外微分・全微分メモ

  • 微分するときに、ある方向を気にしながら微分することを偏微分という
  • 方向がきれいなときは、これもよい
  • 平らな世界だと、方向を直交基底でとったりそれを回したりして使いまわすことも簡単
  • 平でない世界だと、特定の方向を気にして偏微分したり、それを足し合わせたりすると、各方向の直交関係とかを常に気にする必要があって大変
  • それよりは、方向を気にせず、「全方向」に関して足し合わせたもの=全微分を扱う方が簡単
  • 平らな世界では、全微分は、直交基底ごとの偏微分のベクトル和になっている
  • 微分の例
    • スカラー場があったときに、その「全微分」は「スカラー場」が「どっちの方向に」「どれだけ」というベクトルになる:gradient
    • ベクトル場があったときに、その「全微分」は「ベクトル場」が「どっちの方向に」「どれだけ」というベクトルになる:curl
    • 2次元のベクトル場があったときに、その各方向のホッジは、90度回転した方向だが、それがどれだけ変化しているかは、方向によらず、2次元平面の法線方向になるので、「全微分」は「ベクトル場」が「どっちの方向に」「どれだけ」変化するかを、「ホッジ」を介して、スカラー和的にして、「どれだけ」というすからーになる:divergence
    • ラプラシアンは、このdivergenceが「どっちの方向に」「どれだけ」変化するかの「値の和」を取ったもの
  • \nabla(ナブラ)は、ベクトル演算子
  • ベクトル演算子というのは、「どの方向に」「どれくらい」「変化しているの?」という問いかけをする演算子
  • 座標があることにすれば、問いかけを方向ごとに書いて並べることもできるけれど、座標を置かなければ\nablaと書くしかない
  • 1次元空間の\nabla(ナブラ)は、「前向き・それとも・後ろ向き」に「どれくらい」「変化しているの?」という問いかけをする。これはただの微分演算子のこと
  • 2次元の平らな平面空間の\nabla(ナブラ)は「360度のどっちの向き」に「どれくらい」「変化しているの?」という問いかけをする
  • 2次元多様体の曲がった面空間の\nabla(ナブラ)は、「ぐるりと回ると360度ではないかもしれないけれど、そのどっちの向きに」「どれくらい」「変化しているの?」という問いかけをする
  • \nabla(ナブラ)が、スカラー場に対して問いかけると、スカラー場が「どっちの方向に」「どれくらい」「傾いているか」を答える。これを、0形式に対する全微分と言う。0形式の全微分は1形式。今、「答え」としては、ベクトルが欲しいので、答えの1形式をベクトルに読み替えて答えとする。
  • \nabla(ナブラ)が、ベクトル場に対して問いかけるときには、ベクトル場を、1形式と見立てて、全微分を取る。1形式の全微分は2形式。2次元多様体を考えているとき、2形式は、そのホッジを取って、1形式にすることができて、それをベクトルと読み替えれば、ベクトル場が「どっちの方向に」「どれくらい」「変化しているか」の答えが、ベクトル場となって帰ってくる。
  • \nabla(ナブラ)が、2形式に対して問いかけるときは、3形式が返る。2次元多様体のとき、3形式は、そのホッジを取ると0形式にすることができて、それをスカラーに読み替えれば、「2形式〜ベクトル場が表す1形式のホッジ」の変化具合の答えとして「スカラー」を返す処理になる
  • 物理量としてのテンソルこちら
    • 3次元連続物体内のある点に、応力というのが発生する。この応力とは、その点を含む面に対して定まる力で、点を含むあらゆる面について、計算しようと思えば計算できるようなもの。これは、点を含むあらゆる方向に対して値を持たせられるようなものの「全体」がベクトルなのに対して、「あらゆる平面に対して値を持たせられる何かしらの全体」であって、こういうものを2階のテンソルと言う。
    • この応力テンソルは、物体に生じるひずみによって線形に算出できるのだけれど、このひずみも「あらゆる平面に対して定められる2階のテンソル」。2階のテンソルを用いて線形な計算をして、2階のテンソルを返すためには、4階のテンソルが必要で、それを弾性係数テンソルと呼び、4階テンソルの物理的実例の一つである([file:///C:/Users/ryamada/Desktop/elastic_coefficient.pdf:title=こちら])