6. 複素解析、特に楕円関数 駆け足で読む『数学をいかに使うか』

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  • この本『数学をいかに使うか』の主張がこの章に書かれているので再度、引用する
    • 『「…は…である」というよく知られた定理がある。私はこれは(中略でも)教室では、この言明を説明するだけでよく、証明してみせる必要はまったくないと思う。そんな証明はどんな教科書にもあって、それがわかる人はそれを読めばよい。それをわからない人がどれだけの割合であるかはともかくとして、その証明の論理はそれほど難しくないが退屈である(引用者 注。「まさにその通り」)。そんなことに時間を費やすよりは外積代数、微分形式、外微分などの易しい場合の使い方を教えた方がよい。「すべて厳密に」などとは絶対考えてはいけない。限られた時間で有向に数学の使い方を教えるには実際的であることが必要である』
  • 複素関数論はどうして必要になったか
    • ガウス、アーベル、ヤコビ以来の楕円関数やその延長上にある代数関数論、または線形微分方程式についてのガウスやリーマンの研究を、正確にして、よりよく理解するために展開されたと見ることができる』
    • 『実際、リーマン面は楕円関数や代数関数が定義される"場"として導入された』
  • 円が対象になるのは自然なこと。円を扱うことに便利な関数が三角関数。それを一般化していく過程で楕円積分。変数を実数から複素数にすることのよさが挿入される。偏微分微分形式も使われる。楕円積分の性質を見ていくと、二重周期関数。到達した先(二重周期関数)そのものを対象と見ることで、視点が変わる。そして楕円関数。
  • 複素関数が開く楕円関数は、その他の特殊関数(ガンマ関数など)の一つ。その楕円関数とそれと関連するテータ関数に関する話が、次章の中間まで続く
  • 楕円関数は\mathbf{C}の中の格子\mathbf{L}を周期とする関数