グラフのゼータ関数、ポセットのメビウス関数

  • メビウス関数についてこちらにメモした
  • メビウス関数には(恒等関数である)ゼータ関数が対応するらしい
  • そしてposetについて組みあわせべき集合の情報幾何をすると、メビウス関数とそれに対応するゼータ関数が登場して説明される
  • 一方、このposetのゼータ関数というのは、隣接代数ゼータ関数だという
  • Algebraic combinatorics on trace monoids: extending number theory to walks on graphsというペイパーがある
  • そこでは、グラフ上に"hike"(ハイキングのハイク)というものを定義する。これは、出発点からぐるっと回って帰ってくるサイクルを要素とし、それの順序を考慮した列である
  • このhikeの集合を考えると、代数構造が得られて、それがpartially commutative monoids(部分的に可換なモノイド:個々のサイクルを構成するエッジは可換だが、ノードを共有する二つのサイクルはその順序を問題にするので非可換である、という意味で、partially commutative)だという
  • このhikesの集合はpartially commutative monoidsをなすが、independence graph of hike集合というのが作れる。このグラフのノードは単純サイクルであって、単純サイクルのペアがあるhikeの要素になっていれば、その単純サイクルノード間にエッジを張る、というようなグラフである
  • このindependence graph of hikeには(局所)ポセットがあって、その局所ポセットにincidence algebra(隣接代数)が定まるという
  • 隣接代数にはメビウス関数とゼータ関数があるし、メビウス関数に関する関数演算も定義されているから、結局、グラフのサイクルとサイクルの列とがメビウス関数・ゼータ関数による説明・表現を持つことになる
  • グラフのゼータ関数と、ポセットのゼータ関数とが対応するのではなくて、グラフのゼータ関数があり、グラフにおけるサイクルに関する情報をポセット表現して、そこに隣接代数ゼータ関数がある、という少し間接的な関係があった