方向の一般化

  • こちらで「取引」という2者間の行為を考えた。
  • 取引が大勢で行われるとき、その取引の全体を考えていくに当たり、
    • 2者間の取引の並びで考える(同時に2つ以上の取引は起こらない)ことができる(勉強会での本の例)
    • n=2,3,...者間の取引を導入する
    • 2者間の取引が(同時に起きることを許して)同時に取引が起きるときには、取引間は独立ではない(取引間の関係)を導入する
  • というやり方について言及した(こちら)
    • 今、思うと、取引間の関係の導入は、「同時に起きる」ときだけに限らないアイディアであることに気付く。マルコフ連鎖、とか。現実界の取り引きでは、「贔屓筋」とか「一見さんお断り」とか。
  • その勉強会シリーズでべき集合について考えた(こちら)
  • さて。
    • 取引というものを考えるときに、「富」の移動が問題となり、「移動」が2者間で起きるとき、それは、「始点」と「終点」をノードとする有向グラフで表されるように、「方向」というものがあった
    • n=(0,1,???),2,3,...での取引があったときに、「方向」はどうなるのだろう?
    • n=2n=3に限定して考えよう
    • ノードの個数nで考えるのは、ひとまず棚上げにして、2次元・3次元空間で考えることにする
    • 「富の総和は変わらない」など、考えを単純にしてくれる枠組みはそのまま利用しよう
    • ノードがぐるりと1周するように並んでいて1つのサイクルを作って閉じているとしよう。ここに、流れを作ることができる。どこのエッジも等量が移動し、その方向も同じである。ぐるりと閉じるのは、「富の総和を変えない」工夫である。
    • この流れが持つ「何か」が「方向」であると考える
    • すると、n=2のときの「方向」とは、1次元の閉じた空間における、移動線(一般的に曲線と考える?)が持つ属性だ
    • n=3にする。閉じた空間は球面である。球面上に円を描ける。その円に曲線を対応づけることができる。これはn=2の場合と同じだから、これはn=3の場合の「部分空間」での「曲線」であって、「方向」は「曲線」の属性である
    • さて。
    • 移動が「球面」上で、「曲線」内に限定せずに、「流」れを面として作る必要がある。
    • 3次元球が作る2次元球面では、流を作ると「不動点」が発生するなど、特性が発生してくることは、12,1,2,3月に延々とやっていたこと(回転のへそについてはこちら)。何かの役に立つと思っていたこと(当時は時系列解析のためにやっていた。今もそのために役に立つと思っている)が、別のときに役に立つのはうれしい
    • 「全体」の流れの「方向」は「全体の『流れ』」の属性なのだろう。それは「球面」のベクトルの分布ということか
    • 「連続空間」で考えていた。「離散空間」に戻る必要があるし、そもそも、2者間と、3者間とに戻さないといけない
    • 流れが「ぐるぐると回っているか」、「集中点」があるか、「不動点」があるか、「局所サイクル」があるか、「アトラクタ」のような構造があるか、などが気になるところ
    • こうして考えると、「フリーマーケットモデルで『集中点』が発生してしまうこと」は、多次元ネットワークでそのような「方向特性」を持つことであるし、「結婚・離婚分配モデルと盗人・詐欺モデルとで、『安定した分布』が発生すること」は、「方向特性」がうまく空間中を漂っていること、というような捉え方ができるのかもしれない。