ソボレフ空間の定義〜ぱらぱらめくる『ソボレフ空間の基礎と応用』

  • ソボレフ空間とは『導関数ルベーグ積分の意味で考えて、普通の意味で微分可能な関数よりも広い範囲の関数を解析学の世界で正当に扱えるようにしたもの』
  • 超関数
    • \mathcal{R}^Nの部分開空間\Omegaに対して、\mathfrak{D}(\Omega)は台が\Omegaのコンパクトな部分集合となっているような\Omega上の無限回微分可能な家運数の全体の集合を表す。関数\phiの台は\{x \in \Omega | \phi(x) \ne 0\}の閉包。\mathfrak{D}(\Omega)の元をテスト関数という→Schwarzの超関数
    • T_u(\phi) := \int_{\Omega} u(x)\phi(x) dxを考えて、\phi \mapsto T_u(\phi)なる対応は\mathfrak{D}(\Omega)上の線形汎関数となる。…線形汎関数は、つい先日やった「ベクトル空間と双対空間、双線形関数、Coalgebra」で出てきたやつ。関数をベクトル空間の点とみなそうという話。こちらで出てきた線形汎関数が「ベクトル空間の点」なのか、もっと一般的な空間の点なのか、はわからないけれど、「関数」も「写像」も「点」もごちゃまぜに「テンソルたち」という取扱いがあったことと、ソボレフ空間が「関数」の空間であって、線形汎関数が登場することはかなり近い関係らしい
    • 超関数
      • 関数ならなんでもよいわけではなく、ある性質を持たせる
      • 関数の列(関数列)を考えて、その関数列\phi_1,...,\phi_nについて、すべての階の偏導関数が0に一様収束する。そのときは、T(\phi_n)が一様収束することから、上のようなやりとりに意味が出てくる
      • 超関数は、もう普通の意味での関数ではなくて、積分の性質などで関数っぽさをもつもののことだが、これに微分も定義してやると、普通の関数と併せて、お互いに微分しあったり積分しあったりというのが便利になって、「微分積分的世界」における対象の一貫性・取扱い性という意味で、よい世界ができてくる。そんなものが超関数だし、それに見合った関数・超関数が配された空間を考えるのもよいね(たぶんそれがソボレフ空間 )、ということらしい
  • ソボレフ空間の定義
    • 関数の定義を広げたが、微分の定義が元のままだと微分できないものがたくさんあって、「微分積分によって空間の上で取扱いたい」という気持ちが実現しない
    • そのために、微分の定義を緩くして、うまく回るようにするために弱導関数とか超関数の意味での導関数とかを定義する
    • そんな風に定義してくると、そんなソボレフ空間がバナッハ空間の性質を持っていることになる
    • バナッハ空間は「完備ノルム空間」。ノルムとして定義した「距離」に関する距離空間→ここでまた、「距離」とかが出てきて、いかにも「積分するのがよし」みたいな世界が展開している
  • バナッハ空間としてのソボレフ空間
    • バナッハ空間として関数解析的にソボレフ空間を取り扱うとき、その共役空間についても考えましょう…と
    • この共役空間というのは「有界線形汎関数全体のなすバナッハ空間」なのだそう
    • この共役空間は、X \to X^* \to X^{**}というように、行ったり来たりができる反射的なもので、これも解析的取扱いには便利、と
  • ソボレフ空間導入の意義
    • 不真面目な「ぱらぱら読者」がほしいのはここ
    • 微分作用素の定義域に自然に現れて、関数解析の部隊が整う」
    • 「方程式の解の存在を議論する場として適切である」
    • 「ソボレフの埋蔵定理によってソボレフ空間同市の関係が明らかになり、特に非線形方程式の取り扱いがソボレフ空間内部で可能になる」
    • 「低階の微分は高階の微分に比べて無視できるほど小さいことが確立され、摂動論が有効に使えるようになる」