手さぐりで進む
- 昨日の記事の続き
- 2次元空間に正方格子座標を置いたり、正三角形のタイルを埋め尽くして、隣接する(辺を共有する)正三角形との間で物のやり取りをしたり、正六角形のタイルで埋め尽くしたりして、同様のことをする話だった
- 今、2次元平面のある点から方向への物質の移動とその逆方向の物質の移動を考える
- N方向への動きやすさは等しいものとする
- 方向の単位ベクトルをとし、における物質の濃度をとして、距離の2点間の物質の移動は動きやすさの係数を用いて
- すべての方向について足し合わせるととなる
- との極限を取ってやると、それが、方向すべてについて統合した「傾き〜『全』微分(偏微分が特定の方向への傾きであるのに対して、これは、すべての方向についての傾き)」
- 2次元平面で、すべての方向について物質のやりとりができて、そのしやすさが等しいときにこのようになる
- 方向ごとに移動しやすさに違いがあるとする(ただしその方向に関しては行きと帰りとでは同じ)と係数kが方向依存性を持つので
- 2次元平面を考えていた
- 次元を上げよう
- 今、D次元空間のとき、そこでの全微分は、「すべての方向についての傾き」なので単位ベクトルの集合を使って
- となる
- こうしておくと、2次元平面にある円周という閉じた(1次元空間)の場合には、「すべての方向」について考慮すれども、接線方向が2方向あって、その2方向にしか物質が進めないので、接線2方向以外のとなっている、そんな式となるし、3次元空間にある球面という閉じた(2次元空間)の場合には、「すべての方向」のうち、0でないを持つ方向は、接面方向のベクトルのみである、と考えればよいことになる
- 移動が可能な方向のみを考えてよいのなら、グラフのような構造でも同じ方式で考えられる(頂点数が有限なグラフの場合にはNが有限となるが)
- 粘菌が進行する動きは、「本人たち」が世界を俯瞰していないのなら、「行ける方向のすべてに手を伸ばして進んでみる」はずなので、「手さぐり型進行」であるし、それは「(進みうる)すべての方向」に関する『処理』を行っていることに相当する(はず)