「感じ」

ちはやふる(5) (BE LOVE KC)

ちはやふる(5) (BE LOVE KC)

  • 競技かるた(百人一首)では、「耳」がよくて、上の句が少ししか読まれないうちに、取るべき札がどれだかわかると、「強い」
  • この「耳のよい」選手を「感じがいい」という
  • さて、百首のそれぞれが読み始めてk文字読まれた段階で、取る可能性がある札の枚数を考える
  • 第i首について、k=0文字読まれた段階では、第1〜第100のすべての札の可能性があるから、f_i(k=0)=100である
  • 逆に、k=31文字読まれた段階では、必ず確定しているからf_i(k=31)=1である
  • すべてのf_i(k)0\le k \le 31であって、0\le f_i(k) \le 100であるような単調減少関数
  • 単純に考える場合にはkは0,1,...,31のような非負整数である、離散的な値を取る
  • 今、kが非負整数としたときに、「究極に感じがいい」選手というのは、f_i(k=1)=1の選手
  • 平凡に「感じの悪い」選手というのは、いろはで決まる「決まり字」通りのf_i(k)を持つ選手
  • 「感じのいい」選手は、第1音の子音の響きだけで聞き分けたり、いろはで同じ決まり字であっても、その高低などの聞き分けができるということなので、kが非負整数ではなく、もっと細かい。よく吟味すると、kはほとんど非負実数とかになるかも
  • また、「感じのいい」選手にとって、読手によって、聞き分けが変わるらしいのだが、それは、f_i(k)が読手と選手とで決まることを意味する
  • ここで、読手をr_u、選手をt_vとすれば、f_i(k|r_u,t_v)となる
  • 対戦ではt_{v_1},t_{v_2}の2人がいるから、F(r_u,t_{v_1}) =\{f_i(k|r_u,t_{v_1})\} vs. F(r_u,t_{v_2}) =\{f_i(k|r_u,t_{v_2})\}の戦いになる
  • ただし、これは「聞き分け」の対戦
  • 「聞き分け」た後に、それに反応して「取る」という動作に関するパフォーマンスを入れないといけない。そこには場のある札と場にない札とその配置を覚えておく能力、覚えていなければ、走査する力も、複数の札を払うという戦略や、それを効率よく実行するために、自陣の札の配置を工夫する力、相手陣に送る札の選択力、そしてその上で、「取る」という筋肉のパフォーマンスが必要になる
  • 「覚える」のはメモリに関すること
  • 「走査」は2次元走査なので、それなりに工夫がいる
  • 「複数の札のセット」で考える(複数の札を払う)には、組み合わせ爆発に対する戦略が必要
  • 組合せ爆発対策は、札の配置と送り札の選択にも影響する。全通りを確認しないで、それなりの(最適ではない)適解を得る力