ぱらぱらめくる『Geometric Algebra in Linear Algebra and Geometry』
- 種本→こちら
- 目次
- 1. イントロ
- 2. 幾何代数と行列(linear and multi-linear algebra on n-dimensional real vector space: "null space", 2^n基底のGrassmann algebra)
- 3. 幾何代数と非ユークリッド幾何(affine, projectiev and other non-euclidean geometries)
- 4. Conformal Geometry(等角写像の幾何)(Projective geometry とconformal groupとの関連, h-twistor (twistorに関する日本語記事→こちら)
- 1. イントロ
- ベクトルと行列には線形代数という強力なツールがあるが、それをより一般的な幾何における代数的取扱いに発展させたい(幾何代数)
- さらには、その代数を行列代数の演算に変換することができれば、既存の素晴らしい行列演算関数群が使えるようになり素晴らしい
- また、一般化してから行列代数を振り返ることから得られることもある
- 2. 幾何代数と行列
- n次元ベクトル空間。体K(実数体または複素数体)。基底、標準基底、それが対応する、単位行列。
- n次元ベクトル空間とその双対空間。両空間の標準基底は、単位行列の列ベクトルを基底ベクトルとする場合と、行ベクトルを基底ベクトルとする場合とに分けられる
- n次元ベクトルは、この2種類の基底に係数ベクトルを作用させることで表現できる。2つの基底に対応して、係数ベクトルは1xn行列型をしているか、nx1行列型をしているか、のどちらかになる
- 転置はこの2つの相互に双対な空間の行き来である(複素数体の場合はエルミート転置)
- 行列代数は、n次元ベクトル空間のそれと、その双対空間のそれとにそれぞれあるが、それを融合していく
- まず、グラスマン代数
- n個の基底ベクトルの代わりに、属をとって個の基底にする。守らせるべき演算規則も入れる。うまく回るのができる。それがグラスマン代数
- あるベクトル空間にあるベクトルについてとする。その結果となる。このようになので、『どのベクトルもなのでnull spaceと呼ぶ』
- グラスマン代数にも双対がとれる
- 双対をとってその直積空間を作れば次元になる
- ベクトルのgeometric product ) を考える
- グラスマン双対空間についてもgeometric productがある
- 双対をなすn次元空間基底同士のgeometric productには順序による違いがあることにも留意しておく
- この二つの相互に双対な空間の基底はノルムが0だが、組み合わせて基底を作りかえることで、直交基底(様)のものが得られる
- これを基にグラスマン代数とその双対ドッキングとをつくりなおすこともできる
- ただし、このようにして列ベクトルと行ベクトルを組み合わせて出来上がった基底って、何?ということになるのだが、そこは、この新しい基底が守っている演算を使いつつ、それを要素とする2^n x 2^n 行列というようなものが作れて、それが実際上は使いやすい基底として登場してくる
- 結局、そういう過程を経て2^n x 2^n行列の基底というものがとれる。その例としてSpinor basisというものが紹介されている
- この後、複素数行列への拡張、ケーリー・ハミルトンの定理が成り立つことなどを扱って、次章へ進む
- 3. 幾何代数と非ユークリッド幾何
- n+1次元実数空間からn次元射影空間を定義する
- n+1次元空間の亜空間がn次元射影空間の点、線、平面、超平面に対応付けられる
- ((n+1),0)の外積代数を考える
- これを進めるに当たり、2つの基本演算、meet と join とを定義する
- n+1次元空間のn+1個の基底ベクトルを基に作られる2^(n+1)個の基底からなる外積代数を考える
- この外積代数の1要素はゼロではないとすると、次のような集合が得られる。bladeという。これがいわゆる原点を通る直線を一点でみなす、などの射影空間上の点(線、面、超平面…)に相当するようになっている。それはの実定数倍はどれも同じ集合を定義するということとも言い換えられる
- これは外積代数が微分幾何で微分形式の定義に用いられることとつながっていて、結局、滑らかな多様体を扱おうとするときに、『重線型形式の楔積は自然に微分形式の楔積を定める』という話でつながっている
- というような、いわゆるn+1次元空間の点(方向ベクトル)であるなら、それに対応する定数倍の集合は原点を通る直線であって、その射影空間への像は点である
- ここでをn+1次元空間の基底の線形和ではなくて、2^{n+1}個からなる基底の線形和で考えましょう、ということ
- meet と joinとはblades間のwedge積で定義される関係だが、それぞれの線形亜空間に関する集合関係としても表せる
- ちょっとついていくのが大変になってきてはいますが…ノルムがゼロになってしまう外積代数空間に別途基底を入れることでうまいことをしたわけなのだけれど、今度は、逆に、ノルムがゼロになってしまうような外積代数空間を部分空間として足してやる、ということは、「何も足していない」ように見えて「ちゃんと足してある」ということを実現してくれるらしい。射影空間の方でアフィン空間扱い(ふつうの長さとかが使える世界の扱い)をしておいた上で、次元を付け加えた射影の元の空間の方ではその付け加え次元で個々のベクトルの長さが「0」というようなそんな取扱いができますよ〜、ということ(らしい)