p-angulation n faces平面グラフとそのグラフ距離『私のためのBrownian map構成法』

  • Uniqueness and universality of the Brownian map(資料1)
  • Random Geometry on the Sphere(資料2)
  • The Brownian map is the scaling limit of uniform random plane quadrangulations(資料3)
  • 平面グラフは、球面上の連結グラフであるので、平面グラフはorientation-preserving homeomorphisms of S2と考えられる
  • 平面グラフには双対グラフがある(多角形をノードにとり、多角形の隣接関係をエッジとしたグラフ)
  • 平面グラフには次のような制約を入れられる
    • q角形のみで出来ていて、n個のq角形で出来ているもの
    • この集合をA^q_nと書く。A set of all rooted planar q-angulations with n faces と英語で記載するとわかりやすいかもしれない
    • q=3のとき、nが奇数のときはA^{q=3}_nには要素がない
    • 集合A^q_nの要素M_n \in  A^q_n
  • M_nはグラフなので、ノードのセットがある。それをm_nと書き、そのグラフのノード間距離(すべてのエッジの長さは1)をd_{gr}と書けば、それはこのグラフを「表している」から、(m_n,d_{gr})と書くことにする。
    • グラフがG=(V,E)のように、ノード集合とエッジ集合とのペアであることと対応するが、エッジ集合の代わりにd_{gr}を用いている。
  • グラフ同士に「異同」を定量する『メトリック』がある
    • 2つの(m_n^1,d_{gr}^1),(m_n^2,d_{gr}^2)があったときに、それらが全く同一のグラフであったときに0となり、異同の程度に応じて正の値をとるような、そんなメトリックがある。Gromov-Hausdorff dissimilarityと言うのがそれである
    • このとき、(m_n,d_{gr})は、ある空間Kの点であって、この空間KにはメトリックD_{GH}が備わっている、と言い、(K,d_{GH})と書いて、そのようなメトリックを備えた空間であることを表記する
  • q-angulationでのfaces数nをどんどん増やしていくと、対応する球面は、点の粗密はあるものの、点で埋め尽くされるようになる。そのとき、どの点とどの点とが近くて、どの点とどの点とが遠いか、というのは、グラフ距離d_{gr}で測れるのは、相変わらずである。ただし、点の数がどんどん増えると、グラフ的距離はどんどん長くなる。したがって、nの値に応じて、1辺の長さを加減するのが適当である。
    • 今、(\frac{9}{q(q-1)})^{1/4} n^{-1/4}という調整係数を用いることにすると
    • (m_n, (\frac{9}{q(q-1)})^{1/4} n^{-1/4} d_{gr})というグラフ(とその遠近メトリックと)が定められるが、このnを無限大にしたときの極限が、qによらず同じであることが知られているのだという
    • この極限をブラウニアンマップと呼ぶ
    • それを(m_n,(\frac{9}{q(q-1)})^{1/4} n^{-1/4} d_gr) \rightarrow_{n \to \infty}(m_\infty,D^*)と書く
    • ここで、nが増えれば増えるほど、平均して、点間距離はn^{-1/4}に比例して長さを調整する必要がある、ということが読み取れる。単純に2次元平面なら、-1/2乗に比例させるのがよいが、グラフ距離の場合には、次元が2ではなく、もっとフラクタル的な込み入った次元なので-1/4となる(らしい)