8 群の調和解析 ぱらぱらめくる『Engineering applications of noncommutative harmonic analysis』

  • ここから本番
  • 非可換群のフーリエ解析
    • 有限群のそれ
    • コンパクト リー群のそれ
    • コンパクトでない非可換unimodular群のそれ
  • とにかく、1次元実軸での畳み込みとフーリエ変換が群の上に定義できることが示された
  • 結論から言うと次のようになる
    • まず、1次元実数関数の畳み込みを思い出そう
    • (f_1 * f_2)(x) = \int_{-\infty}^{\infty} f_1(\xi) f_2(x-\xi) d \xi
    • ここで、x-\xiというのは、x,\xiが含まれる世界での「ずれ」を「引き算」で表したものだが、群論では引き算も「乗算」として表したいので、g_1=g(x) = \begin{pmatrix} 1 x \\ 0 1 \end{pmatrix},g_2=g(\xi)=\begin{pmatrix}1 \xi \\ 0 1 \end{pmatrix}のように考えることで、g(-x) = g^{-1}(x)としてしまう
    • これにより
    • [(f_1 * f_2)(g_1) = \int_{G} f_1(g_2) f_2(g_2^{-1} \circ g_1) d \mu(g_2)とする。ただし、ここではd \mu(g_2) = d g_2
    • さて、結論は以下の式になる
      • (f_1 * f_2) (g) = \int_G f_1(h) f_2(h^{-1} \circ g) d(h);g,h \in G
        • ただし、群Gとその要素g,hには群上の関数f_1,f_2に関して制約があって、\mu(f_i(h \circ g)) = \mu(f_i(g \circ h)) = \mu (f_i(g)); \forall h \in Gを満たすこと。またf_iは群G全体の積分に関する発散制約があることは、実数直線上の関数の場合と同じ
  • こう書いてくると、このようにしかできないくらい、素直な一般化に見える
  • 一方、フーリエ変換は、というと
  • F(f) = \hat{f}(p) = \int_{-\infty}^{\infty} f(x) e^{-ipx} dxと書けた
  • ここでe^{-ipx}が回転を表す複素数であることを思い出せば、e^{-ipx}とは、pで定められた『回転』
  • それが、群上のフーリエ変換では、ユニタリ行列U(\cdot , p)のように、pで任意の要素に定米良られる行列とみなす。そしてこの行列が「関数」であるとみなすことで、以下のように書ける
  • F(f) = \hat{f}(p) = \int_G f(g) U(g^{-1},p) d(g)
    • ここで、畳み込みとの式との対応を考えてみよう。U(\cdot , p)は関数であるから、pgghとすれば
    • 畳み込みの式が(f_1 * f_2) (g) = \int_G f_1(h) f_2(h^{-1} \circ g) d(h);g,h \in G
    • フーリエ変換の式がF(h) = \hat{f}(g) = \int_G f(h) U(h^{-1},g) d(h);g,h \in Gとなる