順列とpermutohedronの次元

  • 組合せ最適化に関連してpermutohedronについて書いている(こちらとか)
  • 「どうして(how)」ああいう形をしているのかについて考える
  • なぜ考えるかというと、permutohedronの頂点をグループ化したいから、グループ化する、ということはどういうことなのか、ということを考えたいから
  • まず、N個の要素の並べ方の場合の数N!=N\times (N-1) \times ... \times 2 \times 1について考える
    • N個のうち、1つを選んで、残りのN-1個から1つを選んで、…という繰り返し、というのが一つの説明
    • もう一つの説明を考える
      • N=1のボールの並べ方は1個、その長さは1。そのことをS_1=1,L_1=1と書くことにする(Sは並べ方の数、Lは長さ)
      • N=2に増やすとき、置き場所は、既にあるボールの「前」に置くか、「後」に置くかの2通り。これはL_1+1通りの置き方がある、とも言い換えられる。式で書くとS_2=S_1\times (L_1+1)、また、長さはボールの数だからL_2=L_1+1
      • 漸化式になった。S_N=S_{N-1} \times (L_{N-1}+1),L_N=L_{N-1}+1,S_1=1,L_1=1
      • これを解くとS_N=\prod_{i=1}^N i = N!
  • これを幾何的に考えることにする
    • N=1のとき、それは「点」がポツリとある、0次元な世界。ボールの配置は(b1)の一通り
    • N=2にするときは、次元を1つ上げて、1次元にする。そのうえで、2個のボールの配置の仕方は2通り。(b1,b2)と(b2,b1)
      • このとき、(b1)の点を原点(0)とし、(b1,b2),(b2,b1)の点をそれぞれ、座標(0.5),(-0.5)に対応させることとする
      • 確かに次元は1つ上がった
      • 2個の点を「2−1=1」次元空間に「平等」に配置した
    • N=3にするときには、N=2のときの配置の場合の数2のそれぞれについて、3通りの置き方がある
      • 3つのものを「平等」に配置するためには、3−1=2次元が必要で、「正三角形」の3頂点に配置すればよい
      • 2個のボールの並べ方2通りが原点から(-0.5),(0.5)にすでに置かれていて、この次元を使うわけにはもう行かないから、次元を2つ増やして3次元にしてみよう
      • 第2、第3の次元について、正三角形の頂点座標はC(\cos(t),\sin(t));t=0,\frac{2\pi}{3},\frac{4\pi}{3}で与えればよい。1辺の長さが1の正三角形にするとすると、C=\frac{1}{\sqrt{3}}なのでから、(b1,b2,b3),(b1,b3,b2),(b3,b1,b2)は、(0.5,C\cos(t_1),C\sin(t_1)),(0.5,C\cos(t_2),C\sin(t_2)),(0.5,C\cos(t_3),C\sin(t_1)),=\frac{1}{\sqrt{3}}に配置し、(b2,b1,b3),(b2,b3,b1),(b3,b2,b1)は(-0.5,C\cos(t_1),C\sin(t_1)),(-0.5,C\cos(t_2),C\sin(t_2)),(-0.5,C\cos(t_3),C\sin(t_1))に配置してみよう
      • これは、3次元空間にある三角柱
    • N=4にすると、さらに4−1=3次元を追加することになるので
    • この方式では\frac{N(N-1)}{2}次元空間に順列を配置することになる
    • これはpermutohedronとは異なるけれども、順列の「体系的な」配置方法の一つだろう
  • さて、N=3の場合に話を戻そう
    • 正三角形を底面とする三角柱に6つの並べ方を対応させた
    • いかにも、「非対称」で気持ちが悪い
    • b1,b2,b3はたまたま1,2,3の番号が振られているだけで平等だとすると、もっと対称性の高い配置にできるはず
    • では、6つの点(6つの並べ方)を3次元空間に配置するような配置の仕方で、「平等」なのは、「正●面体」である
    • 3次元空間の正●面体は、「正四面体」「正六面体(立方体)」「正八面体」「正十二面体」「正二十面体」である(Wiki)
    • このうち、頂点数が6個なのは、「正八面体」
  • 正八面体に6つの順列を配置しよう
    • 先の議論で、「2つのボール」の並べ方で1次元を使用し、そのあと、3番目のボールの配置の仕方が2次元平面上の正三角形の頂点に対応づけられることを見た
    • 正八面体には正三角形が8面あり、4対を形成している
    • この4対のうち、3対に(1,2)<->(2,1)に3を加えた正三角形2つ、(2,3)<->(3,2)に1を加えた正三角形2つ、(3,1)<->(1,3)に2を加えた正三角形2つを対応づけて、6頂点への順列の対応付けを取ることができる
    • ここで気になることが残る
    • 4対の正三角形対のうち、3対は、上記のように「意味を持たせ」ることができた。残った1対はどういう位置づけなのだろう?
      • わからないなりに、この正三角形の頂点に対応する配列は、第1、第2、第3要素のいずれも、重複していないことを特徴とする
  • さて。これ(『長さNの順列N!種類を\frac{N(N-1)}{2}次元空間の正多面体の頂点に対応づく。その正多面体は、頂点数がN!で、「面」は正N-1単体である』)が一般化できるものなのかどうか…
  • もう一つの方法を考えてみる
    • 重複を許さない順列は、重複を許した順列から、「ただの1ペアでも重複していたら、取り除いた」ものである
    • 重複順列はN^N
    • N=2の場合の重複というのは、「対角成分」を除いたもの
    • N=3の場合は、3つのペアのすべてのペアに関する対角成分を除いたもの
    • Nを増やしてもどんどん「対角成分」を除いてやると、どんどん、除かれる成分の割合が増えて行き、ほとんど除かれる。N^N-N!が除かれる成分数