ぱらぱらめくる『数学者のための量子力学入門』

  • こちらにPDF。
  • 作用素環がわかりたい(こちらで少し前におおざっぱにぱらぱらした)
  • 量子力学を入り口にすると良さそうで、量子力学の表現方法のうち行列力学がよさそうであることはWikipedia作用素環の記事からわかったので…
  • 1 はじめに
  • 2 古典力学
  • 3 有限自由度の粒子径の量子力学の数学的構造
    • 有限次元・無限次元の量子力学の数学の要点
      • 量子力学の数学的定式化、それ自体は簡単。関数解析、もしくは作用素環の表現論
      • 作用素環の表現にどのようなものがあるかもほぼ完全にわかっている
      • 無限自由度の系には問題が山積み
    • 量子力学が腑に落ちにくいことを整理する
      • 量子力学系を数学的に解いた結果の解釈が理解しにくい:「観測の問題」と書かれている
    • 量子力学で言う状態は、ヒルベルト空間の『状態ベクトル』で与えられ、定数倍だけ異なるベクトルは同一の状態担っている。「重ね合わせの原理」というのは、ある状態と別の状態の線形結合も可能な状態(このあたりが和演算を考える環的)である、ということ
    • 観測できる物理量はヒルベルト空間の演算子(作用素ともいう、operatorのこと)
      • 物理量を「実際に測る」と実数値が得られる。物理量は「分布」なので、そこからの乱数が「観測値」になっている。また、物理量という「演算子作用素・operator」は自己共役なものなので、観測値は実数になる
    • 観測される値は、「物理量のスペクトル(固有値)」の一つである
  • 物理量の観測で、よく出てくるのは「位置と運動量」の2つの物理量の観測。物理量は演算子(operator)なので、どちらを先に書くか・どちらを先にするかの問題が生じ、確かに、交換すると結果が異なるという関係にある。その演算子2つの順序を入れ替えた2通りの差が交換子で、それが0ではなく、プランク定数が出てくる、というのは、よくある量子力学の話
    • 位置の演算子を掛け算演算子、運動量演算子微分演算子にして説明するのは、位置と運動量との関係に正準交換関係を入れるのに、それがうまくワークするから(でもある)
    • 時間発展
    • ミクロとマクロの境界
      • 「マクロの系である我々は古典力学に従う。ミクロの系である原子などは量子力学に従く。原子は単独では…連続的・決定論的に時間発展するが、(マクロの系である)我々と相互作用(観測)すると、不連続・確率的な状態の推移(波束の収縮)をおこす」
      • 生物の場合は、区画に区切る・単位に区切るというプロセスがミクロ・マクロの不連続を吸収している???
  • 4 簡単な例
    • 自由粒子:位置と運動量。波束の拡散過程が時間発展として解ける
    • 調和振動子:離散的な固有値と固有関数として定常状態が得られる
    • 水素原子:核と電子の状態
  • 5 量子力学の発展
    • スピン:3次元空間の回転群表現
    • 経路積分:正準交換関係の必要性を導く別法
    • 無限自由度だと正準交換関係は無数の表現がある