ぱらぱらめくる『数学-その形式と機能』

数学 その形式と機能

数学 その形式と機能

  • ぱらぱらめくることも大変だ
  • 各章の末尾(か終わりのあたり)に「こんなことだよ」という文章が載っている(そういう章が多い)ので、それをぱらぱらとめくることにする
  • 第1章 形式的構造の起源
活動 イデア 定式化
集める 集まり (元の)集合
勘定する 1つ次のもの 後者、順序、順序数
比較する 番号付け 全単射、基数
計算する (数の)結合 加法規則、乗法規則、アーベル群
並べ替える 置換 全単射置換群
時間を計る 前後 全順序
観察する 対称性 変換群
形づくる 図形、対称性 点の集まり
測る 距離、広がり 距離空間
動く 変化 剛体運動、変換群、変化率
評価する 近似 連続性、極限
     近接 位相空間
選び出す 部分 部分集合、ブール代数
論証する 証明 論理結合記号
選びとる 機会 確率(好都合な場合/全体)
引き続く動作 後続 合成、変換群
    • 数学上の諸活動
      • 難問
      • 完全化
      • 不変性
      • 構造の共通性(類推)
      • 内在的構造
      • 一般化
      • 抽象化
      • 公理化
      • 証明の分析
  • 第2章 整数から有理数
    • 自然数とは何か
      • 一連の印の列
      • 有限集合
      • 有限集合の基数に関する同値類
      • 有限順序集合の順序同値類
      • 有限集合であって、集合の各元は所属関係によって順序づけられている
  • 第3章 幾何学
    • 幾何学は科学であるか?
      • 測定によって確かめたりしないところが物理の命題と異なる
      • 運動や物の構造、形体などについての経験の中から出てくる諸問題に基礎をおく、ある精巧な知的構造だという
      • 知覚。演繹、図形そして観念の織り成す精緻な織り物とも表現されている
  • 第4章 実数
    • 虚数は現実のものか?
      • 19世紀において数学の視野を拡大していった多くの新局面の一つをなすだけ
      • その他に次が含まれる
  • 第5章 関数、変換および群
    • 像と合成という考え方
      • ある集まりに属するものあるいはそれら全体に対して(そのような)操作によって像を形作るという観念から関数が出る
      • 関数を逐次反復して作用させる操作の中から合成の概念が出る
      • 起源が多様
      • 決定的な応用を持つ
      • そのほかにもいろいろに応用
      • もとになったものを用いて正確に表現できる
      • モデルの多様性(それでいてあまり多すぎない)という特徴
  • 第6章 微積分学の諸概念
    • 諸概念のあいだの内的関連
      • 計算についての直観的な方法を出発点とした多様な形式的概念(極限、微分係数積分微分形式など)の展開
      • それらの諸概念がすべて(実数と実数の集合および実数上の関数の集合に対する公理体系という)1つの公理体系に支配されているようなものと説明されている
  • 第7章 線形代数
    • 要約
      • ベクトルの幾何的イメージと「線形な」作用から始まった
      • ベクトル空間の間の線形変換の概念
      • 相似性の問題〜同一の線形自己準同形
  • 第8章 空間が有する形式
    • 幾何学とは何か?
      • 数学の一部が何によって幾何学を形成するのか
      • 『初期の空間と運動に関する感覚的、組織的、かつ想像力を駆使してつづけられた研究が、多くの異なる種類の数学形式の研究となっているようにも見える。この結果生じた発展は、一部は幾何学的なものであり、一部は概念的なものである。そこでは、組織化と理解の双方を得るために、幾何学的洞察が用いられている。幾何学は数学の一分科というよりは、むしろ数学形式の一つの源泉なのである』
  • 第9章 力学
    • 力学の形式
      • 力学の進展とともに、数学の形式が整えられてきた
      • 真に数学がかかわりはじめるのは、形式的な規則から経験法則を導き出す方法が発見されたときからであるという
      • 抽象化を応用に結びつける方法が見える
  • 第10章 複素解析トポロジー
    • 解析学幾何学、位相数学
      • 解析学幾何学との間で生じた著しい相互作用と表現されている
      • そして抽象概念が拡大していく
        • 空間概念の拡大
        • 関数という概念の変化
  • 第11章 集合、論理、圏
    • 基礎づけか組織化か?
      • 集合論と論理学は、数学の標準的"基礎づけ"を提供する
      • 集合論圏論は数学を組織する方法と思うこともできる
        • 集合論の方は新しい概念を定式化するガイドラインを与え、数学の外延的性格を強調する。すなわち、"性質"といったものが完全に決定されるのは、その性質をもったすべての要素が決定されるときである、という考え方』
        • 圏論の方式は、対称だけでなく、それらの間の射も一緒に考えることの重要性を強調する。それはまた、普遍的更生法や、随伴関手の使用をも強調するのである』
      • どちらの組織化も、完全に成功を収めているわけではない、と
        • 圏と関手は位相幾何学全般で用いられ、また、代数学の一部にも現れるが、解析学とは連絡しない
        • 集合論は、手頃な道具ではあるが、使用すると、しばしば不自然なものが現れる(集合論は明らかに一般的すぎる)
  • 第12章 数学のネットワーク
    • 形式性
      • 計算規則(算術計算、三角法)
      • 微分積分学における微分法の公式
      • 評価と近似の規則
      • 算術と幾何学の公理系
      • 推論規則
      • 抽象代数やトポロジーの公理
      • 集合やトポスの公理
      • 数学全体の完全な徹底した形式化
    • 数学の内部から生まれたいくつかのアイデア
起源 イデア その形式化
多項式,sin/tan/log,従属変数 関数 (言語による)形式的表現,値の完全な表,順序対の集合,圏における矢印
速度,加速度,接線 変化率 微分係数,導関数,偏微分,複素微分
微分作用素,行列,算術演算 作用,演算 線形変換,2項演算,単項演算
線形順序,半順序,(数や図形の)合同,間在性 関係 2項関係,順序対の集合,3項関係
素因数分解,部分分数展開,(多様体の)連結成分 分解 イデアル分解,直積,余積 等
    • ネットワーク
      • 形式体系、公理系、規則およびそれらの間の連関からなるネットワーク
      • 「動くこと」「測ること」「形づくること」「合成すること」「数えること」
      • 「遠近法」
      • 「対称性」(群論の内部)
      • (力学の数学)
      • 「数え上げ」「賭け」「選択」「遺伝学」「推計」(確率論)
      • 「物の集まり」「構成法」「セマンティクス」「シンタクス」
    • 数学を理解するということ
      • 類推(アナロジー)
      • 例の研究
      • 証明の解析
      • 関心の推移
      • 不変な形での定式化
    • 一般化と抽象化
      • 個々の場合からの一般化
      • 類推的手順による一般化
      • 修正による一般化
      • 削除による抽象化
      • 類推による抽象化
      • 考察の焦点の移動による抽象化
    • 新機軸
      • コンピュータ的複雑性、ファジー集合
  • まとめ