ぱらぱらめくる『素数が香り、形がきこえる-目でみる2次形式』英語版

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  • 日本語版の本

  • 二次形式について考える
  • 整数係数二次形式は格子とみなせる
    • 例えばf(x,y) = 3x^2 + 6xy - 5y^2なる整数係数二次形式は
    • (\mathbf{e}_1,\mathbf{e}_2)なる相互に線形独立な2つのベクトルを取ることにより、\mathbf{v} = x \mathbf{e}_1 + y \mathbf{e}_2と表される整数係数ベクトルは、(\mathbf{e}_1,\mathbf{e}_2)が定める格子を指定する
    • このとき二次形式f(x,y)は格子点に整数を与える関数になっている
  • この格子点とその値を定める二次形式は、基底の取り方を変え、それに合わせて二次形式の係数を変えて、別の関数表現にすることができる
  • しかしながら、格子点のパターンとその上の値が同じならば、同値とみなすことができる
  • したがって、異なる二次形式関数が同じ格子パターン・値分布に対応することとなる
  • このように、基底の取り方によらな格子パターン・値分布について考えたい
  • また、二次形式はf(x,y) = a x^2 + b y^2 + h xy = \begin{pmatrix}x,y\end{pmatrix} \begin{pmatrix} a, h/2 \\ h/2, b \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}と、行列表現ができる
  • Equivalentな二次形式における、基底の変換による二次関数係数の変化は\begin{pmatrix} z\\ w \end{pmatrix} = M \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix},  \begin{pmatrix} z,w \end{pmatrix} =M^T \begin{pmatrix} x, y \end{pmatrix}なる変換行列Mがあったとき、f(x,y) = \begin{pmatrix}x,y \end{pmatrix} A \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} z,w \end{pmatrix} M^T A M \begin{pmatrix} z \\ w \end{pmatrix}なる関係があり
  • det(M) = \pm 1なので
  • det(B) = det(A) det(M) det(M^T) = det(A) (det(M))^2 = det(A)という関係がある
  • このように二次形式は行列表現すると、その行列式が二次形式のequivalentと関係する
  • Topotreeを描いてみる

three.jsでforce-3dプロット

  • グラフのノードをその物理反発力に基づいて、エッジ長をそろえて座標を決めるアルゴリズムが(3d-)force layout
  • igraphパッケージにはlayout_with_fr()関数があるが
  • ジャバスクリプトで3d-interactive表示させるライブラリと連携させるRパッケージthreejsのデフォルトレイアウトがこのforce-layoutになっている
  • また、同パッケージでは3Dアニメーションで自動ぐるぐる回転表示もさせるが、そこでは、複数のレイアウトを指定しそれを渡り歩かせるという仕組みで、いろいろな見せ方をさせる、という方法を取っている

Quiver グラスマニアン

  • Quiver grassmannian can be anythingという小文があった
  • その元ネタ文はEvery projective variety is a quiver Grassmannianというものだった
  • 前者が具体例y^2 = x^3 + 1という楕円曲線を用いて説明しており、後者が一般論で記述してある
  • 記法、変数の対応を取らないとよくわからないので、上記2文章が手元にあるものとして、それを読む手助けとするべく、対応を書き留めておく
  • Quiverは3つのベクトル空間 V_1,V_2,V_3とそれらを結ぶ写像からなるが、V_2 \to V_1はk個の写像(具体例ではk=1)、V_2 \to V_3 はn+1個の写像(具体例ではn+1=3)
  • n=2 : y^2 = x^3 +1という楕円曲線を、y^2 z = x^3 + z^3という斉次多項式で表してやったときに、P^2射影平面の話になるが、nはそのn
  • それをM個の値の組で表されるP^{M-1}射影空間に引き上げるのだが、このM=10
  • P^nV_3に、P^{M-1}V_2に対応する
  • 具体例小文で6x3行列が出てくるが、これが一般論小文のA(x)に相当する
  • \mathbf{m} = (m_0,...,m_n) in  \mathbf{N}^{n+1}というのは、x^2yだったらm_0=2,m_1=1,m_2=0ということで、2+1+0 = 3 = d

楕円曲線と射影平面

  • 楕円曲線というものがあるという(Wiki: こちら)
  • 2次元ユークリッド平面でx,yを使って式を書いてもよいが、射影平面で考えると「非特異な射影代数曲線」との呼称ができて、わかりやすいらしい
  • 楕円曲線を2次元ユークリッド平面に描き、それに遠近法で無限遠点を1点に収束させて描くと、その曲線は無限遠点に向かう
  • 遠近法での見え方を2次元プロットするためには、(x,y)座標を線形変換で「斜め」にするとともに、遠くに行くとだんだん間隔が狭くなるようにする必要がある
  • そのような変換では、同次座標を使う(線形変換行列では3x3行列を使う)。そのうえで、第3座標で第1、第2座標を徐することで、そのような絵が描ける
  • この線形変換・座標計算は、射影空間座標の扱いそのものである
  • そして、このようにとらえると、楕円曲線上の一般的な2点を結んだ直線が無限遠点で交わることもわかる
  • この収束する1点を基点と呼び、それを使って「楕円曲線は特定の基点 O を持つ種数 1 の代数曲線」と言うらしい
  • ちなみに射影多様体Wikipediaにある図はそのことを表すとともに、楕円曲線上の点に群構造が入っていることを説明している

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  • 以下のRコードは、y^2 = x^3 + 1を透視図法で描くもの