CRT上の酔歩ラベル付けとそれが表すメトリック〜ブラウニアンマップ『私のためのBrownian map構成法』

  • ブラウニアンラベルでは、T_e上に値を貼り付ける
  • ブラウン散歩eでの時刻0での点に対応するT_eの点\rhoでは、このラベルは0 (Z_\rho = 0
  • そして、ラベル値Zは酔歩でランダムに決めるが、「どれくらい離れているときに、どれくらい遠くまで歩いているか」という意味合いで酔歩を決めるときE[(Z_a-Z_b)^2] = d_e(a,b)と書く。これは、T_e上の2点a,bについて、その間の「木的な距離d_e(a,b)」を酔歩する時間とみなしたときに、到達する座標変化がZ_a-Z_bの値になるように酔歩してZを決めよ、と言う意味である
  • 具体的には、木T_eの節ごとに酔歩を定めて、それを分岐部でつなぐことで、\rhoの座標を0としたときの各所の座標Zを定める、というもの
  • さて。T_eとその上の値ラベルZが与えられた
  • 2点a,b \in T_e間に、以下のような「擬距離」を定める
  • 定めるにあたって2ステップを踏む
  • 第1ステップ
    • D^\circ (a,b) = Z_a + Z_b - 2 max(min_{c \in [a,b]} Z_c, min_{c \in [b,a]} Z_c)
      • 木をaからbへ周回するか、bからaへ周回することにするとして、その周回にあたっては、わざわざ遠回りせずに、行き先に近い方の木のサイドから出発し、到着したらそれでOK、ということにする
      • そのようにするとしたうえで、周回中に出会う、最小のZ値のうち、大きめの方を採用して、そこを基準水位として、2点のZ値から基準水位まで降りた高さの和を、2点間のD^\circ(a,b)とする、というもの
      • Z_a=Z_bであって、その周回路にZ_a=Z_bより小さい値がなければD^\circ (a,b)=0である、ということであり、そのような関係の2点は「同一視」する、ということ
  • 第2ステップ
    • 上記のように定めたD^\circ(a,b)を用いて、「本当の2点間の擬距離D^*(a,b)を次のように定める
    • 定義式には複数の書き方がある
      • 一つ目は木上の点ではなく、それに対応するブラウン散歩の時刻を使って与えるものである(複数の時刻が同一の木上の点に対応することに注意)
        • D^*(s,t) = \inf \{\sum_{i=1}^k D^\circ (s_i,t_i); k \ge 1, s=s1,t=t_k,d_e(t_i,s_{i+1})\}
        • 木上の点 a,bについて、対応するブラウン散歩時刻を適当に取り(複数とれるとしても、同じaに対応する2時刻s1,s2についてはd_e(s1,s2)=0なる関係にあるので、上の式条件で「バイパスして距離を通算できる」ので問題ない
      • D^*(a,b) _{a,b\in T_e} = \inf\{ \sum_{i=1}^{k-1} D^\circ (a_i,a_{i+1}) , k\ge 1, a=a_1,a_2,....,a_k=b\}
        • ここでは、木上の始点と終点とは固定されているが、その途中で何個の点を介してもよく(kの値は何でもよい)、その上で、ひたすら、下限をもたらす木上の点列を探索せよ、と言っている
    • 後掲のRmdの中では、「バイパスしてよい2点間」の距離を0にした上で、通ってよい点すべてをノードとする完全グラフの、グラフ上最短経路を計算することで、D^*を計算している