ぱらぱらめくる『数学のまなび方』
- 作者: 彌永昌吉
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/11/10
- メディア: 文庫
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- I 数学の本は鉛筆と紙を持って読むことのおすすめ
- 「数学の本を読むときは、本をそんなに'信用'せずに、数の計算でも、式の計算でも、公式の証明でも、鉛筆と紙をもって、自分で当たってごらんになることを、第一におすすめしたかった」
- II 証明を味わうことのおすすめ
- 「数学をほんとうに勉強しようというときは、おぼえるよりも自分でそれについて考えるほうがたいせつです」
- 証明をすると途中の景色がみえますし
- III 具体的なものを抽象化して考えることのおすすめ
- 幾何を例に
- IV 抽象的なものを具体化して考えることのおすすめ
- 集合を例に
- V 理論体系を1つの一貫したものとして眺めてみることのおすすめ
- 全体を俯瞰
- VI 1歩1歩、まなんでゆくことのおすすめ
- 新しい考え方を学ぶ(教える)ときに、旧いものを「現代的に」扱うことで(部分的に)達成するという方法もある
- 地道に
- わかったものを積み重ねるのが1歩1歩
- VII, VIIIとの関係で言えば、「わかっていない」ものを積むことも可能だが、「わかっていない」ことを認識しておくことは必要
- VII 疑問をおこすことのおすすめ
- わかっていないことを認識できる嗅覚
- VIII 疑問を追究することのおすすめ
- 「前進なさい!そうすれば、信念はあなたのほうへ来るでしょう!」〜ダランベール
- 「疑問をしばらく'おあずけ'にして先へ進み、あとで考えなおすことも、ときにはよい」〜「疑問を'ほうりだし'にせず」
- IX 問題を整理することのおすすめ
- わかりたいことの情報を集めると、「輪郭」が見えてくる。そのあと「ほんとうにわかる」ために「問題を整理」して、「輪郭」をくっきりさせる。「くっきりさせる」ための方法・手順を立てる
- X 理論の構造に注目することのおすすめ
- 圏論的なこと、か
- XI 根本から考えることのおすすめ
- 「'秩序'の美しさと調和を感じ取る」〜ポアンカレ〜の「秩序」が「根本」か…
- XII 自分で考えることのおすすめ
- わかったかどうかを決めるのは自分
- 「○○って、××ってことか」
- 解説 数学者の心に触れることのおすすめ
- 解説にても述べられている、I〜XIIは、「これしかない」という章立てだ、という意見、まったく、賛成です。
- ついでに「教養とは歴史と社会の中で自分の現在位置を確認するための地図を描くことができ、それに基づいて人類社会のために何をなすべきかを知ろうと努力している状態である」〜野家啓一「科学技術時代のリベラル・アーツ」(学術の動向2008,5)〜も、表現の隅々まで力のある表現です。