ぱらぱらめくる『Graphs and Matrices』2 Incidence Matrix
- 2.1 ランク
- 有向グラフGのn個のノードと、m個のエッジ。nxm行列で、エッジの始点と終点とを1,-1で表したもの、それがIncidence matrix Q(G)
- Q(G)の列和はゼロ、行ベクトルは線形非独立
- 連結グラフのランクはn-1、k個の連結グラフの集合ならランクはn-k
- k個の連結グラフが、ノード数n1,...,nkであるとき、グラフ全体のIncidence matrixは、行・列をうまく並べることで、ni-1ランクの行列を対角に並べたものとできる
- サイクルの無いグラフであるであるのは、列ベクトルが線形独立であることとiffの関係
- 2.2 Minors
- グラフのIncidence matrix Q(G)は totally unimodularである。ただし、totally unimodularとは、行列の正方部分行列のすべてのdeterminantが0,1,-1のいずれかであること
- グラフが木のとき、Q(G)のオーダーn-1の部分行列のすべてがnonsingular
- nxn行列Aの中に、pxqのゼロ行列があり、pxq >= n+1 ならdet A = 0
- Incidence matrixの部分行列はグラフのincidence matrixとは限らない。incidence matrixの部分行列が表すのはグラフの部分構造なので、substructureと呼ぶ。エッジは含まれるがそれに対応する2ノードの片方しか含まれない、とかそういう感じ
- 2.3 Path matrix
- パスに含まれないエッジは0、含まれるエッジには、パスの向きとエッジの向きとの関係に応じて1,-1を付与する
- 木はn個のノード、n-1本のエッジからなるから、木グラフのIncidence matrixはn x (n-1)
- 今、第n番目のノードをルートノードとしたときに、1,...,(n-1)のノードのそれぞれからn番ノードへのpathに応じた0,1,-1で表したパスをとり、それを列ベクトルとした行列*1 を考える。これがpath matrix 。Q(G)はn x (n-1)行列だが、この第n行を取り除いたを考えると、だという。
- 2.4 Integer generalized inverses
- 整数行列のgeneralized inverseは、整数行列と限らないが、ある条件を満たすと、g-inverseの中に整数行列が含まれる
- 正方整数行列は、determinantが1か-1のとき、unimodularと呼ばれるが、unimodularな整数正方行列がnonsingularなとき、逆行列は整数行列である
- determinantとadjointの関係 (、ただし)から
> m <- matrix(c(2,1,3,2),2,2) > m [,1] [,2] [1,] 2 3 [2,] 1 2 > det(m) [1] 1 > solve(m) [,1] [,2] [1,] 2 -3 [2,] -1 2
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- m x n 整数行列をm x m unimodular 行列とn x n unimodular 行列とで、ランク分の対角正整数行列とをサンドイッチした積に分解できる
- グラフ関連の行列では、要素が整数たるべし、ということが多いので、それを分解したりするときに、整数行列の範囲で処理できるのがよい。それを満足する特徴としてunimodularなどの性質とリンクして理解する必要がある
- Moore-Penrose inverseの整数
- 2.6 無向グラフのIncidence matrix (成分が0,1)
- サイクルグラフの場合、頂点数が偶数ならIncidence matrixのdeterminant=0、奇数なら2
- 連結グラフのとき、二部グラフならランクはn-1、そうでなければn
- Substructureを考えると、ゼロ行、ゼロ列があるとき、それは、そのstructureに孤立ノード、両端ノードが含まれていないエッジが存在することに対応する
- 2.7 Matchings in bipartite graphs
- この無向グラフのIndicence matrixはTotally unimodularである
*1:n-1) x (n-1