ぱらぱらめくる『動く曲線の数値計算』

第0章 コンピュータ上の「数」

第 I 部 数値計算の基本

第1章 常微分方程式の数値解法

  • 微分は差分で代用する
  • 微分と差分では差が出る。差を小さくするには、小分けにすればよいが、計算回数が増えて誤差の原因になるというジレンマがある
  • 打切り誤差と丸め誤差
  • 誤差を小さくする工夫たち(オイラー法とその変法、ルンゲ=クッタ法など)
  • さらなる工夫としての気の利いたオイラー法、シンプレクティック・オイラー
  • 運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和が一定になるようにする~ハミルトニアン。これを「2つの誤差要因の和」を抑え込む方法としてとらえる方法

第2章 数値積分

  • 区分求積、数値積分
  • 端、中点、台形。改良してシンプソン則
  • 気の利いた変形

第3章 非線形方程式の数値解法

第 II 部 偏微分方程式の差分解法

第4章 1階線形偏微分方程式の差分解法

  • 差分商の作り方をいかにうまくするかが大きく影響する
  • 前進差分・後退差分・中心差分
  • 半離散化・全離散化
  • 不安定性、適合性、収束性

第5章 2階線形偏微分方程式の差分解法

  • 熱方程式に代表されるのが2階線形偏微分方程式なので、計算法も発達している

第 III 部 動く曲線の数値計算

第6章 動く曲線の問題

  • 2つのパラメタでx,y座標を決める
  • 閉曲線と開曲線
  • フレネ-セレ
  • 時間発展
  • 曲率、長さ、面積、重心、弾性エネルギー
  • 法線速度
  • 曲率流方程式
  • 表面拡散流方程式
  • そのほか複数の「流」の方程式
  • 動く開曲線は別問題

第7章 動く折れ線上の「曲率」と「法線」

  • 曲率と法線の近似

第8章 動く折れ線の問題

  • 「流」の方程式の離散版、エネルギーの離散版

第9章 間接法やグラフによる表現

  • 曲線上の点を結ぶのが直接法、格子等の補助道具を使って折れ線近似するのが間接法
  • 曲面(補助関数)を用いるものも間接法

第10章 基本解近似解法(MFS)

  • メッシュを作ったり、粒子を撒いたりする方法もあった
  • MFS : Method of Fundamental Solutions
  • 境界値問題
  • 特異点を適切に配置する

RのrSymPyは使いにくいので

  • シンボリック計算はRではやりにく
  • pythonにはSymPyパッケージがあってかなり楽
  • RにはこのpithonのSymPyをjava経由で使うというパッケージrSymPyというものがあるのだが、java SDKの設定など難関・陥穽が厳しく、断念…。WindowsMacも断念
  • じゃあ、ということで、Rでやりたいことをやって、SymPyでやりたいところだけ、pythonでやる作戦はどうか、ということになり、やってみる
  • pythonを立ち上げ、python側からRをバックグラウンド実行して、オブジェクトを取ってこれたら成功、という定義で試してみる
  • 参考サイトはこちら
  • まず、Rでやりたいことは、"pypertest.R"ファイルに書くことにする
X <- sample(1:10,3)
pip install pyper
  • pythonを起動し(anacondaとかを使って、一通りが入っているのが良い。pandaパッケージは使う)(実際にはJupyter notebookでpython3カーネルのipynbを作り)、以下の手順でやれば、Rで作成した乱数が表示できる
  • めでたしめでたし
import pyper
import pandas as pd
r = pyper.R(use_pandas='True')
r("source(file='pypertest.R')")
X = pd.Series(r.get("X"))
print(X)
  • うまくいったので、いざ、SymPyへ
  • やりたいことは、SymPyで作りたい式の係数の値をRで作り、それをpython側に持ってきて、SymPyの変数に代入した式を作ること
  • まず、係数を作るRコードをファイル保存。本当は、とても長いプロセスの末に出てくるが、ここでは、ちょろっと作る

  • 次にpython側でやるのは以下のようなこと

ぱらぱらめくる『Random Walks on Disordered Media and their scaling limits』

このメモが目指すこと

  • このLecture notesは純粋に数学的
  • 読むにあたっての目標は
    • 中味を追えることではなく
    • ランダムウォークにより、"disordered media"の何が掴めるのかと言うことと
    • その極限を捉えるのにどの様なことを考えるのかと言うこと

Preface

  • The ant in the labyrinthと言う話があると言う。ランダムに動き回ると、ある点から、ある時間後に、ある別の点にいる確率と言うのは、ランダムウォークで隣の点に移るか移らないかの確率によって変わるわけだが、これをグラフ(簡単にはグリッド)のエッジを確率p vs. 1-pで残すか残さないか、と言う問題とみなすと連結成分の大きさの現れ方に繋がる。このとき、pの値を変えるとパーコレーション理論となる。パーコレーション理論になる、とは、あるp値があって、そこで相転移が起きる。連結成分サイズが有限と無限との切り替えが起きる。熱拡散のモデルとしても使える
  • Random walkさせる「メディア」が単純でないときに、熱拡散を説明するカーネルがどうなるか、その極限はどうなるか、と言うことを論じる

Chapter 1 Introduction

  • 構成
    • Chapters 2, 3 and 4: Weighted graph, symmetric Markov chains. Heat kernel のboundsが求められる。Sub-Gaussian heat kernel boundsと言うものも登場する。Green functionsも現れる
    • Chapters 5-7: Incipient infinite cluster (IIC)と言うものを考える。パーコレーションで、無限大連結成分が現れるが、本当に無限大かどうかはわかりにくいので、その部分をなすと思しき、大きな連結成分を考えるらしく、その様な、無限の一部らしき大きいクラスタのことをIICと言うらしい

Chapter 2 Weighted Graphs and the Associated Markov Chains

  • グラフのランダムウォークをしているにあたって、自身に戻ってくる確率と、全ての非自身に戻ってくる確率とのどちらが大きいかで、クラスタが小さくまとまる(有限)か、とそうでないかが分かれそうだ、と言うことを使うらしい
  • 離散マルコフ連鎖で考えた上で、連続時間マルコフ連鎖に移す。この時にヒートカーネルが出て来て、指数関数とか登場する。考え方としては、2点を考えた時に、いつまでたってもxに居残り続けるか、yに移動するかの2択の確率を連続時間マルコフ連鎖で考えると指数関数が入った無限級数和になり、それがカーネル関数
  • 重み付きグラフの上の調和関数と言うものも使う
  • トレースも使う

Chapter 3 Heat Kernel Estimates: General Theory

  • 遠ければ到達しにくい。その減衰の具合がガウシアンカーネルっぽくなりそうなのはわかる。そんな話だろうと思う

Chapter 4 Heat Kernel Estimates Using Effective Resistance

  • 微分方程式を解くための関数であるGreen functionを導入する
  • フラクタルグラフにも使える(どんどん細かくしていくグラフに使える)

Chapter 5 Heat Kernel Estimates for Random Weighted Graphs

  • 無限ランダムグラフで考える
  • Alexander-Orhach conjectureと言うのがあってpercolation network のスペクトル次元はd>=2次元なら、いつでも3/4と言う予想。フラクタルとかで調べられている

Chapter 6 Alexander-Orbach Conjecture Holds When Two-Point Functions Behave Nicely

  • おそらく内容はタイトルそのまま

Chapter 7 Further Results for Random Walks on IIC

  • 特殊なグラフについてのこと
  • ある種のランダムグラフについても

Chapter 8 Random Conductance Model

  • コンダクタンスは電流の流れやすさ。直流回路で言う所の抵抗の逆数

ぱらぱらめくる志村五郎先生のちくま学芸文庫

全4冊

数学をいかに使うか

  • 一番基本となる『数学をいかに使うか』は以前、パラパめくってある
  • その記事がこちら→数学をいかに使うか

数学の好きな人のために

  • Gauss-Bonnetの公式は曲率を積分することと、「閉じる」ことの関係を示し、それとオイラー標数、Betti数の話が出る。リーマン多様体
  • ユークリッド幾何学複素数四元数群論とのつながりを前面に出して記載
  • 確率と言う概念は、いわゆる数学の?本流?である数論などとは、異質度が高い概念であって、そのことを、そのつもりで学ぶことは大事
  • 整数には素数があって、「基本的な要素」で全体を分けると言う考え方の基礎を提供する。表現論にも繋がる
  • 近似の手法と級数展開。それは、あるものの(無限要素の)別表現と言う考え方の導入と繋げて学べる
  • 微分方程式。変数が張る空間、ベクトル場
  • 多様体は曲がっていて繋がっていて、微分ができて、接面が取れる。Lie群もそう
  • de Rhamnの定理・理論は多様体上の微分形式が作るベクトル空間。複体、チェーン複体とかと繋がる
  • p進体は数の体系を提示してくれて、それが研究の対象、様々な理論の適用対象になる

数学で何が重要か

  • コの字型の原理。形式論理はどうやって身につくか。身につかないなら、どう教えるか。数学がわかるために必要な「論理」
  • 数の拡張の途中にある実数。それを「きちんと」理解することは、数の概念の拡大の経緯に沿って厳密に教えるほどのものなのか・・・
  • 明快な証明と歴史的な証明
  • 答えがあることを競う、数学オリンピックの意味
  • ガロアに見られる、数学発展上の面白さと、色々なことがわかったあとでの、体系としての面白さ、どちらを優先?
  • 重要な問題・面白い問題、それを解く数学者の問題選択のセンス
  • 繰り返し。代数的整数論も、結果として整理されたことを教えることが、(時間制約の下では )重要で、数学史的経緯は、それに興味のある人がしれば良いこと
  • 代数群でも、同様の視点での話が展開される

メモ:対称群 シューア多項式 疎アルゴリズム