第3章 三重線の履歴と弾性〜駆け足で読む『表面張力の物理学』〜
- 気相・液相・固相の接するところでは、その性質によって接触角が決まる
- 固体が一様であれば、接触角も一面に一様だが、固体は一様ではない
- 化学的に不均一(斑点)
- 物理的に不均一(でこぼこ)
- ある位置での安定な角とそのすぐ隣での安定な角に差が生じるので、安定にとどまる角は一つの値ではなく、「我慢される範囲」を取る
- 液滴体積が増えていたり減っていたりするときに、接触面は無変化な範囲が生じる
- 面積が変わらずに体積が変わるので、「接触角」は変化している
- 「我慢できなくなる角」を「臨界角」と呼ぼう。それが動き始める角
- 生物体内では、そもそも「一様な固体」である必要もないので、様々な臨界角が空間上に入り乱れることになる
- 接触角ヒステリシス contact angle hysterisis
- ヒステリシスとは「ある系(主に物理系)の状態が、現在加えられている力だけでなく、過去に加わった力に依存して変化すること。ヒステリシスとは、別な言い方をすると、『加える力を最初の状態のときと同じに戻しても、状態が完全には戻らないこと』を指す。例えば、『弾性変形の限界を超えて伸縮したために塑性変形が加わったばね』のような事例である。ヒステリシスを持つ系では、系の状態を見ることにより過去に加えられた力をある程度推定することができる。このため、ヒステリシスは『記憶』と考えることができる。実際、下記の磁力によるヒステリシスを利用した記憶装置は、テープレコーダーをはじめとして極めて多い。」
- 履歴が意味を持つと言う意味で「べき乗則」の砂山問題とも関係が生じる(こちらやこちら)