何度目かの微分形式・外積代数メモ

  • ベクトル解析する。空間にベクトルの場があって、その様子を取り扱う。
  • 場の様子を取り扱うには微分する
  • 空間の広がりがあるので、微分処理も空間的に行う〜微分演算子がベクトルの形をしている〜微分ベクトル演算子(\frac{\partial}{\partial x1},\frac{\partial}{\partial x2},...)
  • ベクトル演算子はベクトル的に「掛かる〜積みたいなもの」ので、ドット積(内積)的なそれとクロス積的なそれとがあり得る
  • ドット積とクロス積とを共通の世界で扱うのに外積代数が効果を発揮する
    • ドット積(内積)は、同じ長さのベクトル(同じ世界の2つ)からスカラーを出す。これを外積代数の世界では、「片方のベクトルはそのまま」とし、「もう片方のベクトルは双対をとり」、その結果、両者のウェッジ積が取れるようになるので、ウェッジ積を出す。同じ世界の2つのものの片方はそのままに、もう片方の双対をとって、そのウェッジ積をとると、「全ての要素のウェッジ積」の世界に上がるので、これは、スカラーの双対
      • これをu\cdot v = (u^{\flat} \wedgev^{\flat})と書く
    • 他方、クロス積の方は、ウェッジ積とよく似ているので、そのままu \times v = ((u^{\flat} \wedge v^{\flat}))^{\sharp}のようにして、やる。最後に双対に戻すところとかは、まあ、そういうものだと思えばよい
  • 物理でよく出る微分作用素grad,div,curl,Laplacian
    • gradは空間にあるスカラー関数に微分ベクトル演算子を作用させたもの。出てくるのはベクトル場。外積の用語で言えば、スカラー関数を0形式と見て、それを外微分して1形式に上げたもの
    • curlは空間にあるベクトル場に微分ベクトル演算子を作用させたものだが、その作用のさせ方はクロス積的なもの。外積の用語で言えば、ベクトル場を1形式と見て、それを外微分して2形式に上げたもの。ただし、2形式の双対を取ってベクトル場と見立て直したもの
    • divは空間にあるベクトル場に微分ベクトル演算子をドット積的に作用させたもの。外積の用語で言えば、ベクトル場を1形式と見て、それの双対をとって2形式とし(微分ベクトル演算子のドット積作用ができる形に直し)、その外微分をとり、3形式に上げたもの。3形式の双対を取ればスカラーがが返る
    • それぞれ\nabla \psi =(d\psi)^{\sharp},\nabla \times X = (dX^{\flat})^{\sharp},\nabla \cdot X= dX^{\flat}と表す
    • grad,curl,divは0形式、1形式、2形式の外微分であることとなる
    • Laplacianはスカラー関数のgrad(\nabla \psi =(d\psi)^{\sharp})のそのまたdiv(\nabla \cdot X= dX^{\flat})なので、この2つを組み合わせれば、\nabla \cdot (\nabla \psi)= d((d\psi)^{\sharp})^{\flat}となり、シャープとフラットがキャンセルされて、\nabla \cdot \nabla \psi = dd\psiとなる
    • これは0形式のLaplacianの場合で、一般にk形式のLaplacian は★dd+dd+★となる。0形式のそれの場合は、第2項で、0形式の双対をとってそれを外微分した段階で、n+1形式に上がってしまって、それは「無い」ので、第2項がないために、\nabla \cdot = dd\psiと書かれている
    • その他。★d★は、「双対をとって、外微分して形式を一つ上げて、もう一度双対をとる」作業で、外微分の逆の仕事をして形式を一つ下げる作用を表している。それを\delta=d★と書き直すこともある。これをcodifferentialと呼ぶ
    • これを使うとLaplacianは\delta d + d \deltaになりますが、これは、「何か」を外微分して形式を一つ上げ、それをcodifferentialで形式を一つ下げて、もとの形式と同じ形式に戻す項と、逆に、codifferentialで形式を一つ下げ、それを外微分して形式を元と同じにする項の二つの和であることがわかります。Laplacianは場の様相・変化具合について、自身と同じ形式で評価したものであるし、その評価は上げ下げの順序の入れ替えで生じる2つの経路から得られるものの和とする、というように読めます。