接続ホップ代数 Incidence Hopf algebras
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- ディリクレ級数
- メビウスの反転公式
- ディリクレ畳み込みとメビウス関係・ゼータ関数の関係
- ポセット
- 余代数 coalgebraと接続代数
- Reduced incidence algebra
- 接続代数でのゼータ関数・メビウス関数
- リーマンのゼータ関数の時のメビウス関数と、接続代数のメビウス関数
ディリクレ級数
メビウスの反転公式
- 自然数nを引数とする複素関数g(n)があるとする
- 今、自然数nを引数とする複素関数f(n)を
とする。ただし、
は「nがdで割り切れる」ことを意味する
- このときメビウス関数
を使って
となる
- ここで注意しておきたいことは、
であること
- 以下の2式は、Dirichlet畳み込みと呼ばれる
- なぜDirichlet畳み込みと呼ばれるかと言うと、
と言うnを引数とする関数のディリクレ級数が、
のディリクレ級数と
のディリクレ級数の積になり、また
と言うもう一つのnを引数とする関数のディリクレ級数が
のディリクレ級数と
のディリクレ級数との積になるため
- ちなみに、ディリクレ級数の式の作りが
と関数本体[(tex:f(n)]など)の積になっているため、掛け合わせてnになる
の組み合わせに関する足し合わせ(
)が、ちょうどそのような対応関係を(nが1,2,...と無限に続く限り/全ての場合を尽くす限り)満足させるからである
- ここにも書いていたが、メビウス関数の書き方が悪かった…
- Rでやっておく
ポセット
- 自然数にポセット構造を入れようとすると、単純に、自然数の大小関係により
と言うものが思い浮かぶ
- しかしながら、違う構造も入れられる。nがdで割り切れるとき、nはd以上である、と言うルールもポセットを作る。
は割り切れる、と言う演算を表すものとする(この辺りから、素数、公約数の匂いがしてくる…)
- ポセットでは、「インターバル」と言うものが対象になるが、グラフっぽくイメージしたい時には、自然数に自然に入る大小ポセット
を考えよう。この時、1はインターバル、2もインターバル、[1,2]もインターバル、[4,5,6]もインターバル
- 割り切れるかどうかで自然数にポセットを作れば、[1,2,4,8]はインターバル、[1,2,6]も[1,3,6]もインターバル
- 連続なポセット構造で言うなら、分岐のある道があって、どの道も一方通行である時に、ある点から別の点に行き着けるとき、その歩き方のそれぞれがインターバル
余代数 coalgebraと接続代数
- ポセットが持つ、インターバル全体の集合が作るベクトル空間はに余代数が入ると言う
- 余代数は代数の逆さまみたいな作りのもののことだが、それについてはこちらに別途、メモをした
- ポセットの余代数における、余積は
だと言う
- そして、そこにおける余積演算をしても変えない元であるcounitは
- 余代数は要素の余積(一つの要素をとって、それが指定する複数の要素の演算結果を返す)があるが、それに対応する代数とその代数の積(複数の要素の演算結果が一つの要素を返す)とに対応づくと言う特徴がある
- この代数と余代数をつなぐのが、畳み込み演算
- ちょっとこの辺りから怪しいのだが…
- 余積の書式は畳み込み演算に見える
- その際の畳み込みは、行列の積になる
- 単なる自然数の大小関係ポセットの場合には、自然数列x自然数列の行列を作れば、値の入り方は三角行列的になる
Reduced incidence algebra
- 接続代数に少し制約を入れる
と
とがisomorphicな時に
であるような場合に限るという制約
- こうすると
と
とに同じ値を与える関数を考えることができるようになって、全てのインターバルに対する値を、0起源の値とすることができて、自然数の数列として扱えるようになる