完全分割に成功するときのこと
- こちらで分割の話と血流のことがコメントされている
- 安定供給の観点から、いい具合の分配が大事で、そのことと、最適な分割(たとえば赤血球数のそれ)とかに関係しそうな話題ではある
- では、その関係しそうな「関係」はイメージだけのものなのか、自然数の分割と本当につながるものなのだろうか
- それに答えがでるかどうかわからないけれども、少し2分割について考えてみる
- 資源が2等分されるとする
- 2分岐木で考える
- 2等分が階層的に繰り返されるとする
- 階層深度はまちまちであるとする
- 2分岐木ができる
- 出来上がった2分岐木の葉ノードは、
の(分岐深度)乗の値を持つとする
- 整数で考えたければ、最深の葉ノードの値を1として、それに応じてすべての葉の値を定めることとする
- このようにすると、葉にはいろいろな値が登場する
- このようにして作った数のセットは必ず完全な分割ができる
- ここで
(
は葉の値の2進法表記での桁数の何か(何か、というのは、テキストでは"typical integer"とされていたけれど、本当のところは何なのかがあいまいだから。1から
までの一様乱数を取ったときに"typical integer"をmと呼ぶというルールもあるらしいけれども)であって、
は数の個数)が、うまく分割できるようになる条件の相転移の値であるという
- 2分岐木で言うと、
はtypicalな分岐深度だろう。
は葉の数だろう
- 2分岐木を作りつつ作った数のセットは「必ず完全分割ができる」わけで、
とは関係ない
- 逆に言えば、「勝手に作った数のセット」は「2分岐木の葉の値のセット」という「理想状態」から逸脱しているがために、「完全分割するには付加条件が必要」であり、その条件を反映しているのが
]ということであろう
- 別の方法で考える
- 偶数を等分する
- それぞれの、等分された値を自然数の和に分ける
- ある値を自然数の和に分ける、その分け方は整数分割の場合の数として知られる数
- 今、ある偶数
を
に分け、
を整数分割するとする。そうすると、1つに分ける(〜分けない)場合が1通り、2つに分ける場合がk-1通り、・・・と数えあがられる。その数え上げた数の和が整数分割の数である
- kの整数分割のやり方を
とすれば、2つのkの分割の組み合わせは、
を
に分けている「完全分割の成功をもたらすような数のセット」を与える
- このうまく2等分できる数のセットの構成要素数が
であり、
と
には量的関係がありそう
- その量的関係は「2等分」が成功するかどうかの関係ではなく、どれだけ「2等分」する場合が列挙できるか、である
- 2つに分ける現象についても少し考える
- 細胞分裂はなるべく似通った2つを作ることと考えよう
- 有性生殖の親から子への遺伝子伝達も「持ちうるものの半分」を渡す現象である
- 重要な形質を支配する遺伝子に多様性(多型)があって、2アレルの機能差があるとする
- 1遺伝子によって支配されるとき、子に伝達されるアレルはどちらか片方なので、その機能差がそのまま伝わる
- 多数の遺伝子によって支配されるとき、どの遺伝子のどのアレルが、というのは支配できないが、伝達される機能はおおよそ半分になる
- この遺伝子数と遺伝子ごとのアレルの機能差とによって、「伝達される機能の量の確率分布」が決まるが、その確率分布で「おおかたの場合」に相当する範囲はその遺伝子セットが伝える機能に許容される「ブレ幅」に対応してくるだろう。適応仮説に則れば