ぱらぱらめくる『折紙の幾何的な制約を考慮した形状設計に関する研究
- 球と同相の形とその変形とを離散グラフ化に興味がある
- その側面から、折紙研究の動向を確認してみる
- 折り重ねることは「面積を小さくすること」。その逆ができないのが折り紙。表面積一定での変形は、「表面積を小さくしながらも相似形を作る」ことを優先してモデル化するか、折り紙とその記載言語仕様をベースに「表面積が大きくなる」というルールを言語仕様に入れて拡張するか、という2つのやり方がありそうだ
- 余りの吸収・面積の追加は、細胞で言えばリン脂質成分の飲みこみと吐き出し
- 目次
- 第1章 序論
- 第2章 関連研究
- 第3章 折り畳み形状提示による折り紙作品発見の支援
- 第4章 スリットを含む平板素材の曲げ形状設計
- 第5章 ユニット折り紙の組み合わせ構造の設計
- 第6章 結論と展望
- 細目次
- 第1章 序論
- 1.1 はじめに
- 1.2 現代の折り紙
- 1.3 本研究の目的
- 1.4 本論文の構成
- 第2章 関連研究
- 2.1 平坦折り可能性
- 2.1.1 局所平坦条件
- 逆に言うと平坦でなく折るには、平坦条件から逸脱させる必要があることがわかる
- 平坦折りであることが確かな場合、展開図のエッジの山・谷を割り付ける線形アルゴリズムが存在する
- 2.1.2 折り畳まれた状態の存在判定
- 山・谷情報つき展開図が平坦に折り畳めるかどうかの判定はNP困難:折り順に関する総当たり探索が必要になるから
- 2.1.3 Map Folding とStamp Folding
- 2次元格子・1次元格子を折るという限定した問題
- 2.1.1 局所平坦条件
- 2.2 折り紙設計
- 2.3 ユニット折り紙
- 単位部品(ユニット・モジュール)を複数個組み合わせて作る
- 2.3.1 多面体の設計
- 2.1 平坦折り可能性
- 第3章 折り畳み形状提示による折り紙作品発見の支援
- 3.1 既存の設計手法の問題点
- 完成系と展開図は1対1対応ではない…形と曲率フロー球面場は1対1対応だがそこには曲率フロー・共形変換という「折り方」という制約が入れてあるから
- 3.2 折り畳み形状の列挙
- 折り順という順列がNP問題化しているとはいえ、離散的な処理なので列挙は可能
- 曲率フローについても離散化しているから、「手続き化する」ことも可能か?
- 現在は、線形代数による『近似解』を全頂点について一括して求めている
- 3.2.1 折り畳み形状の生成と重複判定
- 3.2.2 折り畳み形状の列挙結果
- 3.3 ユーザ入力に似た作品の検索システム
- 3.3.1 検索システムのインターフェース
- 3.3.2 形状の類似度検索
- HuMoment:ベクトルベースの形の特徴指標:拡大縮小・並行移動・回転に対して不変という性質を持つ
- OpenCV cvMatchSpahes関数にも使われている
- 3.3.3 検索システムの実行結果
- 3.4 ランダムな折り畳み形状提示
- 3.4.1 システムの概要
- 3.4.2 ランダムな形状生成
- 3.4.3 折りの位置
- 3.4.4 折る方向と折り畳み可能な枚数
- 3.4.5 左右対称な折り畳み形状生成
- 3.4.6 インターフェース
- 3.4.7 システムの実行結果と発見した作品例
- 3.1 既存の設計手法の問題点
- 第4章 スリットを含む平板素材の曲げ形状設計
- 自由度の高い立体形状が作れるようになる…それはスリットの向かい合う点同士の距離が可変になるから
- 自由度ということで考えると、三角メッシュの変形とは、折りの「展開図」は与えられているが、エッジの長さが可変で、エッジの作る角度も可変(0-360度の範囲で?)、三角形の面積も(結果として)可変、という、自由度が高度に高い折り紙、ということか
- 4.1 対象とする素材の形状
- 4.2 最適化による形状の修正
- 4.3 結果と考察
- 4.3.1 測定点群への近似
- 4.3.2 実制作
- 4.5 考察
- 第5章 ユニット折り紙の組み合わせ構造の設計
- 多面体の連結による比較的自由な立体形状の構成法
- ユニットとなる部品同士の連結ルールがある
- この連結ルールは多様体で言うところの「接続」に相当する(だろう)
- 5.1 対話的なデルタ多面体の設計システム
- 5.1.1 多面体の連結
- 5.1.2 引き伸ばし
- 5.1.3 錐形部位の凹凸を反転する
- 5.1.4 面の細分割
- 5.1.5 結果と考察
- 5.2 デルタ多面体のグラフと形状に関する調査
- 正三角形のみで構成された凸多面体
- これにはかなりがっちりとした理論が作られている
- グラフがデルタ多面体グラフに該当するかそうでないかの判定アルゴリズムなどがある
- 平面グラフの埋め込み
- 5.2.1 デルタ多面体のグラフ
- 5.2.1 グラフからの立体構築手法
- 5.2.3 結果
- 5.2.4 デルタ多面体として構築できないグラフ群の発見
- 5.2.5 考察
- 第6章 結論と展望
- 6.1 結論
- 6.1.1 折り畳み形状提示による作品発見
- 6.1.2 スリットを含む平板素材の曲げ形状設計
- 6.1.3 ユニット折り紙の組み合わせ構造設計
- 6.2 展望
- 6.1 結論
- 目次からは次のように読めば良さそうなことがわかる
- 特に第1、第2によって「折紙界」の様子を知り
- その他としては、立体の形と折紙パターンとの関連付け、そこで使われる離散的ハンドリング技術に集中して読むのがよさそうに思える