ぱらぱらめくる『幾何学への新しい視点 不確定性と非可換時空』

幾何学への新しい視点―不確定性と非可換時空 (幾何学をみる)

幾何学への新しい視点―不確定性と非可換時空 (幾何学をみる)

  • 目次
    • はじめに
    • 1章 矢や永久に進めない?
    • 2章 水平線って見えるんですか?
    • 3章 曲がってもまっすぐ?
    • 4章 光にとってのまっすぐとは?
    • 5章 カラテオドリーの熱機関社会学
    • 6章 時空が非可換?
    • 7章 勉強すると叱られる?
    • 8章 個数概念は安泰か?
    • 9章 同一人物が二人居る?
    • 10章 普遍的不確定性?
    • 11章 行動群という考え
  • はじめに
    • 時空間を問題にする(普通の幾何は空間)
    • 時間を考慮することが「非可換性」とつながる?
    • Eli Cartanの接触構造とそこに現れる時間概念の合わさったものとしての時空概念と、Albert Einsteinの相対性理論的時空概念は違うのではないか
  • 1章 矢は永久に進めない?
    • 速さを足し合わせても、各瞬間で移動できる距離はゼロなので、ゼロより大きい距離にはならない、というパラドックス
    • 2つのものが同じことを確認。同値律
    • それを3つ以上に拡張する
      • 擬順序(反射律と推移律)
      • 半順序(反射率と推移律と対称律)
    • 比較作業が必要だが、その作業には時間がかかる→論理判定は時間を無視した構成になっている
    • 連続体の存在は「信じているだけ」
      • 計算機が本当の連続を扱えないのと同じように、計算機回路活動としての脳機能が連続体を扱えているわけではない
      • 人間の行為・判断という断続活動をつないでいるのは、「自然界の時間」
  • 2章 水平線って見えるんですか?
    • 座標(0,-50,50)に立ち、yの正方向を見ている。yの正方向には平坦な海(地面)が広がっていて、その海面にy=\frac{1}{4}x^2という黒い線と、y=x^2という赤い線とが引かれている。y=0という面をカンバスにして、写生すると、放物線はどう見えるか?と言う問題が出ている
# P
p <- c(0, -50, 50)

x <- 2^(seq(from=0,to=15,length=100))
x <- c(-x,0,x)
y <- x^2/4
y2 <- x^2
z <- rep(0,length(x))

# canvasは y=0
photo <- matrix(0,length(x),2)
photo2 <- photo
for(i in 1:length(x)){
	vx <- x[i]-p[1]
	vy <- y[i]-p[2]
	vy2 <- y2[i]-p[2]
	vz <- z[i]-p[3]
	t <- (-p[2])/vy
	t2 <- (-p[2])/vy2
	photo[i,1] <- p[1] + vx*t
	photo[i,2] <- p[3] + vz*t
	photo2[i,1] <- p[1] + vx*t2
	photo2[i,2] <- p[3] + vz*t2
}

plot(photo,type="l")
points(photo2,col=2,type="l")
||<[f:id:ryamada:20170721090649j:image]
--放物線は無限遠点に集まる。水平線は水平線として見える(描いていないが)。上半分は空。
--空間の極限に「限りなく近づく」と言う表現を使うと「近づく」ために「時間」が必要になる
--空間をとらえるのに時間は不要なはずなのに
-3章 曲がってもまっすぐ?
--まっすぐには定義がいる。光の進む道?ぴんと張ったひも?加速度ゼロの運動?
--まっすぐなものには長さが測れる(かもしれない)が、測ることは物理学の仕事で、そのためには時間が絡む
--そもそも単位長さの定義に光速が使われ、時間の単位長さの定義に特定波長の電磁波の振動回数が使われている。いずれも、時間なしには決まらない
--定義をするにあたり、「同じもの」と言う考えかたが必要になる
--同値関係を考えるには群
--同値関係を含む論理的思考のためには、(無限次元のように大きな次元の)群が必須らしい(行動群)
--群、その部分群、その部分だけど群ではなくて半群のこともあり、それは部分半群
--言語群:言語表現も同値性を入れられる。個人間のコミュニケーションはそれぞれの個人が持つ言語群どうしのあいまいな摺合せ。言語は時刻を変えても変わらない内容を持つと仮定されている(空間を変えても変わらないと仮定されているのでは…)
--言語群同士はかならずしも固定された対応関係(理解摺合せ関係)である必要はなく、時()間変化に応じた単純な(等速直線運動のような)変換ルールがあれば、コミュニケーション可能
--多様体上・多様体内の移動・運動
---より高次元への埋め込みで考えるか、多様体そのものの次元で考えるか
---多様体そのもので考え始めると、パラメタ表示・曲率・線素・クリスッフェル・計量・計量テンソルなどが登場する。また接面・法線方向も。高次元空間から眺めると曲がっている多様体も、多様体の上・中では、そこでのルールとしてのまっすぐがある。測地線。
--高次元空間でニュートンの運動法則が満たされているとし、多様体に束縛された運動を考える。他方で多様体上だけを考え、その多様体上での長さの測定ルールを決めておくと、そこでの最短経路は、高次元での軌道と一致する
-4章 光にとってのまっすぐとは?
--光速は真空中で最速だが有限で、真空でなくなると、そこが何によってどのように満たされるかで速度が変わる(落ちる)
--光にとってのまっすぐは、最短時間で進めるコース
--空間のリーマン計量を時空間に引き上げてローレンツ計量
-5章 カラテオドリーの熱機関社会学
--集団が「熱」を持つ
--分布、平衡
--そこにも時間がある
--接触形式
--運動は連続体内の変化
--動かすもの(正準共役)もある
-6章 時空が非可換?
--「物理学者が空間と呼んでいるものは、数学者が普通使う集合になっていないのではあるまいか?」
--非可換群を使って考えてみる
-7章 勉強すると叱られる?
--因果関係と論理関係
--因果関係には時間が絡む
--論理関係は時間を無視する
--逆元(やり直し)ができるかできないか
--現実界では本当の意味での逆元(やり直し)はない
-8章あたりから、理念的でついていけない…
-11章 行動群という考え
--行動の言語化
--半群
-まとめる
--数学、とくに集合と集合に演算を定義した抽象代数では、すべてを時間なしで記述できてしまえるが