ぱらぱらめくる『曲面と多様体』の曲面
- 作者: 川崎徹郎
- 出版社/メーカー: 朝倉書店
- 発売日: 2001/10/01
- メディア: 単行本
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- 2 曲面論を読む
- 2.1 曲面の定義
- 2.1.1 いろいろな曲面
- まず、平方格子を描くための準備
- 2.1.1 いろいろな曲面
my.kousi <- function(x=c(-5,5),y=x,p=10,q=50){ X1 <- seq(from=x[1],to=x[2],length=p) Y1 <- seq(from=y[1],to=y[2],length=p) X2 <- seq(from=x[1],to=x[2],length=q) Y2 <- seq(from=y[1],to=y[2],length=q) tmp1 <- expand.grid(X1,Y2) tmp2 <- expand.grid(X2,Y1) return(rbind(tmp1,tmp2)) } plot(my.kousi(),pch=20,cex=0.1)
my.sphere <- function(x=my.kousi()){ u <- x[,1] v <- x[,2] return(cbind(cos(u)*cos(v),cos(u)*sin(v),sin(u))) } library(rgl) plot3d(my.sphere(my.kousi(x=c(-pi,pi),p=10,q=200)))
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- 楕円面
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my.ellipsoid <- function(x=my.kousi(x=c(-pi,pi),p=10,q=200),a=1,b=2,c=3){ tmp <- my.sphere(x) return(cbind(tmp[,1]*a,tmp[,2]*b,tmp[,3]*c)) } el <- my.ellipsoid(my.kousi(x=c(-pi,pi),p=10,q=200)) plot3d(el,xlab="",ylab="",zlab="",xlim=range(el),ylim=range(el),zlim=range(el))
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- 螺旋面
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my.rasenmen <- function(x=my.kousi(),a=1){ return(cbind(x[,1]*cos(x[,2]),x[,1]*sin(x[,2]),a*x[,2])) } rm <- my.rasenmen(x=my.kousi(p=20,q=500)) plot3d(rm,xlim=range(rm),ylim=range(rm),zlim=range(rm))
- 2.2 接平面と第1基本形式
- 接平面S
- 第1基本形式
- 接ベクトルに対して、その3次元ユークリッド空間での長さの2乗を対応させる関数gを考える
- このgを第一基本形式と呼ぶ
- 曲面Sがu,vでパラメタ表示されているときgはdu,dvの関数で表すことができる
- となる
- これを読むと、曲面のu方向偏微分の伸び縮みの具合とu方向偏微分の伸び縮みの具合に、u方向とv方向が直交したままか、そうでないかによる項(を加えたものが第1基本形式であることがわかる
- したがって、第1基本形式はuv平面をどう伸縮して曲面を作るかを指定している量になっていることがわかる
- ちなみにと書く
- 球の経度・緯度パラメタ表示の場合
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- u曲線:
- v曲線:
- なので
- となり、正方格子を曲げて球面を作るとき、u方向には長さは変わらず、v方向にはに応じて縮む。角度は変わらない、ということが解る
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- 等温パラメタ
- パラメタu,vの取り方はいろいろあるが、次を満足するようなパラメタを等温パラメタと言う
- これは、正方形を(そのサイズに変更はあるかもしれないが)正方形に写す場合
- 例として懸垂面を次のようなパラメタで表したものがある
ct <- my.touoncatenoid(x=my.kousi(x=c(-pi,pi),p=50,q=500),a = 10) plot3d(ct,xlim=range(ct),ylim=range(ct),zlim=range(ct))
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- 曲面の伸び縮みと形
- 第1基本形式が同じでも異なる曲面がある
- これは、(ある平面を伸縮させて作った)素材の伸び縮み具合と、それを3次元空間に埋め込む方法とは別のことであることを示している。第1基本形式は、布を伸び縮みさせた新たな布を規定し、3次元埋め込みは、それのディスプレイの仕方を決めていることを表す
- このあと、曲面が3次元空間に置かれた状態から出発し、その法線ベクトルの変化量などを使って(ガウス写像)第2基本形式について述べる。そして、その3次元空間における曲面の曲率(平均曲率とガウス曲率)を定めるが、実際、このガウス曲率は、3次元空間においた状態ではなく、びらびらした布に関してすでに定まっている、埋め込みに依存しない位相不変量であることが示される(驚異の定理)
- このことは、「曲面」の本質は、第1基本形式〜ガウス曲率というものと、それの「見え方」としての埋め込みというものとに分離できることが解る
- 多様体的には、埋め込みのことを忘れることも多い(らしい)ので、前者が中心になるが、「形」に興味があるときは後者も大事になる
- しかし、「形」に興味がある、というときに、本当に、後者にも興味があるのかどうかは、よく考え直す必要があるだろう
- 曲面の伸び縮みと形
- ガウス写像と第2基本形式
- ガウス写像とは、点に、その点における曲面の単位法線ベクトルを対応付ける写像のこと。単位法線ベクトルへの写像なので、上への写像ということになる
- の外積を使って決められる
- 第2基本形式とは、ある点の単位法線ベクトルが、その接平面上のベクトルをとったときに、上に反っているか、下に反っているかの情報を与える
- 具体的には、単位法線ベクトルが、ある接ベクトル方向にみたときに、そのように変化しているかを考える。この単位法線ベクトルの変化ベクトルは接平面上のベクトルになる。今、接平面上のある方向で考えているときに、そのベクトルと、その方向での単位法線ベクトルとの内積を取ると、上に反っているか、下に反っているかが、内積の正負で決まる
- ある点において、全方向で第2基本形式の値が負であれば、そこは下に曲がり、正であれば、上に曲がり、正負の両方の場合があるときは、鞍のような場所であることになる
- これを[tex:\phi = -(dx, dn)=-(x_u,n_u)(du)^2 - *1dudv - (x_v,n_v)(dv)^2]と書く
- この式は次のように書き換えることができる
- これは、接ベクトルの空間変化と法線ベクトルの空間変化との内積が、接ベクトルの空間変化の空間微分(接ベクトルの空間2階微分)と法線ベクトルとの内積であることを利用した、式変形になっている
- 結局、第2基本形式は、曲面上のある点について、接平面上のあるベクトルを与えた時に(2次の近似、は曲面の座標の法線方向の変化量)を与えていることが示せる。要するに局所でのある方向の曲りの程度を与えている
- 第1基本形式がと書けたのに合わせて第2形式を書くと、となる
- ここで、に注意すれば、と書ける
- さらになので
- このことより、第2基本形式(ある方向の曲りの程度を表す式)は、座標の1階微分()と2階微分()のベクトル(それぞれ3次元ベクトル)が作る3x3行列のdeterminantを、第1基本形式を定める要素(座標で言えば1階微分、座標がなくても、局所の伸び縮み情報でもある)が決める値で除したものであることがわかる
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*1:x_u,n_v)+(x_v,n_u