外微分・「外積分〜codifferential」・シャープにフラット

  • n次元空間にスカラーf(x)がある
  • 正規直交基底を取って、n方向に偏微分すると、係数は\frac{\partial f}{\partial x_i}となり、これは、n次元のベクトルと見える。勾配gradientとも言う
  • 単位ベクトルを使えば\sum_{i=1}^n \frac{\partial f}{\partial x_i} e_iと書けて、もちろんベクトル
  • ここで、単位ベクトルe_iの代わりに、dx^iという、紛らわしいけれど、微分形式と呼ばれる世界を作る道具で置き換えて書くことにする。\sum_{i=1}^n \frac{\partial f}{\partial x_i} dx^i。置き換えただけ
  • これを、df = \sum_{i=1}^n \frac{\partial f}{\partial x_i} dx^iと表すことにする。このとき左辺のdfは、スカラー関数fの外微分と呼び、dfのdが外微分を表す記号である、と言う。
  • dが入り乱れていて、こんがらがってくる元なのだが…
  • また、\sum_{i=1}^n \frac{\partial f}{\partial x_i} e_i\sum_{i=1}^n \frac{\partial f}{\partial x_i} dx^iとの置き換えも、記号で表すことにする。
    • \nabla f = \sum_{i=1}^n \frac{\partial f}{\partial x_i} e_i
    • df = \sum_{i=1}^n \frac{\partial f}{\partial x_i} dx^i
    • \nabla f = (df)^{\sharp}
    • (\nabla f)^{\flat} = df
  • 微分df微分1形式と呼ばれるが、この微分1形式っていうのは、ベクトルを取ってスカラーを返す関数でもあって、ベクトルvをとるときは、df(v)というように書く。この値は(df)^{\sharp}とvの内積であることになっている
  • スカラー場の外微分微分1形式が出てきた
  • このスカラー場を0-形式と見れば、0-形式→1-形式が外微分
  • したがって、1-形式を外微分すると2-形式が出る…
  • この微分x形式は、外積代数でdx^i \wedge dx^j ...と表されたが、外微分は、このウェッジ積で表された外積代数の「階段を上る」作用のことと定義される
  • 微分の逆、「外積分」
  • 外積代数の世界では、双対構造があって、dx^i \wedge dx^j...の双対が取れる。その双対を取って、外微分して、双対を取り直すと、元の微分x形式が微分x-1形式に下がる。これが「外積分」。
  • 外積分」はcodifferentialと呼ばれるが、それには\deltaという記号を使う
  • そして、双対を取る操作をホッジスター(★)で外微分と「外積分〜codifferential」を結び付ければ\delta = ★d★である
  • これらの記号を使うとgrad,div,curl,laplacianが簡単に(座標抜きで)表現できる
  • \nabla \phi = (d\phi)^{\sharp}
    • スカラー場関数\phi偏微分によって、勾配ベクトルが得られる。右辺は、0形式(ただのスカラー関数)の外微分として微分1形式のd\phiが得られるが、それを、ベクトルにするべく、\sharpを作用させた
  • \nabla \cdot X = (dX)^{\flat}=\delta X^{\flat}
    • ベクトル場X偏微分\nablaを作用させるとき、X\nablaもベクトル(のようなもの)なので、3次元空間ならドット積とクロス積があるが、そのドット積。各基底方向への偏微分量の二乗を全方向について足し合わせている。「流量〜スカラー」が得られる。右辺は、ベクトルを微分形式にするために\flat処理し、「外積分」している。ぐるり全体についての積分
  • \nabla \times X = ( d X^{\flat})^{\sharp}
    • ベクトル場に偏微分を作用するにあたってのクロス積。ベクトル場を微分1形式にするべく\flat処理し、それを外微分し、その双対をとって、微分形式をベクトル空間に戻すべく\sharp処理している。結局は、「ベクトル場の外微分」〜ベクトル場の変化の仕方をみている。ドット積が「ベクトル場の外『積分』」だったのと、反対方向の評価になるだろうか
  • \nabla^2 \phi = \delta d=dd
    • スカラー場の二階微分(\nabla^2)。右辺は、\nablaをかけると1形式になり、それに\nablaのドット積を作用させている。\nabla \phiの1形式はd\phiなので\nabla \cdot (d\phi)=dd\phiである
  • k-formの場合\nabla^2 \ph\i= (\delta d + d \delta)\phi = (★dd + dd★)\phi