ぱらぱらめくる『量子ウォーク』
- 作者: 今野紀雄
- 出版社/メーカー: 森北出版
- 発売日: 2014/09/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 目次
- 第1章 ランダムウォーク
- 第2章 量子ウォークとは
- 量子的な振る舞いの特徴
- 確率的に存在する(位置に関する情報)
- キラリティ(カイラリティ,chirallity):左向きか右向きか(1次元・2状態モデルの場合)(動き(時間微分)に関する情報)
- カイラリティは動く方向を決めているわけではない
- カイラリティを持つのは離散時間量子ウォークモデルだけであって、連続時間量子ウォークモデルはカイラリティを持たない
- 量子ウォークの定義
- 初期状態
- 時刻0に、原点に局在しているという状態を初期状態とする
- カイラリティとして左右二状態があるのでという記法を使う
- ただしブラ・ケット記法を用いてのことで、は左右二状態の確率を表すためのパラメタであって、が左状態の確率ということ
- 原点で、このような状態にありなので、原点にしか存在せず、それ以外の位置ではのように「確率0」状態にある
- 推移
- 左右への一歩がどれくらいの確率で起きるかを、2x2ユニタリ行列で表す
- これは、ある位置にという二状態で存在していたとすると、次の時刻には、1だけ左の位置に、という確率重み付き左状態に存在し、1だけ右の位置に、という確率重み付き右状態で存在する、とする
- 別の側面から言うと、ある位置に左状態であった量子ウォーカーは、次の時刻にの確率で1だけ左の位置に左状態で存在し、の確率で1だけ右の位置に右状態で存在する。なお、ユニタリ行列の定義からである
- 初期状態
- ただし、量子ウォークには、別の定義もある
- 上で見たをAmbainis型と言う
- をGudder型と言う
- をフリップ-フロップ型と言う
- もモデルとして成立する
- 量子ウォークを続けると、時刻nには、n歩の内訳が左にl歩、右にr歩のn=l+rとなる場合というのがある。今、時刻nに座標xに居る、というのは、このようなn=l+r分解のうち、-l+r=xとなる場合のすべてについて、足し合わせた確率と左右状態の総和になる
- 特徴
- ごくシンプルなAmbainis型にアダマール・ウォークがある
- パス全体の総和が必要だが、P,Qに制約があるので、うまく書き下すことができる(特性関数化する)
- 量子ウォークは局在をもたらす
- 量子的な振る舞いの特徴
- 第3章 1次元2状態量子ウォーク
- たくさんの位置に関して移動を表す行列を作ることができる。その構成要素がP,Qになる
- この行列は、最終的に「無限次元化」する
- 特性関数で挙動を表すことができる
- 関数からウォークが作る分布について特徴を引き出すことができる
- 特徴は「測度」
- 停留量子ウォーク、自由量子ウォーク、アダマールウォークなどがこのアプローチで扱える
- 第4章 量子ウォークの解析手法
- 第5章 1次元3状態量子ウォーク
- 左右に移動するだけでなく、その場にとどまる、という状態を含めて3状態
- さらに多状態
- 第6章 空間依存型量子ウォーク
- すべての場所に依存して量子コインが異なる量子ウォークは難しい
- 原点だけ特殊にするのは、解析しやすい空間依存型量子ウォークの例
- 第7章 直交多項式
- 推移を多地点対応の大きな行列(無限次元も?)にした上で考える
- 後は(複素)行列に関する検討になる
- そこに直交多項式を使う
- 第8章 区間上の量子ウォーク
- 第9章 半直線上の量子ウォーク
- 第10章 有限グラフ上の量子ウォーク
- リーマンのゼータ関数とかが出てくる…