伊藤の公式・補題、確率微分方程式

  • ブラウン運動を含む曲線のことをやっている
  • 確率微分方程式になっている。ブラウン運動とそうでない運動とにわけて式を書く
  • マルチンゲールである、と言う。次に何が起きるかの期待値は、今の値であること。それは観察を積み重ねても変わらないこと。増分の期待値は常に0であること
  • マルコフ性がある、と言う。「今」を基準に(「今」を条件として)、「次」が決まる。「次」が決まるとは、「どういう確率で何が起きるか」ということ全体が決まるということ
  • マルチンゲールマルコフ性
    • マルコフ性がある確率過程があったとき、「今」という状態は時刻によって変化するから、「今の次」にどう起きるかは、「今」によっては決まるが、時刻ごとに同じなわけではない。「次」の状態は「今」に影響されるが、「次」の期待値が「今」と同じであるとは限らないので、マルチンゲールとは限らない
    • マルチンゲールな確率過程があったとき、「今」という状態は時刻によって違うけれど、「今の次」が起きて、「今と次の差分」を考えれば、その期待値は0。「今」を知らなければ、増分の期待値が0であることがわかっても、「次」の状態の具体的なことはわからないから、「次」が「今」に依存しているという意味では、マルコフ性があると言ってもよいだろう。ただし、「今」の状態を使わなくても、「今から次」への増分だけを考えるときには、「今」は不要である
  • 積分マルチンゲールな確率過程というのがある。ブラウン運動・ウィーナー過程でその変化を記録したものがそう。次に何がおきるかは確率的だし、その期待値は0であって、かつ、「次」というのは、「今」にその起きたことを積み重ねるから
  • そんなブラウン運動・ウィーナー過程の増分の期待値は0なわけだけれど、増分の分散は0ではない。実際、増分をdBと表すと、dB^2=dtという性質がある
  • ここでdB^2=dtというのは、小さな変化の2乗であるdB^2は、『二乗しているのだから、極限では一乗に比べて無視できる』と言うことがあるのにもかかわらず、『二乗が1乗と同じ』であり、『無視できない→ちゃんと考慮せよ』という意味を持つ(参考)
  • その眼でdF(t,B) = \frac{\partial F}{\partial t}dt + \frac{\partial F}{\partial B}dB + \frac{1}{2}\frac{\partial^2 F}{\partial B^2}{B^2} = (\frac{\partial F}{\partial t}+\frac{1}{2}\frac{\partial^2 F}{\partial B^2})dt + \frac{\partial F}{\partial B}dBを見ると、項の意味が見えてくる