ぱらぱらめくる志村五郎先生のちくま学芸文庫

全4冊

数学をいかに使うか

  • 一番基本となる『数学をいかに使うか』は以前、パラパめくってある
  • その記事がこちら→数学をいかに使うか

数学の好きな人のために

  • Gauss-Bonnetの公式は曲率を積分することと、「閉じる」ことの関係を示し、それとオイラー標数、Betti数の話が出る。リーマン多様体
  • ユークリッド幾何学複素数四元数群論とのつながりを前面に出して記載
  • 確率と言う概念は、いわゆる数学の?本流?である数論などとは、異質度が高い概念であって、そのことを、そのつもりで学ぶことは大事
  • 整数には素数があって、「基本的な要素」で全体を分けると言う考え方の基礎を提供する。表現論にも繋がる
  • 近似の手法と級数展開。それは、あるものの(無限要素の)別表現と言う考え方の導入と繋げて学べる
  • 微分方程式。変数が張る空間、ベクトル場
  • 多様体は曲がっていて繋がっていて、微分ができて、接面が取れる。Lie群もそう
  • de Rhamnの定理・理論は多様体上の微分形式が作るベクトル空間。複体、チェーン複体とかと繋がる
  • p進体は数の体系を提示してくれて、それが研究の対象、様々な理論の適用対象になる

数学で何が重要か

  • コの字型の原理。形式論理はどうやって身につくか。身につかないなら、どう教えるか。数学がわかるために必要な「論理」
  • 数の拡張の途中にある実数。それを「きちんと」理解することは、数の概念の拡大の経緯に沿って厳密に教えるほどのものなのか・・・
  • 明快な証明と歴史的な証明
  • 答えがあることを競う、数学オリンピックの意味
  • ガロアに見られる、数学発展上の面白さと、色々なことがわかったあとでの、体系としての面白さ、どちらを優先?
  • 重要な問題・面白い問題、それを解く数学者の問題選択のセンス
  • 繰り返し。代数的整数論も、結果として整理されたことを教えることが、(時間制約の下では )重要で、数学史的経緯は、それに興味のある人がしれば良いこと
  • 代数群でも、同様の視点での話が展開される

メモ:対称群 シューア多項式 疎アルゴリズム

ぱらぱらめくる『Maps, Hypermaps and Related Topics』

Preface

  • "Regular maps and hypermaps are cellular decompositions of closed surfaces exibiting the highest possible number of symmetries."

Chapter 1 Maps and hypermaps

  • グラフの定義を扱いやすくする
    • 通常、G=(V,E)というように、グラフは頂点集合と辺集合の組であって、辺は無向または有向であって、始点と終点とのペア情報を持っている、という定義のしかたをする
  • しかしながらが、ここでは次のような指定の仕方を採用する
  • X=(D,V;I,\lambda)
  • ここで、Dはdart(矢)の集合であり
  • Vは頂点集合であって、空集合では無いものとする。また、Dとは共通要素を持たない(Dに対してdisjoint)
  • IはDをVにマッピングする関数で、Incidence functionと称する。通常のグラフの辺の考え方で言えば、Ixとは、xというdartの始点に当たるVの要素を指す
  • \lambdaは"involutory permutation of D"のことで、"dart-reversing involution"と呼ばれる。初めはなんのことか分かりにくいが、通常のグラフで言うところの無向辺を異なる2方向の有向辺に分けて考えるとしたとき、片方の有向辺をもう片方の有向辺に対応づけることが可能。どちらの有向辺もDの要素なので、この対応づけは、Dの要素間の対応づけになるが、全てのdartに相方逆向きdartがあるとすれば、その対応づけは、あるタイプの順列になるので、involutory(逆対応の)の順列、とか、dartの向きを反対にする逆対応、とかと称される
  • 反転を指し示すだけなのにわざわざ\lambdaと言うような大仰な写像・順列を持ち出すのが面倒臭く、紛れが無い場合には、\lambda x = x^{-1}と言うような書き方もする
  • 何かしら面倒臭い記法だが、この記法にそうことで、もっと複雑な構造の1次元版であることが分かりやすくなることも、この記法のメリットらしい
  • その「もっと複雑な構造」とは、CW-complexと呼ばれるものである。CW-complexとはトポロジカルスペースの記法体系のことらしい(こちらを参照)
  • 右側から集合‘Omegaに作用する群Sym_R \Omegaと左側から作用する群Sym_L \Omegaを使う
    • Sym_Rの場合は、\sigma(z,g)=z \cdot gのように書いて、zにgが持つ置換の作用が働くことを表す
    • Sym_Lの場合は左から
    • 部分集合G_z = \{g \in G | z \cdot g =z\}は集合zのstabilizerと呼ばれる。gを(右から)作用させても変わらない成分が作る部分集合だから
    • 置換をなんども繰り返してぐるぐる周りする部分集合ができることもある。そんなz \cdot gの集合をzのorbitと呼ぶ\{z \cdot g \in \Omega | g \in G\} (ここの\OmegaはGの間違いじゃ無いかなー)
    • 要するにGを作用させて、\Omegaの中に納まり続けるのがorbitの条件
    • その中で、\Omegaのある要素から別の要素へと移るorbitがGの要素のある特定の1つで決まるとき、transitiveであると言う
    • たとえば、ある点から発しているdartをその点から発している別のdartに時計回りに移すようなgは、この点から発するdartのorbitを作る。頂点の周りを回すlocal rotationのorbit
    • x\lambda x = x^{-1}に変える作用は、2つの有向dartsのペアとしての辺をつくる。これもorbitの例
    • 頂点周りのorbitにdart反転を作用させると、ぐるりを多角形を作るorbitsができる
    • 頂点周りをR、dart反転をLとすると、RLとしてこれを表す
  • 向きつけられたマップはG=(D,V;I,L)と、始頂点を同じくするdartsを順繰りに回転させる順列Rとで(G;R)として表現できる
  • RLの例
    • 正四面体の4頂点を(1,2,3,4)として、dartsを、始点・終点の2数の並びで表すことにする
    • 4頂点周りRのdartsは(12,13,14)(23,21,24)(31,32,34)(41,43,42)と表される
    • 反転のLは(12,21)(13,31)(14,41)(23,32)(24,42)(34,43)と表される
    • RLっていうのは、Lをして、Rをして、Lをして、Rをして、の繰り返し
    • たとえば、12からスタートしてみよう
      • 12にLをすると、21になる。21にRをすると、(23,21,24)というのがあるから、24になる。24にLをすると42になる。(41,43,42)というのがあるから、42にRをすると、41になる。これにLをして14、それにRをすると12。戻ってきた。
      • これを、RLの処理が終わった後のdartとして並べると、(12 24 41)というものができて、これは、3角形の3辺をある向きにぐるりと回ったサイクルになっている
      • 他も同様で、結局、(12,24,41)(21,13,32)(31,14,43)(23,34,42)という4面が現れる
    • このことが、(G;R)で向きつけられたマップがGとpermutation Rとで表される、ということを意味している

ぱらぱらめくる『エントロピーの正体』

  • この本を読むには、少しコツがいる
  • 著者が「エントロピー」という用語の物理学と情報学とでの使われ方の違いとその混乱の原因について強い熱意があり、それを強調するがために読みにくい点があるが、その言わんとすることを了解するために、その熱意を読み流すことに撤して読むのがコツ
  • 一度、エントロピーという言葉を忘れてから読み始めること。なぜなら、熱力学で使われるエントロピーという用語と、それに関する説明(と著者によれば誤った説明)と、情報学でのエントロピーという用語とその定義とを、「同じエントロピー」という単語と思ってこの本を読むと、この本の主張の理解が難しくなるから
  • シャノンの情報測度(Shannon Information Metric)
    • 確率ベクトル(p_1,p_2,....,p_n)で構成されているn個の事象の組を考える
    • 選び方がどれくらいの場合があるかの不確実性を測りたい
    • (p_1,...,p_n)の関数Hを考える
    • Hはp_iの連続関数
    • 全てのiについて(p_i=1/n)のときHは単調増加関数
    • ある選び方が2つの連続した選び方に分解される場合、元のHの値は個々のHの値の重み付き和である
    • この条件を満足する唯一の関数がH=-K\sum p_i \log{p_i}であり、シャノンの情報測度と呼ばれる
  • 熱力学で言うところのエントロピー
    • シャノンの情報測度を用いて計算することができる
    • 基本的には、いくつかの巨視的な条件下で多数の分子の状態が、どこにどれくらいあるかの不確実性がシャノンの情報測度であり、その値は、巨視的条件の変化により変わる。状態数の計算結果が増大することがエントロピーの増大

ぱらぱらめくる『Construction of C∞ Surfaces From Triangular Meshes Using Parametric Pseudo-Manifolds』

グラフのモーメント

  • こんなペイパーがある
  • グラフのモーメントと言うのを定義している
  • 各ノードに\rho(i)なる値が与えられているときにM_G^\rho = \sum_{u \in V} (\sum_{u,v \in V}dist(u,v)(\rho(u)+\rho(v)))
  • これを\rhoモーメントと呼ぶと言う
  • 他にも定義があり、別の呼び名がある
  • mean distance (平均距離) d(G) = \frac{1}{|V|^2} M^1_G。これは\rhoを全ノードで1に統一して\rhoモーメントを計算し、それを計算に要したノードペア数で割ったものである。逆に言えば\rhoモーメントと言うのは平均距離の|V|^2倍と言うことになる
  • 鎖状グラフを考え、全てのノードに\rho=1を与え、全てのエッジの長さを等しくすると、これは、ある意味、その線分を、その線分の置かれた軸を座標とした時の平均位置になる。そう言う意味合いでの、1次モーメントとなっている
  • \rho=1/2とした時、Wiener indexと呼んで、化学構造で用いるグラフの不変量とすると言う(Wiki記事)
  • ノードの次数を\sigmaとした時M^\sigma_G = D'(G)と書き、degree distanceと呼ぶと言う
  • ノードの次数情報を使うのは、ノード周りの「面積の大小」情報を使うことと近いニュアンスがある
  • さらにこのノード次数情報を使ってMTI(G) = \sum_{u \in V} \sigma(u)^2 + M^\sigma_Gと言う指標がありSchultz indexとか、Molecular topological indexと呼ぶ