隣接代数

  • こちらで代数的確率論・量子確率論のことを書いた
  • その中に出てくる隣接代数というものを整理する
  • 隣接行列とは、いわゆるグラフG=(V,E)|V| \times |V|行列のことで、エッジで結ばれたノードに対応する要素が1でそれ以外が0であるような行列のこと
  • グラフは有限かも無限かもしれないないけれど、「局所有限」であることを仮定することもできる(こともある)
  • 局所有限とは、全てのノードの次数が有限であることである
  • そうすると、隣接行列のm乗A^mを考えたとき、(A^m)_{xy} = \sum_{x_1,...,x_m-1 \in V} A_{x_1x_1}A_{xx2}...A_{x_{m-1}y}の和の中に現れる項のうち有限個のものだけが非0であるので、A^mの(x,y)成分が定義できる、という意味で、局所有限なら無限グラフでも隣接行列Aの生成するA^0,A,A^2,...は隣接代数を構成することが示せる
  • さらに、A^mを用いた複素係数多項式全体も通常の行列演算で可換な*^代数になる
  • これがグラフGの隣接代数
  • *-代数には対合の存在が必要だがそれは
    • (\sum_{i=0}^m c_i A^i )^* = \sum_{i=0}^m \bar{c_i} A^iで与えられる