ペンローズタイリングから非可換幾何へ

  • こちらの記事ペンローズタイリングを0,1の列で表現すること、個々のペンローズタイリングには、たくさんの0,1列が対応するので、ペンローズタイリングのすべてを納めた空間は、0,1の列全体の空間を、「同一のタイリングに対応する0,1列を同一視」した空間とみることができることについて、自分なりに書いた
  • ただし、0,1の列ではあるが、まったく自由ではなく、0の次は必ず1という制約が入ることは、ペンローズタイリングのピースの関係から要請されている
  • A. Connesの非可換幾何学入門

による、ペンローズタイリングを C*代数に持ち込む部分を読んで、なんとか、何を言っているのかを理解したい

  • C*代数では複素行列がその良い例になっている(*演算は共役複素数とかそういう計算を抽象化したもの、みたいな意味で)
  • また、「作用素」として考えるとき、無限次元行列を考えるが、この無限次元が、ペンローズタイリングの0,1列の無限長と相性がよいのだろう
  • また、\begin{pmatrix}1,1\\1,0\end{pmatrix}という行列が登場する
  • \begin{pmatrix}1,1\\1,0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} A_n \\ B_n \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} A_n + B_n \\ A_n \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} A_{n+1} \\ B_{n+1} \end{pmatrix}という式を見よう
  • これは、ペンローズタイリングで、タイルのピースをだんだん大きくするべく、辺を除去する作業でのピースの関係によく似ている。A_nB_nとを合併して新たなA_{n+1}とし、残るA_nは、B_{n+1}に見直す、というのは、まさに、Kite and Dartのタイリングの逐次処理と同じである
  • この2x2行列の固有値の1つは\frac{1+\sqrt{5}}{2}。。。黄金数である。
  • これが、同書の説明で、(いきなり)黄金数が出てくる理由らしい
> m
     [,1] [,2]
[1,]    1    1
[2,]    1    0
> eigen(m)
eigen() decomposition
$values
[1]  1.618034 -0.618034

$vectors
           [,1]       [,2]
[1,] -0.8506508  0.5257311
[2,] -0.5257311 -0.8506508

> (1+sqrt(5))/2
[1] 1.618034