双対空間とテンソル

  • ベクトル空間からベクトル空間への線形写像を考えたら、線形写像そのものがベクトル空間に置かれたものであることがわかり、双対空間と呼ばれた
  • 線形写像が1次元ベクトル空間への写像であったとき線形汎関数うんぬんとなったが、二次元ベクトル空間への写像としたらテンソルが登場した
  • 一方、テンソルは、スカラー、ベクトル、そのn階一般化として、「ベクトル空間上の点としてのベクトル(の一般化)」とみることもできるけれど、テンソルは「ベクトル空間上の点としてのベクトル」を入力としてとり、出力として「ベクトル空間上の点としてのベクトル(だったりテンソルだったり)」を返す、写像として定義されることもある
  • ここで、「テンソル」が「テンソルを用いた写像」にも用いられ、かつ、その写像の元と先のベクトル空間の「点」でもある、ということを言っている
  • このようにベクトル空間上の「もの〜テンソル」は「テンソル(出力)=テンソル(写像)・テンソル(入力)」という形をとっている。これが点と写像はどちらも見方によってベクトル空間上の点であって、点なのか写像なのかを区別する必要もなくなっている
  • 逆に言うと、ベクトル空間での積の演算が回っているということは、この関係式が満足されることであって、テンソルの定義は、この計算関係が成り立つようにベクトルを一般化したもの、となっているから、この関係を満足することは当然
  • また、テンソルの積演算についてはこのような制約があるが、加算とスカラー倍が「きちん」としているのは、線形性があることとしてベクトル空間の定義であるから、テンソルはそれも満足していることになる
  • 結局、加算・スカラー倍を満足するベクトル空間、ベクトル空間上の「もの」であって「積」についてルールで制約しているのが、テンソルなわけだが
  • 加算と乗算に関して「ルール」で閉じたものは「体」だから、k-algebraとそれをmulti-linealityに上げていったもの(体をmulti-linearity化したもの)はテンソルで表現できるでしょう…、と、こういうことだったようだ