Coalgebraへの道

  • こちらのpolynomial coalgebraというのがちょっとわかりたい
    • というのも論理とcoalgebraに関するこちらに興味があるから
  • ちょっとわかりたいのだが、日本にいて、ヒマラヤの7000mの山(8000m級ではなくて)に「ちょっと登りたい」という感じで、どうしたものか途方に暮れる
  • まあ、天気もよいので一つずつ。
  • CoalgebraはAlgebraにcoをつける、ということなので(こちら)、まずAlgebraがわからないと。
  • Algebraは代数だけれど、いわゆる抽象代数で、「集合があって演算があって、うまいことつじつまが合うもの」のこと、という大雑把な「気分」で考えているだけでも役に立つことは多いのだが、今回はそれでは、グーグルマップ上でヒマラヤにカーソルを合わせているようなものになるので、うまくない
  • ということで代数。
  • こちらで、k-algebraは
    • 「Aを環で、…ベクトル空間であるものとする。さらに積 ※!$”& が双線形写像ならば」、「Aをk-algebraと言う」と書いてある
      • 環、ベクトル空間、積、双線形写像、と困った単語が目白押し。『※!$”&』の部分は一階層上なので、ひとまず気にしないことにする内容(単語がわかればたぶんおのずとわかる代物のはず)
      • 環:ぼんやり考えていてもたぶん、ほかの単語調べてはっきりする
      • ベクトル空間:大事だけれど、特異性が低いので、もっと特異性の高いものから
      • 積:これが曲者っぽいが、一般的な単語なので、これから取り掛かるのは、不得策
      • 双線形写像:いかにも切り込むのに向いている
  • ということで、次は双線形写像
  • 双線形写像で検索すると引っかかってくるこちら(双線形関数)を読む
  • 双線形性ということ
    • 「線形関数の持っていた線形性という性質を,二変数の関数にまで拡張した 双線形性」とのことなので、「線形関数が持つ線形性」を確認しよう
  • その説明には、「ベクトル空間」とその「双対空間」とが出てきて「線形汎関数」が出てくる
  • 「双対空間」
    • ベクトル空間と、線形写像がベクトル空間上の点としてとらえられること(「線形写像の(ための)ベクトル空間」)
      • 空間の点をベクトルで表すことがある
      • ベクトル空間では、いわゆるベクトルの足し算と整数倍ができる
      • 「線形写像」というのは、あるベクトル空間を別のベクトル空間にマッピングするもののこと
      • 「線形写像」も線形(足し算とスカラー倍)な処理をすることができるので、個々の「線形写像」を点とみなすことができる。「線形写像」たちがベクトル空間に配置していることになる
    • 線形汎関数というもの
      • 「線形写像」はベクトル空間からベクトル空間への写像だけれど、特に、移される方のベクトル空間を1次元に限定することにする
      • このとき「線形写像」はベクトルをスカラーマッピングする
      • このような線形写像を「線形汎関数 linear functional」と呼ぶ
    • 双対空間
      • ベクトル空間にとっての双対空間とは、「線形汎関数」を点として持つベクトル空間のこと
    • どういうことか
      • (ベクトル空間上の)点がある。点に関する線形操作がある。この操作もベクトル空間上の点である。
      • この関係を「数学的に書く」と『ベクトル空間の双対空間を定義して、その双対空間の双対空間の定義をすると、元のベクトル空間に戻る』ということが容易に確かめられる(そういう定義が書けていることが双対ということ…)
      • T \in V^* : x \in V \to T(x) \in R
      • x \in V : T \in V^* \to T(x) \in R
      • xがベクトル空間の点で、TがRへの線形写像である、というように、「点」か「写像」か、ということを気にしながらこの数学的記載を読んでもよいけれど、「点」「写像」の「意味」を忘れても、読むことはできる。そしてそのとき「点」「写像」は入れ替わった関係になっているし、そういう意味では立場の入れ替え作業が可能であるから「点」か「写像」か、というのは本質ではないことがわかる。
      • とそんな話
  • 双線形に戻る
    • 線形写像とその双対空間とのかかわりがわかった。スカラーへの線形汎関数でベクトル空間とその双対空間が定義されていた
    • ここでスカラーではなくて2次元ベクトル空間への写像に話を拡張する。二変数の線形汎関数ということ。
    • 双線形関数というのは二変数に関して定義された二変数関数線形性を満足する関数のこと
      • 二変数なのでV^* \times V^*
    • この双線形関数もベクトル空間を形成する
      • V = L_1(V^*):ベクトル空間 V の元は,その双対空間 V^{*} の元から見ると線形汎関数になっていた、その関係のこと
      • V \otimes V = L_2(V^*):V^* \times V^*の元に対して、双線形関数全体が作るベクトル空間のことで、それはVのテンソル
  • ここまで来て、algebra -> coalgebra として説明せんとしているこちらでも、「テンソル積と線形写像のみで」k-algebraを書き表したい、と言っていたことにつながってきて良い感じ
  • 双線形写像を語るにはテンソル積が出てくる
  • テンソル積が出てくるということは、「要素の積」が問題になるということ。
  • ここでこちらの質問コーナーで『体K上のベクトル空間Rに、何らかの積を定義して、Rが環になるときに、RをK上の代数と言うと思いますが』とありますが、この一節は、今やっているk-algebraに関するわかりやすい表現です。それに対する回答に「多元環」というのが出てきて、今、一変数から二変数に拡張しようとしているので、それが「多元」につながる模様…→体上の多元環も参照
  • 「体」なので「和」のほかに「積」も大事。で、その「積」を気にしつつ「双線形性」を考えると「双対空間」「双線形関数」が問題になって、それが「うまくいく」のは「テンソル積」で、「うまくいく」っていうのはA \times A \to Aということなので、それを使うと「可換図式」で表現するとわかりやすいが、そのようにし、かつ、今「双対空間あり」で考えているから「ひっくり返した可換図式」も成り立つよね、というような説明になっていることがわかる。このひっくり返す(矢印の向きを反対にする)ことを"co"と言って、coalgebraってこういうもの、という説明になっている