ではない 化学的に不均一(斑点) 物理的に不均一(でこぼこ) ある位置での安定な角とそのすぐ隣での安定な角に差が生じるので、…

第1章 毛管現象〜駆け足で読む『表面張力の物理学』〜

毛管現象とは「交じり合わない2つの液体の境界、あるいは、液体と気体の境界に見られる科学現象」であって、「境界面のエネルギーが最小になるように変形する様子を説明する」 1.1 表面張力 分子間の引きあう力が熱ゆらぎよりも優位なときに気体から「密度…

駆け足で読む『表面張力の物理学』

分子生物学では、分子運動とその熱力学などを用いて代謝系などの説明をすることはごく普通のこと。ここで言う分子運動には分子間の引力・斥力などが絡む 疎水結合などの話も分子の高次構造の話 この「駆け足」では生命現象のことを頭に置きながら、「表面張…

駆け足で読む『いかにして問題をとくか』

いかにして問題をとくか作者: G.ポリア,G. Polya,柿内賢信出版社/メーカー: 丸善発売日: 1975/04/01メディア: 単行本購入: 94人 クリック: 1,656回この商品を含むブログ (155件) を見る 第I部 教室にて 目標 1. 学生を助けること 手助けは多くても少なくて…

駆け足で読む『歴史は「べき乗則」で動く Ubiquity The Science of History... Or Why the WOrld is Simpler Than We Think』

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)作者: マーク・ブキャナン,Mark Buchanan,水谷淳出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/08/25メディア: 文庫購入: 28人 クリック: 196回この商…

駆け足で読む『プログラミングHaskell』3 型とクラス

型とクラス 型とクラスはHaskellの基本概念である 型とは 型とは互いに関連する値の集合である 集合であるから、全体があって、要素があって、要素同士にオーバーラップはない 値が集合をなすとき、型を定義できる クラスとは 複数の型があるとき、型がある…

駆け足で読む『プログラミングHaskell』11 遅延評価

複数の関数を適用するとき、どういう順番で関数適用するかを問題にする 外側から、対、内側から 名前渡し、対、値渡し curry化することと関係がある(順序がわかるようにカッコを明示的に書くとわかる) 無限再帰の場合などでは、値渡しでは停止しないが、名前…

駆け足で読む『プログラミングHaskell』10 型とクラスの定義

型を定義する typeによる宣言(既存の型を使って宣言する) type String = [Char] type Pos = (Int, Int) type Board = [Pos] dataによる宣言(まったく新しい型を宣言する) 取りうる値の集合を定義する その上で関数を定義する data Move = Left | Right | Up …

駆け足で読む『プログラミングHaskell』9 対話プログラム(IOがしたい)

IO型の特殊性 IO型は対話形式にするための仕組み HaskellはIOを除くと、「ファイルにすべてを書き込んで(→コンパイルして)→実行する」〜「いつも同じことをするだけ」という処理を作る Haskellで対話式入出力をするときは、対話の受付口と対話の返却口を開い…

駆け足で読む『プログラミングHaskell』7 高階関数

引数として関数を取ったり、返り値として関数を返したりする関数を高階関数(higher-order function)という 複数の関数の処理を行ったりするときは、結果として関数に関数を引数として渡すことになる curry化は「返り値として関数を返す」こと(らしい)だが、…

駆け足で読む『プログラミングHaskell』6 再帰関数

Haskellではループの代わりに再帰関数を使う 整数に対する再帰は以下のような感じ f :: Int -> Int f 0 =1 f (n+1) = (n+1) + (f n) 「関数fの入出力の型はInt。fに0を渡したら1を返す。それ以外のときは、n+1を渡したら 関数fをnに適用した結果にn+1を加え…

駆け足で読む『プログラミングHaskell』5 リスト内包表記

Haskellで、リストは特別な役割をしているので、そのために知っておくべきことがいくつかある 数学の内包表記 内包表記をHaskellのリストで実現するために 生成器 [1..5]が[1,2,3,4,5]であることにする このように..リストを作ってくれるので「生成器」と呼…

駆け足で読む『プログラミングHaskell』4 関数定義

関数は対応付けるもの 対応付けは値と値かもしれないし、値と関数かもしれないし、関数と関数かもしれない 対応づけは1度とは限らない(x -> y -> z -> wのように3つの対応づけもできる) 関数が失敗することなく対応付けするためにHaskellで決まっているル…

駆け足で読む『プログラミングHaskell』

プログラミングHaskell作者: Graham Hutton,山本和彦出版社/メーカー: オーム社発売日: 2009/11/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 14人 クリック: 503回この商品を含むブログ (117件) を見る この本はすばらしい。ウェブ上の色々を調べて、ようやく…

代数統計的なことをいじろうとしている(こちら) グレブナー基底と言うのが面白いらしい Wiki(こちら)をちらっと眺めた限り、すーっと入ってくるタイプのトピックでないのは確からしい とはいえ、放置するには、やりたいことに近すぎる印象があるので、かじっ…

駆け足で読む『Swarm Intelligence; From Natural to Artificial Systems』7 昆虫とロボットが協力して輸送する

一人では運びきれない荷物をどうやって、みんなで運ぶことにするのか 年に1度、神輿を担ぐことや、6年に一度、御柱を運ぶのは、「協力」の練習?

駆け足で読む『Swarm Intelligence; From Natural to Artificial Systems』6 巣の建築と自立して組み立てること

Stigmergy (環境との相互作用でなされる行動) Quantitative stigmergy Qualitative stigmergy Qualitative stigmergyの例 ハチの巣を大きくするときに、正6角形の継ぎ足しにあたって、1辺共有で作るか、2辺共有で作るか、3辺共有で作るかによって、巣の…

駆け足で読む『Swarm Intelligence; From Natural to Artificial Systems』5 自己組織化と鋳型をデータ解析とグラフの分割に適用する

ソート・クラスタリングは、並べたり分類されたりすればよいが、この章では、「鋳型」となる形を大きくするような場合の「虫」の仕事の進め方 反応拡散系(こちらやこちら)

駆け足で読む『Swarm Intelligence; From Natural to Artificial Systems』Chapter 4 墓地の組織化、たくさんの子の仕分け、データ解析、グラフの分割

近傍のみの情報を用いて、単純作業をする「虫」が集まることで、ソート・クラスタリングが進む仕組みに関する章 個別にピックアップして、「同様のもののたまっているところ」に置くことの繰り返し ソートのアルゴリズムの中にも、隣り合った値を比べて入れ…

駆け足で読む『Swarm Intelligence; From Natural to Artificial Systems』Chapter 3 仕事の分割と個々の作業の割り当て

集団での仕事の分割と作業の割り当てについて 個体の違い 出生時期による分業制(temporal polyethism) 分担作業による形態の違い 同一年齢・同一形態の群の中で個体差 どうやって違いを生じせしめるか 反応閾値モデル 作業の種類数 作業が1種類であるモデル…

駆け足で読む『Swarm Intelligence; From Natural to Artificial Systems』Chapter 2 アリの食糧探索行動、組み合わせ最適化、意思伝達ネットワークによる経路決定

2経路の選択 2つの要素 2択の場合 、ここでは選択肢A,Bのそれぞれに、「実績として起きた事象の数(アリで言えば、アリが落としたフェロモン量)」 は非線形の程度を決める。はフェロモンがないときの「得点」→ランダム性のための下駄 複数の選択肢でどれか…

駆け足で読む『Swarm Intelligence; From Natural to Artificial Systems』Chapter 1 イントロダクション

1.1 社会性のある昆虫(社会性昆虫) 1.2 社会性昆虫の集合体としての行動をモデル化する 1.2.1 モデル化、設計すること 1.2.2 社会性昆虫に見られる自己組織化現象 正と負のフィードバック、ランダム性、相互作用 1.2.3 Stigmergy "Stigmergy is a mechanism …

駆け足で読む『Swarm Intelligence; From Natural to Artificial Systems』

Swarm Intelligence: From Natural to Artificial Systems (Santa Fe Institute Studies on the Sciences of Complexity)作者: Eric Bonabeau,Guy Theraulaz,Marco Dorigo出版社/メーカー: Oxford University Press, U.S.A.発売日: 1999/10/01メディア: ペー…

駆け足で読む『Bio-Inspired Artificial Intelligence』の中身 2. Cellular Systems 細胞の系

空間に自動機械があって、活動・発展・繰り返しする仕組み 2. Cellular Systems 細胞の系 2.1 The Basic Ingredients 基礎的な構成要素 空間、時間、状態・状態セット、近傍、状態推移関数、境界条件、初期条件、終止条件 Quiescent state 休止状態 Neighbor…

駆け足で読む『Bio-Inspired Artificial Intelligence』の中身 4. 発生学の系

単位構造から、限定的なルールのみを使って、複雑な構造を作りつつ、可塑性を持つ、集合体形成の仕組み 4. Developmental Systems 4.1 Potential Advantages of a Developmental Representation 発生という変化表出に見られる(人工知能的な)利点 小さくまと…

駆け足で読む『Bio-Inspired Artificial Intelligence』の中身 3. 神経学の系

素子があって、相互作用のルールがあって、構造を作って、構造が機能を支える仕組み 3. Neural Systems Computational neuroscience 計算機を用いた神経科学 Neural engineering 機械制御 Baldwin effect? 3.1 Biological Nervous Systems Dendrites, axon, …

駆け足で読む『Bio-Inspired Artificial Intelligence』の中身 1. Evolutionary Systems 進化学の系

Bio-Inspired Artificial Intelligence: Theories, Methods, and Technologies (Intelligent Robotics and Autonomous Agents)作者: Dario Floreano,Claudio Mattiussi,Ronald C. Arkin出版社/メーカー: The MIT Press発売日: 2008/08/22メディア: ハードカ…

駆け足で読む『Bio-Inspired Artificial Intelligence』の中身 5. 免疫学の系

5. Immune Systems 矛盾をはらんだ問題に対処する仕組み(あらゆる可能性への備え、敵味方の区別、強力と危険とは表裏一体) 病原体とホスト 免疫系 人工的免疫系 5.1 How Biological Immune Systems Work 5.1.1 The Innate Immune System 先天免疫系 Pattern …

駆け足で読む『Bio-Inspired Artificial Intelligence』 目次

Bio-Inspired Artificial Intelligence: Theories, Methods, and Technologies (Intelligent Robotics and Autonomous Agents)作者: Dario Floreano,Claudio Mattiussi,Ronald C. Arkin出版社/メーカー: The MIT Press発売日: 2008/08/22メディア: ハードカ…

駆け足で読む『Bio-Inspired Artificial Intelligence』の中身 7. 集合亭の系

7. Collective Systems 個体が複数集まることで出現する仕組み 7.1 Biological Self-Organization Bifurcation 分岐 Stigmergy →こちら 7.1.1 Aggregation 7.1.2 Clustering 7.1.3 Nest Construction 7.1.4 Foraging 餌探索 7.1.5 Division of Labor 仕事の…