駆け足で読む『非平衡ダイナミクスの数理』(1)まえがきと理論の概要

  • このまえがきと理論の概要を読むだけでも頭の整理になって、有用
  • まえがき
    • これを読むだけでも読み甲斐がありそうな、そんなまえがき
    • パターンとは時空間における異なるスケールが共存しているもの
    • スケールとは物事が時空で変化するときの速さの尺度
    • 空間方向に異なるスケールが共存していれば不均一性を生み出す
      • 差があまり大きくなければ「むら」
      • 極端に違えば「縁」
    • 数学的に異なるスケールの共存は大きな困難をもたらす、とれば一様性の消失
    • 散逸系のダイナミクスの紹介がねらいの一つ
    • 散逸系とは外から何かを供給されると同時に何かを捨てることにより、その間に構造や秩序を作るものの総称
    • 空間スケールの相違に伴う相変化の境目は一般に「界面」とよぶ
  • 理論の概要
    • 一様+ゆらぎ→ゆらぎが成長するという不安定性
      • 拡散効果→一様化
      • 拡散効果→不安定化
    • 対称性破壊分岐
    • これらの観察は「形」の認識〜縁に着目
      • 界面付近での変化のスケールとそれ以外のところでのスケールとの違いを定性的につかむと、大局がわかる(定量性は犠牲にされる)
    • 方程式と一つではない極限
    • スケールの分離と特異性の関係
    • 途中経過を見るとき
      • 不変多様体(多様体は局所的には「平面」であるもの)
      • 時間のスケールの大小によって、漸近的に扱えるか、遷移的に扱えるかが変わる
    • 第1章
      • 永年項問題「ちりも積もれば山となる」
    • 第2章
      • 無限に広がった系における不安定点のダイナミクスとしての振幅方程式
    • 第3章
      • パターン選択問題
    • 第4章
      • 反応拡散系
    • 第5章
      • 特異極限法
    • 第6章
      • 遷移的なものへの注目