ぱらぱらめくる『動く曲線の数値計算』
- 第0章 コンピュータ上の「数」
- 第 I 部 数値計算の基本
- 第1章 常微分方程式の数値解法
- 第2章 数値積分
- 第3章 非線形方程式の数値解法
- 第 II 部 偏微分方程式の差分解法
- 第4章 1階線形偏微分方程式の差分解法
- 第5章 2階線形偏微分方程式の差分解法
- 第 III 部 動く曲線の数値計算
- 第6章 動く曲線の問題
- 第7章 動く折れ線上の「曲率」と「法線」
- 第8章 動く折れ線の問題
- 第9章 間接法やグラフによる表現
- 第10章 基本解近似解法(MFS)
第0章 コンピュータ上の「数」
- 浮動小数点数、必ず有限、二進法、丸め、計算順序
第 I 部 数値計算の基本
第1章 常微分方程式の数値解法
第 II 部 偏微分方程式の差分解法
第4章 1階線形偏微分方程式の差分解法
- 差分商の作り方をいかにうまくするかが大きく影響する
- 前進差分・後退差分・中心差分
- 半離散化・全離散化
- 不安定性、適合性、収束性
第 III 部 動く曲線の数値計算
第6章 動く曲線の問題
- 2つのパラメタでx,y座標を決める
- 閉曲線と開曲線
- フレネ-セレ
- 時間発展
- 曲率、長さ、面積、重心、弾性エネルギー
- 法線速度
- 曲率流方程式
- 表面拡散流方程式
- そのほか複数の「流」の方程式
- 動く開曲線は別問題
第7章 動く折れ線上の「曲率」と「法線」
- 曲率と法線の近似
第8章 動く折れ線の問題
- 「流」の方程式の離散版、エネルギーの離散版
第9章 間接法やグラフによる表現
- 曲線上の点を結ぶのが直接法、格子等の補助道具を使って折れ線近似するのが間接法
- 曲面(補助関数)を用いるものも間接法
第10章 基本解近似解法(MFS)
- メッシュを作ったり、粒子を撒いたりする方法もあった
- MFS : Method of Fundamental Solutions
- 境界値問題
- 特異点を適切に配置する
RのrSymPyは使いにくいので
- シンボリック計算はRではやりにく
- pythonにはSymPyパッケージがあってかなり楽
- RにはこのpithonのSymPyをjava経由で使うというパッケージrSymPyというものがあるのだが、java SDKの設定など難関・陥穽が厳しく、断念…。WindowsもMacも断念
- じゃあ、ということで、Rでやりたいことをやって、SymPyでやりたいところだけ、pythonでやる作戦はどうか、ということになり、やってみる
- pythonを立ち上げ、python側からRをバックグラウンド実行して、オブジェクトを取ってこれたら成功、という定義で試してみる
- 参考サイトはこちら
- まず、Rでやりたいことは、"pypertest.R"ファイルに書くことにする
X <- sample(1:10,3)
- pyperパッケージをコマンドプロンプトで以下のようにしてインストール
pip install pyper
- pythonを起動し(anacondaとかを使って、一通りが入っているのが良い。pandaパッケージは使う)(実際にはJupyter notebookでpython3カーネルのipynbを作り)、以下の手順でやれば、Rで作成した乱数が表示できる
- めでたしめでたし
import pyper import pandas as pd r = pyper.R(use_pandas='True') r("source(file='pypertest.R')") X = pd.Series(r.get("X")) print(X)
- うまくいったので、いざ、SymPyへ
- やりたいことは、SymPyで作りたい式の係数の値をRで作り、それをpython側に持ってきて、SymPyの変数に代入した式を作ること
- まず、係数を作るRコードをファイル保存。本当は、とても長いプロセスの末に出てくるが、ここでは、ちょろっと作る
- 次にpython側でやるのは以下のようなこと
ぱらぱらめくる『Random Walks on Disordered Media and their scaling limits』
- 作者: Takashi Kumagai
- 出版社/メーカー: Springer
- 発売日: 2014/02/04
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る
- このメモが目指すこと
- Preface
- Chapter 1 Introduction
- Chapter 2 Weighted Graphs and the Associated Markov Chains
- Chapter 3 Heat Kernel Estimates: General Theory
- Chapter 4 Heat Kernel Estimates Using Effective Resistance
- Chapter 5 Heat Kernel Estimates for Random Weighted Graphs
- Chapter 6 Alexander-Orbach Conjecture Holds When Two-Point Functions Behave Nicely
- Chapter 7 Further Results for Random Walks on IIC
- Chapter 8 Random Conductance Model
このメモが目指すこと
- このLecture notesは純粋に数学的
- 読むにあたっての目標は
- 中味を追えることではなく
- ランダムウォークにより、"disordered media"の何が掴めるのかと言うことと
- その極限を捉えるのにどの様なことを考えるのかと言うこと
Preface
- The ant in the labyrinthと言う話があると言う。ランダムに動き回ると、ある点から、ある時間後に、ある別の点にいる確率と言うのは、ランダムウォークで隣の点に移るか移らないかの確率によって変わるわけだが、これをグラフ(簡単にはグリッド)のエッジを確率p vs. 1-pで残すか残さないか、と言う問題とみなすと連結成分の大きさの現れ方に繋がる。このとき、pの値を変えるとパーコレーション理論となる。パーコレーション理論になる、とは、あるp値があって、そこで相転移が起きる。連結成分サイズが有限と無限との切り替えが起きる。熱拡散のモデルとしても使える
- Random walkさせる「メディア」が単純でないときに、熱拡散を説明するカーネルがどうなるか、その極限はどうなるか、と言うことを論じる
Chapter 1 Introduction
- 構成
- Chapters 2, 3 and 4: Weighted graph, symmetric Markov chains. Heat kernel のboundsが求められる。Sub-Gaussian heat kernel boundsと言うものも登場する。Green functionsも現れる
- Chapters 5-7: Incipient infinite cluster (IIC)と言うものを考える。パーコレーションで、無限大連結成分が現れるが、本当に無限大かどうかはわかりにくいので、その部分をなすと思しき、大きな連結成分を考えるらしく、その様な、無限の一部らしき大きいクラスタのことをIICと言うらしい
Chapter 2 Weighted Graphs and the Associated Markov Chains
Chapter 3 Heat Kernel Estimates: General Theory
- 遠ければ到達しにくい。その減衰の具合がガウシアンカーネルっぽくなりそうなのはわかる。そんな話だろうと思う
Chapter 4 Heat Kernel Estimates Using Effective Resistance
Chapter 5 Heat Kernel Estimates for Random Weighted Graphs
- 無限ランダムグラフで考える
- Alexander-Orhach conjectureと言うのがあってpercolation network のスペクトル次元はd>=2次元なら、いつでも3/4と言う予想。フラクタルとかで調べられている
Chapter 6 Alexander-Orbach Conjecture Holds When Two-Point Functions Behave Nicely
- おそらく内容はタイトルそのまま
Chapter 7 Further Results for Random Walks on IIC
- 特殊なグラフについてのこと
- ある種のランダムグラフについても
Chapter 8 Random Conductance Model
- コンダクタンスは電流の流れやすさ。直流回路で言う所の抵抗の逆数
ぱらぱらめくる志村五郎先生のちくま学芸文庫
全4冊
数学をいかに使うか
- 一番基本となる『数学をいかに使うか』は以前、パラパめくってある
- その記事がこちら→数学をいかに使うか
数学の好きな人のために
- Gauss-Bonnetの公式は曲率を積分することと、「閉じる」ことの関係を示し、それとオイラー標数、Betti数の話が出る。リーマン多様体
- 非ユークリッド幾何学を複素数、四元数、群論とのつながりを前面に出して記載
- 確率と言う概念は、いわゆる数学の?本流?である数論などとは、異質度が高い概念であって、そのことを、そのつもりで学ぶことは大事
- 整数には素数があって、「基本的な要素」で全体を分けると言う考え方の基礎を提供する。表現論にも繋がる
- 近似の手法と級数展開。それは、あるものの(無限要素の)別表現と言う考え方の導入と繋げて学べる
- 微分方程式。変数が張る空間、ベクトル場
- 多様体は曲がっていて繋がっていて、微分ができて、接面が取れる。Lie群もそう
- de Rhamnの定理・理論は多様体上の微分形式が作るベクトル空間。複体、チェーン複体とかと繋がる
- p進体は数の体系を提示してくれて、それが研究の対象、様々な理論の適用対象になる
数学で何が重要か
- コの字型の原理。形式論理はどうやって身につくか。身につかないなら、どう教えるか。数学がわかるために必要な「論理」
- 数の拡張の途中にある実数。それを「きちんと」理解することは、数の概念の拡大の経緯に沿って厳密に教えるほどのものなのか・・・
- 明快な証明と歴史的な証明
- 答えがあることを競う、数学オリンピックの意味
- ガロアに見られる、数学発展上の面白さと、色々なことがわかったあとでの、体系としての面白さ、どちらを優先?
- 重要な問題・面白い問題、それを解く数学者の問題選択のセンス
- 繰り返し。代数的整数論も、結果として整理されたことを教えることが、(時間制約の下では )重要で、数学史的経緯は、それに興味のある人がしれば良いこと
- 代数群でも、同様の視点での話が展開される