グリコゲーム by NK

こちらのコメントにあったようにグリコゲームの得点行列は特殊な形なので少し変形してみました。
変形には外積を使ってみました。

得点行列A
A=\begin{pmatrix} 0 & 3 & -6\\ -3 & 0 & 6\\ 6 & -6 & 0\end{pmatrix}
自分の戦略\vec{p}、相手の戦略\vec{q}を用いてゲームで相手より進んでいる歩数の期待値Eは
E = {}^t\vec{q} A \vec{p}
と表される。

ここで得点行列Aを1行3列の2本のベクトル\vec{u}\vec{v}外積として表す。
A = \vec{u} \wedge \vec{v}\wedge外積
と分解する。外積の性質として
\vec{u} \wedge \vec{v}  =  \vec{u} \circ \vec{v} - \vec{v} \circ \vec{u} =\vec{u} {}^t\vec{v} -\vec{v}  {}^t\vec{u} (\circは直積)であるとのことなので
E ={}^t\vec{q}A \vec{p}\\={}^t\vec{q}(\vec{u}  {}^t\vec{v} -\vec{v}  {}^t\vec{u}) \vec{p}\\={}^t\vec{q} \vec{u}  {}^t\vec{v} \vec{p} - {}^t\vec{q} \vec{v}  {}^t\vec{u} \vec{p}\\=(\vec{u},\vec{q})(\vec{v},\vec{p})-(\vec{v},\vec{q})(\vec{u},\vec{p}) ......(#)
((,)は内積)となる。

具体的には
\vec{u} = {}^t(1,-1,0),\vec{v}= {}^t(0,1,2)
とすれば
A = 3 \times (\vec{u} \wedge \vec{v})となります。

式(#)を使ってゲームのルールAから導かれる \vec{u},\vec{v}と戦略\vec{p},\vec{q}幾何学的に解釈できるのかもしれません。そのためにはA=\vec{u} \wedge \vec{v}の分解が一意かどうかもふくめて\vec{u}\vec{v}の関係性を考える必要性があります。 
あとは分散共分散行列のような扱いのできるのかも....

by NK

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行列Aの分解が一意ではないことについて   by NK

行列Aを
A=\vec{u} \wedge \vec{v}
としてたのですが、今回は\vec{u},\vec{v}を単位ベクトルにしておいて
A=(k\vec{u}) \wedge (l\vec{v}) = kl(\vec{u} \wedge \vec{v})
としておきます。ここで行列Bを導入して
B=k\vec{u} \circ l\vec{v} =kl \vec{u} ^t\vec{v}
とおくと
A = B - ^{t}B
となる。その他の行列は
^tB = kl(\vec{v} ^t\vec{u})
\\B^{-1} = \frac{1}{k^{2}l^{2}} {}^{t}B = \frac{1}{kl} \vec{v} ^t \vec{u}
また、この\vec{u},\vec{v}を使うと式(#)は
E =kl\{(\vec{u},\vec{q})(\vec{v},\vec{p})-(\vec{v},\vec{q})(\vec{u},\vec{p})\}\\=kl\begin{vmatrix} (\vec{u},\vec{q}) & (\vec{v},\vec{q})\\ (\vec{u},\vec{p}) & (\vec{v},\vec{p})\end{vmatrix}\\=kl|{}^{t}(\vec{q} \vec{p})(\vec{u} \vec{v})|

一意性の話に戻ると行列Bは
B = \begin{pmatrix}a & b & c\\ b-3 & e & f\\ c+6 & f-6 & i\end{pmatrix}
であればA = B - ^{t}Bを満たすので一般性を保ったままB=kl \vec{u} ^t\vec{v}のように分解することを考えていけばよさそう。この方針では。\vec{u},\vec{v}の自由度は高そう。

by NK