定常状態

  • こちらで捕食・被捕食の関係を示している
  • 2集団個体数が相互に影響を与えながら増減している
  • 2集団個体数を縦・横の2軸にとって相空間表示すると、閉じた曲線が描かれる
  • 曲線はこちらこちらでも扱っているように、線上の点についてその進行方向を決めることで定まる
  • 曲線が閉じている、とは、元の点に戻ることを意味するが、その曲線の外には出られないことも意味する
  • 3次元空間に曲線を引くこともできる。3次元空間に曲面を描くこともできる
  • 3次元空間の閉じた曲面は無限空間を内側と外側に分ける
  • 曲線・曲面が閉じていることを、その曲線・曲面から出られないということとして考え直そう
  • 分岐しないこと、等高線のように「殻」状になっていることを意味する
  • 等高線に関しては、こんな話もあった
  • さて、今、n個の変数がn次元状態空間を作っているとして、それは定常状態をとっており、「定常」から抜け出せないような仕組みになっているとする
  • n次元空間にn-1次元多様体を置いてそのn-1次元多様体上を移動しているとする
  • n個の要素が相互作用を及ぼし合いながら、「一定の条件を持って『定常』に安定」していることが、このようなことであるとみなして、しかも、n-1次元多様体上で滑らかに状態推移することも条件としてやれば、n変数の微分方程式が定めるn-1次元多様体が「定常状態」の条件を定め、「初期値」を与えることによって、n-1次元多様体上の軌道が決まることになる
  • この軌道は、必ずしも、「元の状態」に戻ってこなくても、n-1次元多様体上から抜け出せないという制約が「定常」を表していることだろう
  • 初期値が異なることで、個体の表現型多様性も表せそう
  • 環境要因は、「定常状態」のルールはそのままに、「n-1次元多様体の殻」を乗り換えることに相当するか…
  • 偶然の作用も「殻の乗り換え」に相当し、しかも、それは、しばしば起きているとみなせよう
  • 異なる表現型に「固定」して見えるということは、「同じn-1次元多様体」上ながら、軌道が異なるn次元空間に納まってしまっていて、あたかも、相互移行できないような状況を想定すればよさそうだ
  • この話は表現型の多様性の話(こちら)とつながる
lotkaVolterra <- function (a, dt, x0, n) { 
               ### 1パラメータバージョン
               ### x,y,t をそれぞれ c/d,b/a,a 倍する、d/a を新たなaとする
 x <- rep(0,n)
 y <- rep(0,n)
 x[1] <- x0    # 不動点からちょっとずらす
 y[1] <- 1     # 不動点
 for (ii in 2:n) {
   x[ii] = x[ii-1] + x[ii-1]*(1-y[ii-1])*dt   # 離散化
   y[ii] = y[ii-1] + a*y[ii-1]*(x[ii-1]-1)*dt # 離散化
 }
 x11(8,4)
 matplot(cbind(x,y),type="l")   # 時系列表示
 x11(5,5)
 plot(x,y,pch=".")
}
lotkaVolterra(1,0.001,2,10000)
  • 「もとに戻る」とは、何かが保存されるという意味合いも持つ
  • 天体運動では、位置エネルギーと運動エネルギーの和が保存されていて、その軌道は、楕円・双曲線になる
  • その各座標表示についてはこちらを参照
  • Rで描けば
# r = L/(1+e cos(t-p))
L<-1 # 拡縮パラメータ
e<-0.5 # e=0は円、0<|e|<1は楕円、|e|>1 は双曲線
p<-0.3*2*pi # 軸回転成分
t<-seq(from=0,to=1,by=0.01)*2*pi
r<-L/(1+e*cos(t-p))
x<-r*cos(t)
y<-r*sin(t)
plot(x,y,cex=0.1,xlim=c(min(x,y),max(x,y)),ylim=c(min(x,y),max(x,y)))