必ず起きることは、いつまでに起きる?2

  • こちらでこんな計算をしている
  • 昨日も少し考えた
  • 一様分布のp値がたくさん集まった状況はマルチプルテスティングの状況なので、この課題は少し、丁寧に追いかけることにする
  • これを追いかけていくと、期待値がネイピア数であることがわかる
  • こんな風に考えよう
  • 今、n個の0-1の一様乱数があって、その和を考えている
  • 和がTになる確率をP^{(n)}(T)と表すことにする
  • n=1のとき、P^{(1)}(T)=1である
  • n=2のときは、1つ目の変数の値がS_1で、二つ目の変数の値がT-S_1である確率である
    • 0 \le T \le 1のときS_1の値の取り得る範囲は0\le S_1 \le Tであり
    • 1 \le T \le 2のときS_1の値の取り得る範囲はT-1 \le S_1 \le 1である
    • それぞれの場合にわけて考えて
    • 0 \le T \le 1のときP^{(2)}(T) = \int_{0}^{T} P^{(1)}(S_1) \times P^{(1)}(T-S_1)d S_1であり
    • 1 \le T \le 2のときP^{(2)}(T) = \int_{T-1}^{1} P^{(1)}(S_1) \times P^{(1)}(T-S_1)d S_1である
    • ここでP^{(1)}(S_1)=1,P^{(1)}(T-S_1)=1であるから、
    • 0 \le T \le 1のときP^{(2)}(T)=T
    • 1 \le T \le 2のときP^{(2)}(T)=2-Tとなる
  • このように、P^{(n)}(T)を考えるときには、1刻みで式が変わることがわかる
  • 0\le T \le nについて一般的に考える前に、0\le T \le 1に限定して考えよう
    • 一般化はこちら
    • この範囲では、n=k+1のときに和がTになる確率はk個の変数の和が0 \le S_k \le Tであって、k+1番目の変数がT-S_kである確率となり、それを考えるとき0 \le S_k \le 1の範囲に限定して考えればよいから、上述した、1刻みの場合わけを無視することができる
    • するとP^{(k+1)}(T)=\int_{0}^T P^{(k)}(S_k) \times P^{(1)}(T-S_k) d S_kとなって、これはP^{(k+1)}(T)=\int_{0}^T P^{(k)}(S_k) \times 1 d S_kであるから
    • P^{(1)}(T)=1
    • P^{(2)}(T)=\frac{1}{1}T
    • P^{(3)}(T)=\frac{1}{1\times 2}T^2
    • P^{(k)}(T)=\frac{1}{(k-1)!}T^{k-1}
  • ここでTの値がある値より大きくなる確率は
    • Q^{(k)}(T \ge a) = \int_{a}^{k} P^{(k)}(T) dT=1-\int_{0}^a P^{(k)}(T) dT=1-P^{(k+1)}(a)=1-\frac{1}{(k)!}a^{k}である
  • では、k回目にして、初めて和がT;0\le a \le 1より大きくなる場合、というのはk-1回目までは、和がa以下であって、かつ、k回目にaより大きくなる場合である
    • それはR^{(k)}(a)=Q^{(k)}(T \ge a) - Q^{(k-1)}(T \ge a)=-\frac{1}{(k)!}a^{k}+\frac{1}{(k-1)!}a^{k-1}
  • では、何回目を期待するのがよいかと言えば
    • \sum_{k=1}^{\infty} k\times R^{(k)}
      • k\times R^{(k)} + (k+1) \times R^{(k+1)}を考えると
      • k(-\frac{a^k}{k!}+\frac{a^{k-1}}{(k-1)!}) + (k+1)(-\frac{a^{k+1}}{(k+1)!}+\frac{a^{k}}{(k)!})\frac{a^k}{k!}の項に着目すると、差し引きで\frac{a^k}{k!}1個分が残るから
      • \sum_{k=1}^{\infty} k\times R^{(k)}=\sum_{k=0}^{\infty}\frac{a^k}{k!}となって、これは指数関数の定義(のようなもの)で\sum_{k=1}^{\infty} k\times R^{(k)}=e^a(こちら))