四元数の微分形式と四元数のディラック作用素

  • 3次元空間に埋め込まれた2次元多様体としての滑らかな平面について考える
  • 曲面上の四元数関数
    • 曲面上の点に四元数を与えることで、次の3要素を相互に独立させて表現できる
  • 曲面上の四元数による微分形式
    • 微分0形式は、曲面上の点にスカラー値を与える関数。今は「四元数」が「数」なので、微分0形式は「スカラー」として四元数を取らせるような、四元数関数と見る
    • 微分1形式は、曲面上のベクトル場に対して、ベクトルを引数にとって、ベクトルを返す。今、「数」は四元数なので、成分が四元数であるベクトルを返してもよいのだが、四元数の虚部がベクトルであることを使えば(3次元空間にある2次元多様体の)ベクトルは、1個の四元数(というスカラーのようなもの)に対応付ける(ここに自信がないのだが、そういうことらしい)
    • 微分2形式は、曲面上のベクトルを2個とって、そのウェッジ積を返す。ただし、今は2次元多様体としての曲面上で考えているから、これがスカラーに戻ってくる
  • 曲面上の四元数による微分形式の例
    • 微分0形式
      • 曲面上の点を3次元空間に対応付けて、「新しい曲面を作る」が、この3次元空間の点の座標を四元数の虚部に対応付けることにすれば、「3次元空間に新たに曲面を定める」こと自体が、微分0形式。この写像をfとすれば、曲面埋め込み写像であるfが微分0形式
    • 微分1形式
      • 曲面の3次元空間への埋め込みを考えている。埋め込み手前の曲面のベクトル場のベクトルが、埋め込み先のベクトル場に写されるとき、これは「ベクトルを引数としてとって、ベクトル」を返すので微分1形式
      • 前の曲面上の座標系を後の曲面上の座標系に写す作業も、ある方向への整流ベクトル場Xとそれに「直交」する整流ベクトル場Yとを写しているとみなせば、座標系の割り付けdfは微分1形式
    • 微分2形式
      • 曲面上の面積素は、曲面上の接平面に交差するベクトルを取って、その外積をとり、法線方向のベクトルを作った上で、その長さを「張っている面積」とみなす
      • これと同様に、前の曲面で、そのように外積を介して計算されて結果としてスカラーになる面積素が、曲面を新たに埋め込んだ後でどのように計算されるかを与えるのが、微分2形式
  • 曲面の3次元空間埋め込みにおいて、埋め込み空間を四元数虚部表示した場合のディラック作用素(四元数ディラック作用素)
    • 定義式
      • D\psi = - \frac{df \wedge d\psi}{|df|^2}
      • fは二次元多様体四元数虚部に対応付ける関数であって、曲面を定義する写像関数である
      • また、fは、その記述の言い換えであるが、四元数微分0形式である。また、fによって下のベクトルXが新曲面上に写されたときにdf(X)になるとすれば、df微分1形式である
      • このようなときに、曲面上の四元数関数\psiの「曲面埋め込みdに伴う変化具合(微分)」を表しているのが、D\psi
      • 今、四元数関数としての\psiが、同じく四元数関数としてのfと全く同じであるとき、D\psiは大きさが0であって、「曲面埋め込みfによって変化しない
      • \psiが曲面埋め込みによって変化したとして、その変化の具合からfが表している曲面変形の影響を取り除いた分がD\phi
      • そのfによる影響の取り除き方として、曲面変化の大きさを分母にとり、分子には、曲面変化の大きさと着目四元数関数の変化の大きさの「積」とを取っている式、と読み取れる。負の符号は、面の向きなどを考慮し、いろいろなところとのつじつまが合うようにつけられたもの、と思っていてよいだろう
      • 曲面上のある点について着目したとき、D\psiの分母は、曲面作成写像fが、「そこでベクトルをどのように変化させるか」だけによって決まり、分母も、「そこでベクトルがどのように変化するか」と「着目関数\psiがそこでどのように変化するか」とで決まる。その表現式が上の定義式