- 2変量の常微分方程式があって、2変数の時間変化が2つのベクトルを軸としてその2軸のそれぞれに指数関数の係数を与えた和で表されるとき、そのy=1平面への射影に複比保存が表れるのだが、それの「証明」というか、ひたすらな式変形で納得するためのメモ
- 常微分方程式
- ただし、この常微分方程式を表す行列は2つの実固有値を持つものとしてに分解してある()
- この解はである
- これをと書く
- ここで、両辺に左からを掛けると
- が
- となるが、
- ここでと置き換える(と同じこと)
- となって、が対角行列であるからと簡単に表せて
- も単純に表せる
- さて、という等間隔の4時刻を考える(をと簡略化して表すことにする)
- 平面への原点から見た射影写像はとする
- 今、このの複比が一定である、というのはこの複比がによらないことである。それを式変形で確かめよう
- まずの基本要素となるをと表すこととする
- である
- これを使うととなり
- さらに[tex:DR=\frac{*1/*2}{*3/*4}]
- 気を付けると、が消えるので
- と簡単にできる
- ここでさらにと置き換えると
- を指数関数で表そう
- よく注意するとの項は消え、
- となる
- ではは相殺できるから
- であるから、すべてのののうちのの分は相殺されるから
- 式はごちゃごちゃしているけれど、は消えたので、どんなtをスタートにしても複比は一定である。また、にもよらず、2つの固有値とが複比の値を決めている
- もう少し頑張ろう
- [tex:DR=\frac{(exp(2k_1\delta)-exp(2k_2\delta))exp*5}{exp*6(exp(k_1\delta)-exp(k_2\delta))}]
- に注意して
- さらに
- 結局、2変量の常微分方程式の係数行列があったときその(実数)固有値の差と単位時間とによって、単位時間ごとの位置のy=1平面への原点を視点とする写像が作る点列は、複比となる
- ちなみに、この複比を満足する点列は2つの固有値ベクトルのy=1平面への写像を両端として、それらに収束する形になる
- この式の素敵なところは、固有値の差になっていること。固有値が複素数の場合も差にすれば、固有値は共役複素数なので複比は実数になってくる
- やってみよう
n.iter <- 50
dr.calcs.min <- dr.calcs.max <- drs <- rep(0,n.iter)
for(ii in 1:n.iter){
ab <- runif(2)
ab[1]<-0.001*runif(1)
lambdas <- c(ab[1]+1i*ab[2],ab[1]-1i*ab[2])
aa <- rnorm(2)
bb <- rnorm(2)
vs <- cbind(aa+1i*bb,aa-1i*bb)
A <- my.matrix.eigen(lambdas,vs)
t <- seq(from=-20,to=20,length=100)
X <- matrix(0,length(t),length(A[,1]))
X.init <- runif(2)
for(i in 1:length(t)){
X[i,] <- exp.m(A,t[i])[[1]] %*% X.init
}
x <- Re(X[,1]/X[,2])
plot(Re(x))
dr.calc <- my.doubleratio(x)
delta <- t[2]-t[1]
k1 <- lambdas[1]
k2 <- lambdas[2]
delta.k <- k1-k2
dr <- (exp(delta.k/2*delta) + exp(-delta.k/2*delta))^2
dr.calcs.min[ii] <- min(dr.calc)
dr.calcs.max[ii] <- max(dr.calc)
drs[ii] <- dr
}
plot(data.frame(dr.calcs.min,dr.calcs.max,drs))