Grassmannianを定めるイデアル
- "Linear Spaces and Grassmannians" by Mateusz Michalek
https://personal-homepages.mis.mpg.de/michalek/may08.pdf
- n次元線形空間の中にk次元部分空間をとる
- 全てのk次元部分空間のそれぞれを点として納めた空間がグラスマニアン Gr(k,n)
- このグラスマニアンと言う空間上に、kxn行列が点として対応づくが、全てのkxn行列が異なる点になるわけではなく、行列の重複がある
- その重複とは、ある行列Aが、線形変換で行列Bになるとき、AとBとはグラスマニアン上で同じ点になる
- そのことは、AとBとのPlucker座標を計算し、それが、同次座標的に同じであることでわかる。同次座標的に同じ、とは、AとBとのplucker座標が定数倍になっていること
- 言い換えると、全てのkxn行列は、何かしらの線形変換をすることで、「標準的な行列」に変換し、そのPlucker座標が特定の形をとるようにできると言うこと
- kxn行列の先頭のk列を考えて、kxk行列をとる。このkxk行列の逆行列によって、kxn行列を線形変換しても、グラスマニアン的には同じ点に対応するから、これを「代表」とする
- このとき、最左k列の行列は単位行列となっているから、それに対応するPlucker座標は1である
n <- 5 k <- 3 A <- matrix(rnorm(n*k),ncol=n) K <- matrix(rnorm(k^2),k,k) # 線形変換 library(gtools) cm <- combinations(n,k) pl1 <- rep(0,length(cm[,1])) for(i in 1:length(pl1)){ tmp <- A[,cm[i,]] pl1[i] <- det(tmp) } pl2 <- pl1 for(i in 1:length(pl2)){ tmp <- (K %*% A)[,cm[i,]] pl2[i] <- det(tmp) } pl1/pl2
B <- A[1:k,1:k] B.inv <- solve(B) A. <- B.inv %*% A A. pl3 <- rep(0,length(cm[,1])) for(i in 1:length(pl1)){ tmp <- A.[,cm[i,]] pl3[i] <- det(tmp) } pl3
> pl1/pl2 [1] 0.5236396 0.5236396 0.5236396 0.5236396 0.5236396 0.5236396 0.5236396 0.5236396 0.5236396 0.5236396 > pl3 [1] 1.0000000 -0.1612548 -0.9878803 -1.2755262 -0.8083791 -1.1297122 -1.6136305 0.6423642 -1.6976580 [10] -2.1237775
- kxn行列を線形変換して、kxk行列を作り出すことで「代表する行列」にできる。たまたま先頭のk列ではそれができないことがあるが、その時は、別のk列を取ればできる。したがって、そのk列を取ることで標準化できるかに関する場合わけを考慮する必要がある
- その上で、この標準化され行列のPlucker座標は、「kxn行列の一部が単位行列化しているので、それらの列は、小行列式に-1,+1を掛ける役割だけしか持たない。-1,+1のどちらになるかは、k列が何番目の列かで決まる。逆に言うと、Plucker座標の値に正味に聞いてくるのは、単位行列に参加していない、n-k列であることがわかる
- したがって、kxn行列を標準化し、kx(n-k)行列を取り出せば、これの(必ずしもkxkとは限らない)小行列式がPlucker座標を決める
- このことから、kx(n-k)行列が「重複なし」にグラスマニアンのPlucker座標を定める。ただし、その対応関係は、一部ではkxk行列式を使い、一部ではk'xk' (k' < k) 行列式を使うことから、「単純な」対応関係になっておらず、非線形埋め込みになってくる
- この非線形な埋め込みと、Plucker座標同士が満足する二次の関係式 Plucker relationsとの「非一次性」が関係する(らしい)
- また、kxn行列のグラスマニアンは、kx(n-k)個の要素が決める多様体であり、kx(n-k)次元多様体と言える。Plucker座標は個あり、それが同次座標だから、ある意味で自由度はだが、k x (n-k) 成分の自由度があるとすれば、自由度の大きさは異なってくる。の場合は、「線形埋め込み」としての自由度・次元、k x (n-k)は曲がっている多様体としての次元・自由度。例えば、2x4行列の場合、前者は4*3/2 - 1 = 6-1だが、後者は2x(4-2) = 4である
- を標準化してとした時に5次元空間に埋め込まれた4次元多様体としてグラスマニアンは存在することになる
- この多様体を零点集合として与える多項式がPlucker relationでである
- このグラスマニアンを代数多様体として与えるイデアルは知られており、グレブナー基底を用いた表現になっているらしい。Macaulay2 ではGrassmannianなるコマンドで与えられると言う
- Macaulay2 のGrassmannianの説明サイトは→
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- Web でいじることもできる →
www.unimelb-macaulay2.cloud.edu.au
- 自由度が5ではなくて4であること、5つの値のうち4つは共有されており、最後の1つが4つから計算できることをRで確かめてみる