データを読み取る

  • 昨日の記事のある意味での続き
  • 以下のような図等を読み取る、という課題を大学4年生、50人に実施した(こちら)。
  • 学生さんの状況把握の意味合いもあった
  • データを読み取ることができると、どのような読み出しをするのがよいか(たとえばグラフとしてどのようなものを選びたいか、とか、どのような点を比較する手法を選びたいか、とか)の判断が良くなるので、読み取りは、基本
    • 解剖・組織・病理系のスケッチも言ってみれば、情報の読み取りなのだけれど、「美術力」のようなとらえ方をする向きもあって、どこかおかしい…。医者のスケッチと画家のスケッチは違っていていいし、結果として同じになってもいいのだが。
  • 結果
    • 読み取る、とは何なのかがまず、よくわからないレベルが半分くらい(読み取れないことに対する、葛藤がない感じのレベル)
    • 読み取る、ことが何かはわかったけれども、それを言葉に変えることができないレベルが1/3くらい(葛藤はある)
    • 残りである1/6が、そこそこ、書き出すことが可能だが、時間制約下で、構成的に書くことはかなり難しい
    • 1/20くらいが、そこそこ書ける
  • 今後の教育的課題
    • 1. 学生の「教育前」のばらつきを評価する。想像以上にばらつきがあると思われる。開発前のポテンシャルという意味とこれまでになされてきた開発訓練の程度、という意味の両方で
    • 2. 開発しないといけないが、方法としては、「読み取り」→「添削」→「読み取り」→「添削」→ の繰り返しが必要
    • 3. レポート作成ありの講義・実習が適当
    • 4. 少人数で、書きもの課題つきの作業が適当
    • 5. 具体的に自分が、手っ取り早く、一個人でできること
      • 来年度の「数理・解析」の講義は、「薀蓄」は減らして、「読み取り」の繰り返しで1時間にする??
      • 少人数でのセミナー・ディスカッションでは「書きもの」を入れる→添削する
    • 6. 一個人でできないけれど、よいと思われる対策
      • 入試を本当の意味での記述式にすること(ある意味では、一番お手軽)
      • 入試が変えられなければ、入学直後に記述式の試験を実施して、実態を把握して、対策に活かす
      • カリキュラムで、レポートを大幅に増やす。1本1本の分量は少なくてもよい(数行、とか)が、本数は多く。