幾何って何? Noncommutative Geometry
- Noncommutative Geometry(Alain Connes)のPDF
- 非可換幾何って本当にさっぱりわからないけれど、一応、PDFへのリンクを残す
- 何がわからないかの1番の根っこは「幾何学とは何か」が全くもって曖昧なままであること、もしくは、「形のこと」と言うように考えていることのように思う。ちなみにウィキペディアの「幾何学」はこちら
Chapter 1 Noncommutative Spaces and Measure Theory
1. Heisenberg and the Noncommutative Algebra of Physical Quantities
- 元素の周期表は、原子核の陽子数を一つずつ増やしていくと新しい元素ができるが、その周りにある電子の存在状態は、特定の「場所」にハマると考え、また、特定の場所の数は、異なっていることなどを仮定することで、原子の外側にある電子の場所の埋め方と化学的特徴との類似を表形式にしたもの。じゃあ、なんでそんな特定の場所があったり、内側とか外側があるか、と言うのを説明するのが原子物理学・量子物理学で、シュレーディンガー方程式とかパウリの排他律とかそんな説明モデルがうまいこと当てはまる
- このうまいこと当てはまる物理のモデルを支えているのが非可換代数
- 逆に言うと、こんな原子レベルの物理学の「配置の仕方〜幾何」と仲良しなのが非可換代数であり、そのような非可換代数が使える「配置の仕方〜幾何」が非可換幾何だ、と、このPDFの節では言いたいらしい
- "Heisenberg: physical quantities are governed by noncommutative algebra"
- 実際、実験によって、電子の存在状態・エネルギー状態などを調べ、観測を説明できるような計算・代数を考えていくと、行列の積が出てくる(これが非可換)。また、群(group)ではなくてgroupoidと言う代数構造を使うとよくなる、と言うことになってくる(らしい)。エネルギーを運動エネルギーとポテンシャルの和として表し、エネルギーを物理量としたときにこの物理量を演算子とするのが量子力学。「値」として扱えるかと思っていた物理量が「行列」で表せること、行列では積が非可換なこと、この辺りが量子力学と「非可換代数」とのつながり
- まだ、この非可換代数が、何のどう言う物を「幾何」として扱うのかがよくわからない…
- "In fact, the results of the theory of ∗-products (これが非可換積) show that a symplectic structure on a
manifold (これが幾何対象、多様体) such as the phase space (これが多様体が表している物理対象) is none other than the indication of the existence
of a deformation with one parameter ( h here) of the algebra of functions into a noncommutative algebra"と言う表現が、どうも、幾何の説明になっているようだ
- わかる範囲で意訳すると、非可換積の理論があるが、それはシンプレクティック構造を持つ多様体を状態空間とした理論になっていて、その状態空間には、h(多分ハミルトニアン。上で運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和としたもの)がとその変化とか移動とかが表されている。そしてこのシンプレクティック幾何な状態空間の作用(物理量)は非可換
- このシンプレクティック幾何がさっぱりわからないかWiki記事を引用すれば"Symplectic geometry is a branch of differential geometry and differential topology that studies symplectic manifolds; that is, differentiable manifolds equipped with a closed, nondegenerate 2-form. "とのことで
"A symplectic geometry is defined on a smooth even-dimensional space that is a differentiable manifold. On this space is defined a geometric object, the symplectic form, that allows for the measurement of sizes of two-dimensional objects in the space. The symplectic form in symplectic geometry plays a role analogous to that of the metric tensor in Riemannian geometry. Where the metric tensor measures lengths and angles, the symplectic form measures oriented areas."ともある
- 要するに、「微分を使ってつながり具合を研究するから、幾何」であり、「隣同士について考えるから、トポロジー」であるので、シンプレクティック幾何は、幾何に含まれる。その「微分を使って扱う対象である多様体には、微分を許す何かが乗っているのが良いkが、それが"closed nondegenerate 2-form"だと言う。これとは別の何かが乗っている多様体はシンプレクティック多様体ではなく、その一つはリーマン多様体なのだろう。少し言葉を変えてかくと、滑らかで、偶数次元な空間にその幾何は定義できると言う。この辺りも奇数次元を許すタイプの幾何とは違う。そして、空間が定義されると、そこには幾何的対象(サブスペースだったり、そこに広がるものだったりが現れてくるが、それを代数で表せば、シンプレクティック幾何における代数幾何になったりするのだろう)が定義できて、それがシンプレクティック多様体。多様体が複数できたら、比較したくなるのが心情。比較するには、「測る」必要があり、「測る道具」も必要。リーマン幾何での測る道具はリーマン測度テンソル。シンプレクティック幾何では、シンプレクティックフォーム。リーマンの測度テンソルが測るのは長さと角度。シンプレクティック幾何が測るのは、向きつけられた面積
- と言う訳で、「幾何」は、広がりのある空間を対象にし、空間に多様体を置く。広がりを扱うには、つながり具合を見たいから、位相を考えたり、微分したりする。そのようなつながり具合の表現を持つ対象である多様体を比較するのも幾何の仕事で、比較のための道具立ても必要。それが、測度テンソルを持つ幾何もあれば、●●フォームを持つ幾何もある。そして比較するには定量したり異同を決めたりする仕組みが必要で、定量・異同の対象には、長さや角度や面積があるが、どれを使うか(どれが使えるか)は場合による
2. Statistical State of a Macroscopic System and Quantum Statistical Mechanics
3. Modular Theory and the Classification of Factors
- von Neumann環は大事らしい。だが、どのように大事なのかがわからない。WIki記事によれば『フォン・ノイマン環(ふぉんのいまんかん、von Neumann algebra)とは、ヒルベルト空間上の有界線型作用素たちのなす C*-環のうちで恒等作用素を含み作用素の弱収束位相について閉じているもののことである。一般の C*-環と並ぶ作用素環論の主要な研究対象であり, In mathematics, a von Neumann algebra or W*-algebra is a *-algebra of bounded operators on a Hilbert space that is closed in the weak operator topology and contains the identity operator. It is a special type of C*-algebra.』とある
- 可換版と非可換版があるらしい
- von Neumann環を語るためのタイトルが「Modular Theory and the Classification of Factors」である理由がわかると、この章の意味がわかるのかもしれない
- 幾何対象、その代数(特に可換・非可換)との関係を理解するための諸要素が詰まっている、とか、その諸要素の出自を理解するのに有用な対象であるとか、その意味での歴史的位置付けとか、そう言うことを述べたい章なのかもしれない
4. Geometric Examples of von Neumann Algebras : Measure Theory of Noncommutative Spaces
- von Neuman環の大事さがわからないなりにこの章に入ったとして、そのvon Neuman環に幾何対象が対応づけられる
- noncommutative geometryの導入のためにvon Neuman環を用いたと言うことか…
- "the theory of von Neumann algebras replaces ordinary measure theory when one has to deal with noncommutative spaces"とあるように、von Neumann代数を介して、普通の測度で考える空間から、非可換空間へと概念を拡張するのがこの章の目的らしい
- その拡張作業に当たっての注意事項は次のように書いてある。"they appear singular when considered from the classical point of view, i.e. when investigated using measurable real-valued functions."いわゆる実数値関数で測ることに拘泥すると、それ、おかしいでしょう!とこんがらがるよ、と
- まず、関数を考えよう、と。関数も空間の点にする。ヒルベルト空間。ベクトル空間みたいな感じ。ある関数をある関数に「変換」したいかもしれない。それはヒルベルト空間での変換。関数を関数の多項式で表したり、線形代数的に変換したり、そう言うことをする。そうすると、ある関数で表されていた「絵」を表すのに、別の関数を用いることになるけど、そのときに、絵の描き変え・変形にうまく対応する関数の変換って言うのもある。その変換に可換代数で対応することもある。そんなのが、von Neumann代数であってそれが取り扱い可能な関数の集合?になっている
- もしかすると全然違うかもしれないけれど、この関数変換にあたって、プラス側もマイナス側も長ささえ同じなら、対称、と言うような変換になっている場合が可換代数、可換版のvon Neumann代数、ってこと???
- じゃあ、そんな風に変換できる関数たちがあるなら、そんな風には変換できない関数って言うのもあったりしないか、と言う話になって、実際あるよ、と。それが、別のタイプのvon Neumann代数らしい。相変わらず、(関数のための)ヒルベルト空間を相手にするらしい。その辺りでFolication(葉層)とか出てくる。いかにも、空間の切り分け方が「普通じゃない感じ」。この普通じゃない感じを説明するために非可換が出てくる(らしい)
- 多様体を考えるときに多様体上の点のタンジェントスペースを考えて、それが滑らかに繋がっていくことを扱ったりするが、そのタンジェントスペースの全体を取り出さず、(タンジェントスペースが二次元なら、1次元部分だけのように)部分を取り出してしまうと、「普通の多様体」の「普通のタンジェントスペース」の道具が使えなくなる。だからと言って、元の多様体が壊れてしまうわけではないから、タンジェントスペースの取り出し方に「普通じゃないルール」を入れて、その結果として出てきた多様体を考えることは、別に「ルール違反」ではない。そんなやり方の一つがFoliation
- Foliationsのやり方の絵がいくつか出ているが、色々ある。そのそれぞれについて、measuringのことを議論すると、あーなったりこーなったりする。その違いがcommutative von Neumann代数だったり、noncommutative non Neumannnだったりすると言うことらしい…
- 嘘かもしれないが、このFoliationsの具合って言うのは、原子の電子軌道殻とかに対応しているのかなー…
Chapter 2 Topology and K-Theory
- 幾何を考えるときに、集合があって、要素の並び具合・つながりぐあい・包含関係を問題にすればそれはトポロジー
- この章では、通常の集合としてのふるまいがおかしげな対象を取り上げ、それに関する「集合を対象にした意味でのつながり・包含関係」について取り扱うことを通じて、トポロジーの概念を拡張する
- その拡張した意味でのトポロジーを使うための道具がK-theoryらしい
- どんな対象を集合的におかしげなものとしてとりあげるか、というと
- 平面のペンローズタイリングが作る空間X
- 離散群の双対空間
- 多様退場の群作用の軌道空間
- 葉層の葉空間
- リー群Gの双対空間[ted:\hat{G}]
- 空間があって、その上に定義された連続関数があるけれど、空間が普通ではないがために、その対合にあたる代数を構成すると非可換になってしまうらしく、そのような非可換代数をC*-代数として定義しているということらしい
- そのような関係にあるので、空間(集合)がまともなら、おなじやり方で定まってくるC*-代数は可換なものとなる
ペンローズタイリング
- この記事の図を見よう
- 2種類のひし形を中心から隙間ができないように螺旋的に回しながら貼り付けて、平面の埋め尽くしをしている
- これが可能なのは、ペンローズタイリングの2つのひし形ピースの辺の長さと角とが都合よくできているからでもあり、また、いくつかのピースを組み合わせると、より大きな相似ひし形が作れるといううまい具合のピースになっているから
- ペンローズタイリングが「非可換幾何」の例として取り上げられるのは、この2つのピースの並べる順番を決める0,1の数列が作る空間が、変わった空間だから
- どう変わっているか、というと、完全になんでもよい、というわけではないが、相当程度の自由度があること
- 細部は違うが、大局的にはほとんど同じであること
- 小さなピースのペアから大きなピースのペアを作る演算が行列演算であること
- それやこれやで、普通のことが通じないけれど、きれいにできていて、しかも「非可換」
- これが解ったところで、「非可換幾何」ってなに?という自分の問いに対する、本当にごく基本的な答えは得られた
- 対称図形なら、簡単なルールで図形表現・図形集合の表現ができる。それは可換幾何に(おそらく)相当し、それではどうしようもないけれど、ルールがないわけではないような幾何構造があって、それを非可換ルールで説明することができるよ、それが非可換幾何だよ、そのつもりで考えるとペンローズタイリングは、見て楽しい非可換幾何模様だけれど、色々あって、『見る対象としての幾何』だけでなく、より広い意味での空間の論理に非可換があるよ、とそういう話らしい
ぱらぱらめくる『量子統計力学の数理』
- 超、ぱらぱらめくることにする
- はっきり言って、全部解りたいわけではない
- 量子力学が使う代数的確率変数と、その行列的取り扱いとは、いったい何をどう表しているのかが、概念的につかみたい
- 第1章 数学的準備ーートレース型作用素とヒルベルト-シュミット型作用素
- 第2章 *代数と表現
- 第3章 C*代数
- 第4章 代数的量子力学
- 第5章 量子多体系の一般的構造
- 第6章 の有界領域における量子的多体系
- 第7章 有界系の量子統計力学
- 第8章 理想ボース気体 --一般論
- 第9章 自由ボース気体 (I)
- 第10章 自由ボース気体 (II)
- 第11章 理想フェルミ気体
- 第12章 平衡状態の特徴づけと緩和現象
- 付録A コンパクト作用素
- 付録B 反線形作用素の理論
第2章 *代数と表現
- 量子力学の代数的定式化のための諸概念
- *代数がわかればよいのだろう
- 状態も
- 対称という概念も大事そうだ
第3章 C*代数
- *代数の中で最も基本的なC*代数
- これが自分に必要なものだとい思われる
- C*環
- 大事だ、大事だ、非可換幾何にも大事だ、と言われるフォン・ノイマン代数もここに出てくる
- 状態はなんでもよいわけではなくて、『正規状態』というのがある
第4章 代数的量子力学
- 量子力学の代数的定式化を公理論的にする
- 要するに、量子物理の具体性を排除して数学として書くよ、ということだろう
- 『量子系の状態はヒルベルト空間Hの零でないベクトルによって表されーーただし、零でない定数バイだけ異なるベクトルは同じ状態を表すーー、物理量はH上の自己共役作用素によって記述される』
- 『この系の有界な物理量から生成される*代数をヒルベルト空間の有界線形作用素の部分集合 (Aの特殊フォント)として』定め、『このとき、任意の状態(ヒルベルト空間のベクトルであってノルムを1のものとしておく)に対して』、『(上で定めた作用素の部分集合の各要素に対してという写像を定めると、ある状態において、いろいろな確率変数の(期待)値がこの写像関数によってもたらされる
- この枠組みが代数的確率論(いろんな値の分布が正体だが、その期待値がわかる)
第5章 量子多体系の一般的構造
- 量子力学は、個々の量子・小粒子を扱いたいから、出来上がってきたわけではなくて、たくさんあつまっているときに、それぞれが異なる変数値をとりつつ、全体として「見て取れる」のはどうなるの?という説明をして欲しい分野だから、そぅいう意味での多体系
- それを扱うために、内部エネルギーとかハミルトニアンとかが出てくる
- 数学的にはフォック空間とかが出てきて、それでせつめいできるじゃない、こんな風に~と
- フォック空間だけではなくて、ボソンフォック空間、フェルミオンフォック空間
- 多体系で、すべての要素を置換してもよい、という条件は(おそらく)一番考えやすい。理想気体では全要素が自由・独立なのでこれに相当する(らしい)
第8章 理想ボース気体 --一般論
- 物理は理想が好き
第9章 自由ボース気体 (I)
- 少しずつ自然を記述したい
第10章 自由ボース気体 (II)
- さらに。
第11章 理想フェルミ気体
- 別タイプの理想
第12章 平衡状態の特徴づけと緩和現象
- 有界系、非夕界系、一般化
付録A コンパクト作用素
- 数学としてちゃんとやるときは、コンパクト性とか、大事
正方行列のトレースと組み合わせ
- dxd正方行列のk乗のトレースを考える
- 1,2,...,dから、k個を重複可で取り出す取り出し方を、とする
- このとき、だと言う
- 地道にの要素の計算式を追いかけて、そのトレースを考えればそれを示せるようだが、Rでやってしまう
ぱらぱらめくる『Noncrossing partitions』
- Introduction and Definitions, notation, and preliminaries
- Enumerative combinatorics
- Connections with topology
- Relations with geometric combinatorics
- Relations with algebra
- Further examples
Introduction and Definitions, notation, and preliminaries
- 整数分割
- nの分割というとき、{1,2,...,n}をdisjointな部分集合に分割する、そのやり方の集合
- 分割の記法:分割のグループ内では、要素を昇順に並べる。どのグループを先に書くかは、グループ内メンバーの中の最小値を代表値として取り出し、その順序で並べる
- Noncrossing partitions
- Noncrossing partitionssというとき、1,2,...,nを一列に並べて、分割して同じグループになったもの同士をトーナメント戦のようにフォークのようにつなぐこととした時に、フォークの線が交叉しないような分割のことを指す
- 同様に1,2,3,...,nを円周上に並べて、同じグループのメンバー同士に線を引くことを考える。このときに線が交差しないようにできるようなグループ分けのことをNoncrossing partitionsという
- この定義は「のときに、a,cが同じグループで、b,dが同じグループだとしたら、a,b,c,dは全部同じグループであるような分割」と書かれる
- このNoncrossing partitionsの場合の数がカタラン数になることが知られており、と計算される
- (整数)分割の半順序・ポセット
- 1/25/34/6/7 < 134/25/67 のような順序ルールを入れる。1,3,4が2グループに別れているか、1グループになっているかで、順序が入る。全てのグループで同じ方向の順序関係になっていれば、分割間でその順序関係があるものとする。グループごとに順序関係が入れ替わる場合は、分割としての順序関係は入れられないことにする。従って、半順序になる
- 全要素を全て個別に分ける分け方は、分割のポセットの一番下になり、それをと書く。逆に全ての要素を全く分けないような分け方は、分割のポセットの一番上になり、それをと書く
- このように上と下とが1点に閉じているポセットはlattice
- 分割全体もlatticeであり、Noncrossing partitionsもlatticeである
- Noncrossing partitionsは、各Noncrossing partitionのブロック数でグループ分けできて、そのn-ブロック数をランクという
- ランクごとに幾つのNoncrossing partitionsがあるかの式も知られている
- {1,2,...,n}のNoncrossing partitionsのうちブロックの数がkのものの数は、Noncrossing partitions集合の要素がとかけるが、その数は、右辺で計算できる、と、読める
- カタラン数が、次のように和にできる、ということである。
- Rで確かめておく
Enumerative combinatorics
- Exactな列挙、漸近列挙の両方について、色々な列挙問題があり、それについての知見がある
- 文章・文法領域的な列挙問題がある
- 幾何・経路とそれが作る面積に関する列挙問題がある
- 制約付き成長パターン列挙問題がある
- 直交多項式の組み合わせ列挙問題がある
- 制約付き順列列挙としてのNoncrossing partitions列挙問題がある
- Diagonal harmonicsというものと関係しているらしい。Diagonal harmonicsがなんなのかわからないのだが、何か大事そうな匂いはする
Connections with topology
この問題は現れる
- Maps, Hypermaps
- Fig5の説明をしてみる
- 平面に2つのノードa, b がある
- ノードa,bにはそれぞれ(1,2,3,4,5), (6,7,8,9,10)という整数が振られている。5つの数字を順番にぐるりと回って円ができるが、その円がノードだとみる。このとき、{1,2,3,4,5,6,7,8,9,10}のNoncrossing partitionsの一つとして(1,2,3,4,5)(6,7,8,9,10)があることがわかる。これをというNoncrossing partitionとする。このNoncrossing partitionがノードa,bの存在と状態を表している。ノード上での数値の配置は時計回りとする
- 今、この2つのノードa,bに複数のハイパーエッジがある、aから出てaに戻り、もう一度aから出てaに戻り、さらにもう一度aから出てaに戻るエッジ"aaa"、aから出てaに戻りaから出てbへ渡りbから出てbに戻りbから出てbに戻りaに戻ってくる。これを"aabbb"と書く。同様に"bb"。ハイパーエッジでは、数値をたどるサイクルの回り方は反時計回りとする。これもNoncrossing partitionになっていて、(1,2,3)(4,5,8,9,10)(6,7)と表せる。これをとする
- このとき、もう一つNoncrossig partitionが構成されていて、それは「面、face」を表しているという。今、ハイパーエッジをサイクルとして描図した時に、あるエッジが i->jと引けていたとする。このとき、iからスタートしてjの方向にはいけるけれど、jはそのエッジの「反対側〜向こう側」にあって、たどり着けないとする。エッジi->j自体をたどるならたどり着けるのだが、今は、エッジが分割した「残りの領域・面」の部分だけを歩くことが許されている、と考えれば良いだろうか。ノード上の数値を辿っているサイクルの方も同様で、1->2->...とたどるが、1から出発すると、2にはたどり着けない。そんな風にして、たどり着ける数値を、ノードのサイクルについては時計回りに、エッジのサイクルについては反時計回りにたどることを許すと、(1)(2)(3,10,7,5)(4)(6)(8)(9)なるNoncrossing partitionが現れる。これをと書く。おそらく、時計回り、反時計回りの区別がインバース表記に対応するのだろう
- 結局、平面上に実現されたハイパーマップにて、ノード、エッジ、フェイスがNoncrossing partitionsで表現されることとなった
-
- ここで、ノード的サイクル数 +エッジ的サイクル数 +フェイス的サイクル数=N+2-2g、ただしgはgenusナンバーと成っている
- これは、#Nodes - #Edges + #Faces = 2-2g というオイラーの式の一般化になっている。一般的な平面グラフでは、Noncrossing partition的な意味ので総ノード数N = 2 * エッジ系のサイクル数。なぜなら、普通のグラフでは、エッジは2端点のみを持っていて、それらをすべて別個に数え上げるのが、Noncrossing partition的ハイパーグラフ表現になっているから、#Nodes - #Edges + #Faces = 2-2gの両辺にNを加えると、#Nodes + #Edges + #Faces = N + 2-2gとなる
- さらに、グラフの色塗り問題への代数的・多項式的アプローチにも使われ
- ふたつのnoncrossig partitions的ペアリングを張り合わせるとNoncrossing サイクルが現れるとかにも応用される
- どちらも、行列式とかを使った表現がある
Relations with geometric combinatorics
- Convex polytope, hyperplane arrangement, reflection groupとかに応用される
Relations with algebra
- 応用範囲が広いので、その(抽象)代数が展開されれば扱いやすいし、その方面での知見もある
Further examples
- RNAの二次構造の場合わけとかに使える
ペアに分ける
- いかにも、どこかにアルゴリズムがありそうだが見つからないので作る
- 偶数kにつき、(1,2,...,k)をk/2ペアに分けるわけ方を列挙する
- 作戦としては、k個から2つを取り出す場合を列挙、ついでk-2個から2つを取り出す場合を列挙、、、繰り返す
- そうすると重複して列挙されるので、ユニークを取る
- ペアのユニーク確認のために、数ラベルペアを文字列化して、そのユニーク確認をし、文字列になったものを数字に戻す
- 第1,2列がペア、第3,4列がペア、…、第2n-1, 2n列がペア
> my.all.pairs(2) [,1] [,2] [1,] 1 2 > my.all.pairs(4) [,1] [,2] [,3] [,4] [1,] 1 2 3 4 [2,] 1 3 2 4 [3,] 1 4 2 3 > my.all.pairs(6) [,1] [,2] [,3] [,4] [,5] [,6] [1,] 1 2 3 4 5 6 [2,] 1 3 2 4 5 6 [3,] 1 4 2 3 5 6 [4,] 1 5 2 3 4 6 [5,] 1 6 2 3 4 5 [6,] 1 3 2 5 4 6 [7,] 1 3 2 6 4 5 [8,] 1 2 3 5 4 6 [9,] 1 2 3 6 4 5 [10,] 1 4 2 5 3 6 [11,] 1 5 2 4 3 6 [12,] 1 6 2 4 3 5 [13,] 1 4 2 6 3 5 [14,] 1 5 2 6 3 4 [15,] 1 6 2 5 3 4
テイラー展開 複素関数 特性関数 キュムラント
- こちら
ryamada22.hatenablog.jp
で、確率測度とかモーメント母関数とか特性関数とかキュムラントとかについて書いている
- とかいう複素関数の積分になっている関数をテイラー展開して
- というような係数列を作りたい
- Rにはpracmaパッケージにtaylor()関数があって、n階導関数を階乗で除した係数を降順に返してくれるのだけれど、このあたりをちょっと丁寧に確認しておきたい
- taylor()関数は複素関数を取って、の係数を返してくれる。実際には、程度までを返す仕様になっている。複素関数の場合にはが複素数になっている
- 今、確かめたいのは、とするときのの値だったり、の値だったり、tを与えて、それをにしたりするあたりが本当にそうなっているのかの検算
- taylor()関数の返り値を使ってを算出し、それをつかって、オリジナルの関数の近似値が計算できることを以下で確かめる
- こうしてやると、特性関数の係数と、キュムラント(特性関数の対数関数)の係数、との間に、組み合わせ的な整数であらわされる関係が現れる
- そのあたりのことはcumulants-momonts relationという話があるこちら。組み合わせ論ともつながる
my.binom.psi.log <- function(t){ tmp <- my.binom.psi(t) return(log(tmp)) }
> my.an(my.binom.psi,0,8) $an [1] 1.0087508+0i 0.0000000+0i 0.9995117+0i 0.0000000+0i 1.0000159+0i 0.0000000+0i 1.0000000+0i [8] 0.0000000+0i 1.0000000+0i $drv [1] 1.0087508+0i 0.0000000+0i -0.9995117+0i 0.0000000+0i 1.0000159+0i 0.0000000+0i [7] -1.0000000+0i 0.0000000+0i 1.0000000+0i > my.an(my.binom.psi.log,0,8) $an [1] -273.982768+0i 0.000000+0i 16.007480+0i 0.000000+0i -2.000005+0i 0.000000+0i [7] 1.000000+0i 0.000000+0i 0.000000+0i $drv [1] -273.982768+0i 0.000000+0i -16.007480+0i 0.000000+0i -2.000005+0i 0.000000+0i [7] -1.000000+0i 0.000000+0i 0.000000+0i