曲がっている空間でのピタゴラスの定理

  • 普通の(ユークリッド幾何的な)ピタゴラスの定理と言えば、直交座標系(デカルト座標系)を取って、直角三角形の斜辺の長さの2乗が残りの2辺の長さの2乗の和に等しい、という話
  • 2次元平面に長方形を置いて、その対角線を引くと、二つの合同な直角三角形が斜辺を共有して向き合っている図になる
  • 3角形は2次元平面上に置けるが、3次元空間に置いてもよい
  • 長方形を対角線で折り曲げてみる
  • これは、二つの合同な直角三角形をその斜辺を共有させた状態で3次元空間に置いた図になる
  • この折れ曲がった長方形の4つの頂点の間には、ピタゴラスの定理が成り立っている。ただし、道のりの取り方は、折れ曲がり長方形に沿うこととする
  • 逆に言うと、3次元空間で、共有斜辺の両端の2頂点の距離を測るときには、たまたま、その3次元空間での最短経路と通ってもよい経路とが一致するので、同じ長さになるし、折れ山を構成する平面上の2点の場合も、3次元空間での最短経路と、通ってもよい経路とが一致するが、折れ山を乗り越えなくてはいけない2頂点の場合は、3次元空間での最短距離は通行許可面での距離より短くなる
  • さて。
  • この課題を次元一般化するとどうなるか?
  • 次元を一つ上げてみる
  • 長方形の代わりに直方体を考える
  • 3次元空間に直方体を置く代わりに、4次元空間に置いてやる。そのときに、直方体の一つの対角線をまっすぐに保ったままという条件をつけ、その「対角線で折る」ことは許可する
  • これは、共有される対角線を軸にした回転を許して、v1+v2+v3 という相互に直交する3つのベクトルの折れ線を回すことで実現できる
  • また、そのような回転を3個のベクトルの足し合わせ順の場合の数(3*2*1=6)だけ指定することができる
  • 一般化すると、k次元直方体の対角線を軸にしたk+1次元空間回転をk!通り作成し、k!通りの折れ線パスを定めることが、「k次元直方体のk+1次元空間での対角線折」
  • そしてこの「対角線折」が守られるとき、この折られたk次元直方体ではピタゴラスの定理(k個の辺の長さの二乗の和が対角線の長さの二乗になる)を満足している