ポセットのメビウス関数とオイラー標数

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  • かいつまむと
  • ポセットのチェイン(順序がたどれるパス)を単体とみなす(たとえば、x1,x2,x3がチェインなら、x1,x2,x3の軸上の点(1,0,0),(0,1,0),(0,0,1)を結んだ三角形がこのチェインの表す単体
  • ポセット全体は構成ノード数の次元の空間に置かれた単体的複体となる
  • この単体的複体は山あり谷あり
  • ポセットの各チェインに対して1を返す関数を、数論的関数(整数に対して複素数を返す関数)とすると、その数論的関数を係数とするディリクレ級数的母関数は、ゼータ関数に相当する(普通の自然数に対して、必ず1を返すような数論的関数に対応する、ディリクレ級数的母関数がリーマンのゼータ関数である)
  • ゼータ関数と、ディリクレ級数的畳み込みにおいて、逆関数になっているのがメビウス関数(メビウス関数も数論的関数。今はポセットを考えているから、各チェインに対して値を与える関数になっている)
  • メビウス関数を、ポセットのような、集合のinclusion-exclusion関係に対して考えるとき、+1,-1の交代が現れる
  • 今、ポセットの一番下と一番上を閉じてやると、メビウス関数\mu = \zeta^{-1}(\zeta-1)^kの項に分解した表現ができて、その各項に係数がつく
  • この係数がオイラー標数(点の数、辺の数、面の数、四面体の数…、という構成単体の規模別の数)の±1倍となっており、メビウス関数自体が、オイラー標数の式に一致することが示せるという